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短編集

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サクッと読める短編です。
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#連載小説

あかるい花園二番街の平和武装さん

嘔吐塗れの歌舞伎町を見たことあるか?   俺はある日、いつもみたいに朝まで歌舞伎町で飲み明…

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暗い部屋

暗い部屋 暗い、暗い、暗い部屋 可愛い彼女がcry、cry あとどれくらい、嘘をつく 暗い部屋 暗…

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こんな夢を見た

「富士の麓にはたくさんの人が埋まっているんだ」  誰かが私にそう言った。 「それはどうして…

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深夜3時のマインドカフ

あなたが寝静まった深夜3時。 わたしは眠れなくて甲州街道のテールランプをあなたのマンション…

11

ふわふわふわふわ 飛んでいく

飛んだ 飛んだ たかく飛んだ 紙飛行機 飛んだ 飛んだ たかく飛んだ タイムマシーン 飛ん…

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こんな夢を見た。

 犬は飼い主に似るとはいうが、ここまで似ているとはお隣さんでも知らないだろう。うちの犬は…

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こんな夢を見た。

 僅かばかり白い雲が掛り始めた満月を私は縁側から眺めていた。右手には熱燗を左手には芳ばしい栗を摘み、橙に色を染めた葉は月明かりにその色をより紅く輝かせていた。  私は上着のポケットから煙草を取り出し火を点け「ふぅ」と溜息まじりに煙を吐き出した。煙は宙をふわふわ舞い、影を作っては直ぐ消えた。また熱燗を口にした。 「少し飲み過ぎだぞ」  父が私の隣りに座りそう言った。 「気分が良いんだ」  私がそう言うと「私もだ」と父が言った。 「お前と呑むのは初めてだな」 「そうだね。酒を呑む

こんな夢を見た。

「拙者落ち武者でござる」  夜中に呼び鈴が鳴き玄関を開けるとそこには落ち武者がいた。なん…

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こんな夢を見た。

 二両編成の車窓から私は眺めていた。無機質な巨人の群れはその場から動くことなく大地に根を…

8

やがて朝がやってきて、沈んだはずの太陽を今日もまた見ている。

 八月の太陽が輝く、世界はキラキラしている。  雲一つない空に私は指でなぞるように文字を…

11

こんな夢を見た

腕組みをしてあぐらを組んでいると一人の坊主が私の前で経を詠み始めた。 なんだと目を見開い…

6

こんな夢を見た

『とある街で原因不明の病が流行っていた』 「この流行病を治療する方法を解明致しました」 …

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こんな夢を見た

地球とはどんなところなのだろうか。 人類が文明を築き、自らのエゴで自然を破壊しては、失っ…

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君の名は

数年前に大ヒットした『君の名は』映画館またはブルーレイを借りて観た人は多いと思います。ぼくも六本木の映画館に観に行きました。純粋に楽しく見ることができたし面白かった。でも一回でいいかなというのは正直ある。 今回は別に映画『君の名は』についてではなく、先日結婚した先輩がおめでたで出産を控えているということ、そしていわゆるキラキラネームを子どもにつけよとしているということについて。 先日久しぶりに地元の先輩にあったところから話は遡る。 表参道から一本裏路地のカフェで待ち合わせ