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日本の色名は面白い

前回言語についてアレコレと書きましたが、今回もその続きの様なもので色の名前の面白さを幾つか紹介致します。
以前、スペイン語を話す方々と知り合った時、赤を表す言葉にはどんな種類があるか尋ねてみました。返答は「rojo」(ロホと発音します。意味は赤)でした。どんなに薄くても濃くても、黄色味でも青味でも「ロホ」だそうです。しかし日本語で赤を指す言葉はたくさんあって、「紅、朱、茜、緋、臙」などがそうです。これらの赤い色も微妙に違います。日本人はそれを自然に使い分けて表現しています。さらに薄い、濃い。青みがかった、黄色味がかった。などが加わるとさらにたくさんの色名が登場します。
幾つか紹介しますと。

赤の色味

やはり色名には植物や生き物の名前がついているものが圧倒的に多い様な気がします。これらの英名は、上から順に。キューピッドピンク。コリントピンク。ローズピンク。ですが、何となく言葉の響きが色と合わない様に感じます。
次に紹介するのは人の名前がついた色名です。
千利休でお茶に因んだ緑系の色です。

利休色

この利休色の英名は利休の名が付かない。上から順に、ダスティオリーブ。シトロングレー。セラドングレー。あ〜ぁ、これじゃ、あんまりだョ。乙も粋もありゃしない。
他にも歌舞伎の団十郎に因んだ色も江戸時代に生まれました。
さらには地名が入った色もあります。


変わった色名

こちらも英名は、ブリックダスト。シアンブルー。となります。
やっぱり音の響きが悪い。色を想像出来ない。多分、日本人だからかもしれませんが、

こうしてみると日本人がいかに色の微妙な変化に敏感だったか分かります。
日本の風土、四季があり花々が季節ごとに彩を変えて咲く。
人々の遊び心も入った色名を見ていると当時の暮らしが見えてきます。

平安時代には重ねの色目があり十二単などがそうです。それを季節ごとに色を変えて重ねていくのでとても美しい色のハーモニーを季節ごとに見ることができます。ここで雑学・・

「かさねの色目」と云って色を合わせる時に使う言葉があります。着物などでしょうか・・・
これには2種類あって「重色目」と「襲色目」があります。どちらも「かさねのいろめ」と読みます。「重色目」は着物などの裏表で合わせること、2色で構成される。「襲色目」は十二単の様に衣を何枚も重ね着した配色のことで、4〜6色くらいの色を合わせます。色の濃淡で構成され、平安時代の色彩は「雅」という言葉で象徴されます。

江戸時代の頃は奢侈禁令(しゃしきんれい)と云って、色調の地味という制限があって高級な色(紅花染、紫根染め)は流行りませんでいた。
流行色になったのは茶系統、鼠系統の色で「粋」を志向する様になりました。特に流行ったのは、人気歌舞伎俳優の衣装などに用いられた色で先ほど挙げた、団十郎茶などがそうです。

では、現代はどんな色なのだろうか?

これは、難しい質問ですね。 あっ!時間だ・・・・今回はこの辺で、(と言い訳をして)
これは、宿題にしておきましょう。

お読み頂きありがとうございました。

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