見出し画像

インドに行くより三体を読め!(ネタバレなし)

学生時代にインドに行ったことがありますが、人生観は変わりませんでした。

一方で、三体を読んでから多少世界の見え方が変化した気がするので、何が変わったのか書いていきます。
※ネタバレどころかあらすじもありません。

そもそも三体とは?


中国の方が書いたSF小説で、全三部作の超大作です。
世界中で超人気なので、母国中国でも、Netflixでも映像化されました。

Netflix版を見ましたが、かなり小説を圧縮しているため、本質的な三体の面白さを味わいたい方は、絶対に小説を読んだほうが良いでしょう。

中国版の映像はエピソードが多く、もう少し細かく描いているようです。

三体の何がすごいのか?

三体のすごさは、いくつか要素に分けられる気がしたので、それぞれ分けて書いていきます。

ギミックがすごい

SF小説の醍醐味である、ギミック。つまり推理小説で言うトリックのようなものが、大量に投下されているため、読んでいて途中からワクワクが止まりません。
「え、こんな解決策が!?」
「この人こんな行動とるの!?」
みたいなことが頻繁に起こります。

それぞれのギミックだけで1冊本が書けそうなアイデアなのに、それがポンポン出てきます。

単純に「この作者やばいな…」という気持ちが増していきます。

描写が細かい

ギミックの量と質が高いので、描写がおざなりになっているかと言うと、そうではなく、周りの景色や人物の顔などの描写が細かく書き込まれています。
そのため、多くの人が筆者の意図(あるいは訳者の意図かもしれませんが)とズレることなく物語を追えることと思います。
Netflixで映像化されたときも、重要人物や重要なシーンはかなりイメージとズレなく描かれており、小説の細かさが寄与したと感じました。

とにかくスケールが大きい

どんな話かは全く触れるつもりはないのですが、とにかく時間的にも空間的にも時限的にもスケールが大きい作品です。読んでいて、浮遊感を味わえます。

読後どんな変化があるのか?

三体を読むことで、どんな変化があったのか書いていきます。

全人類が愛おしくなる

人類全部、というくくりで人類を眺めることになるため、全人類への愛おしさが増します。
人類全てが一つのチーム、仲間だと思えるようになるでしょう。

宇宙に対する見方が変わる

良い意味でも悪い意味でも、宇宙という場所の厳しさと、確かに存在するロマンとが、より身近に感じられるでしょう。
宇宙に対する解像度が上がる、ということかもしれません。
本当の宇宙はまた別なんでしょうが。

眼の前の出来事がわりとどうでも良くなる

これが凄まじいです。
スケールが大きすぎて、日頃の悩みや出来事が非常にちっぽけに感じられます。
もともと芸能人の不倫とか興味がなかったのですが、さらに興味がなくなります。

だからといって虚無感におそわれるということはなく、むしろ「自分の人生にとって大事なことは何か」という問いに集中できるようになるでしょう。

偉そうなことを言っていますが、三体を読むというのはそういうことです。

読み方のコツ

三体を読みたいけれど読書体力が心配だ、という方は、以下のポイントを意識すると少し読みやすくなるかもしれません。

淡々と読む

三部作合わせるとわりと長めの本なので、マラソン的に淡々と読むと良いです。
特に物語の立ち上がりがゆっくりなので、ワクワクを期待して読まないほうが良いです。
最初はそのつもりでも、あるところから引き込まれるように読める瞬間が来ることをお約束します。

Kindleで読む

紙の本だと分厚くて嫌になってしまう方がいると思いますが、Kindleなら軽くてスマホにも入れられるうえ、残りがどのくらいか考えずに読めるので、「淡々と読む」がやりやすいでしょう。

私の場合、通勤中などはスマホで、寝る前は一昔前のKindle Paperwhiteで読んでいます。

最後に

人生を変えたい人は、ぜひインドに行く前に騙されたと思って三体を読んでください。
価格も100分の1くらいだと思います。

※ちなみに、三体の前章のような形で位置づけられている「球状閃電」も絶対読んでほしいです。

ではでは!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?