読書録と化した何か

読書録を中心に。

読書録と化した何か

読書録を中心に。

最近の記事

「破局」を読んだメモ

読んだ理由芥川賞を取っているから。 感想メモ謎の読後感。 ある意味で、共感を覚える小説だった。 ディストピア的というか、虚無というか、マーケティングというか、こうすることでしか明日を生きられないというか。 併せて読みたい本他の遠野遥を読もうと思ったが、アマゾンレビューが低いのでやめた。これもまたこの小説の主人公のような考えの一派か。 個人的な点数3.9。何故か他の著書ももっと読みたい気持ちにさせられる。

    • 「君のクイズ」を読んだメモ

      読んだ理由なんか気になったから。重ための本を読んでいた中で、読みやすそうだった。 感想メモ面白い。ぱっと読める。ただ、なにか残る感じではない。 併せて読みたい本直木賞受賞作は重さが少し違う感じか。 個人的な点数3.6。楽しかった。

      • 「生のみ生のままで」を読んだメモ

        読んだ理由自分的綿矢りさ週間で、最近のものを読んでいないなと思ったから。 私をくいとめて、を読んだ後にすぐ読んだ。 感想メモ読みながら感情を翻弄された。それはドラマ的な要素と、綿矢りさが捉える人間が織りなす展開を予期できなかったから。本当に野心的な小説家だと思った。 併せて読みたい本バリュエーションの幅が広いので、もう1冊くらい綿矢りさを読もうと思う。 個人的な点数3.8。月並みだが、心揺さぶられる恋愛小説。

        • 「私をくいとめて」を読んだメモ

          読んだ理由金原ひとみからの綿矢りさ、という回顧週間的な理由 感想メモ少しそれまでの小説に比べてこざっぱりとした、それでいて時代をえぐり取る書き方が、著者のあくなき挑戦心と野心を沸々と感じさせる。 Aという存在がみつ子自身でもあるという設定にすることで、押し付けがましくない幸せのあり方を模索、提示するという新たな手法も光る。 併せて読みたい本他の綿矢りさを読むつもり。でも、懐かしいばかりでは時代が進まないので、そろそろテスカトリポカとか読まなきゃいけないのもわかっている。

        「破局」を読んだメモ

          「マザーズ」を読んだメモ

          読んだ理由個人的に金原ひとみ週間だから 感想メモちょっと読むのがしんどかった。 ただ、読んでよかったと思う。持ち重りのする体験。 併せて読みたい本綿矢りさを読む。 個人的な点数4.0。著者が身を削って書いて出た血がたくさん付いているような本。

          「マザーズ」を読んだメモ

          「腹を空かせた勇者ども」を読んだメモ

          読んだ理由金原ひとみをたくさん読みたいから。 感想メモ私小説的な子育て奮闘記かと思ったら、現代女子の爽やかな青春小説だった。こんな爽やかなのも書けるとはやはり金原ひとみ恐るべし。 併せて読みたい本次は朝吹真理子を読みたいかも。 個人的な点数3.9。娘にいつか読んでほしい

          「腹を空かせた勇者ども」を読んだメモ

          「蛇にピアス」を読んだメモ

          読んだ理由私の身体を生きる、の金原ひとみのエッセイが素晴らしく、余韻で読みたいと感じたから。 感想メモ読んだことがあったような気がした。 そして、不思議なことに、つい先日読んだエッセイの方が鋭く、鮮やかで、それでいて心地よい気がした。 蛇にピアスはやはり筆者の若さが全面に出た作品だ。そこが評価されたとも言えるのだろう。 併せて読みたい本最近の金原ひとみ、そして綿矢りさの作品も読みたいと思った。 個人的な点数3.5。当時読んだらもっと鮮烈だったかもしれないが、今の金原ひと

          「蛇にピアス」を読んだメモ

          「私の身体を生きる」を読んだメモ

          読んだ理由まず、新聞の書評欄で見た後、必ず読もうと思っていた。 感想メモ安易に誰かに勧められないことをもどかしく思うと共に、女性はもちろんだが、より多くの男性にも届いてほしいとも思った。 いずれにしても、このような企画に多く才能が呼応し、苦悩や葛藤と、ある種の必然という矛盾を伴って、最終的に発行されたことに深い敬意を表したい。 女性読者の感想や感じ方も聞いてみたい。とりあえず妻に読んでほしいと伝えた。 併せて読みたい本金原ひとみの鋭利な言葉達が突き刺さって抜けないため、読

          「私の身体を生きる」を読んだメモ

          「訂正する力」を読んだメモ

          読んだ理由私が見ていない隙に、娘がKindleでポチってしまったから。 感想メモ内容は訂正可能性の哲学のダイジェスト。新書になっているため、とても読みやすい。個人的にはこちらを読むだけで良い気がする。 ポイントとして良かったところを抜粋します。 併せて読みたい本脱構築系についてのデリダの本 個人的な点数4.1。まずわかりやすく、面白い。そして日常に新たな視点と希望を与えてくれる。

          「訂正する力」を読んだメモ

          「訂正可能性の哲学」を読んだメモ

          読んだ理由東浩紀氏の本をちゃんと読んだことがなかったのと、タイトルから内容が全く想起できなかった点がそそられた。 感想メモ哲学が持つ力を目の当たりにするような読書体験。そして現代政治が拠り所にしてきたルソーという人物についての考察が非常に豊富で、エミールを読んだことがあったにも関わらず、非常に新鮮な切り口を与えてくれた。 併せて読みたい本訂正する力という新書があり、娘が勝手にKindle端末でポチっていたので復習を兼ねて読む。 個人的な点数4.0 今の時代に本を読むこと

          「訂正可能性の哲学」を読んだメモ

          「最高結果を出すKPIマネジメント」を読んだメモ

          読んだ理由社内でストレッチオペレーションを実行するべく、経営ダッシュボードを更新しており、改めてKPIマネジメントを基礎から知りたかった為。 感想メモ営業プロセス短縮の方法のうち、プロセスの省略が明日から使えそうだった。例えばヒヤリングとプレゼンテーションを同時にするのは結構革命的だと感じた。 採用面接の日程調整権限を人材紹介会社に渡すというのも面白かった。 達成しなかったときの打ち手を決めておくのも良いと思った。 施策の承認と振り返りを同時に確定するのもやっていなか

          「最高結果を出すKPIマネジメント」を読んだメモ

          「タイタンの妖女」を読んだメモ

          読んだ理由爆笑問題の太田光さんがTVで紹介していた。 感想メモSFというよりも、挑戦的なアート作品のような小説 最後に読者の感情が回収される感じが人々に気に入られている理由だと感じた 一方で、ちょっとそれにしては長い気がする 今後併せて読みたい本他に爆笑問題太田さんがなにか勧めてたら読みたい。 個人的な点数3.7くらい。長きにわたって人々に読みつがれている理由がよく分かった。

          「タイタンの妖女」を読んだメモ

          「新しい封建制がやってくる」を読んだメモ

          読んだ理由確か、日経新聞土曜版の書評で見かけた。 感想メモ現代と中世における共通項を見出し、テックジャイアントを中世の聖職者のような立場に見立てた切り口が面白い。 社会階層の固定化が進むことは、数多くのデータから理解できたうえで、解決策としてどうすべきかがあまり提示されていなかったので、若干悲観的。とはいえ、労働集約的な仕事が増えようがない現代において、解決策を見出すのは難しいのも事実。 40歳以下の富豪13人のうち9人がテック業界の人間であり、しかも全員がカリフォルニ

          「新しい封建制がやってくる」を読んだメモ

          インドに行くより三体を読め!(ネタバレなし)

          学生時代にインドに行ったことがありますが、人生観は変わりませんでした。 一方で、三体を読んでから多少世界の見え方が変化した気がするので、何が変わったのか書いていきます。 ※ネタバレどころかあらすじもありません。 そもそも三体とは? 中国の方が書いたSF小説で、全三部作の超大作です。 世界中で超人気なので、母国中国でも、Netflixでも映像化されました。 Netflix版を見ましたが、かなり小説を圧縮しているため、本質的な三体の面白さを味わいたい方は、絶対に小説を読んだ

          インドに行くより三体を読め!(ネタバレなし)

          カラーE Inkで早く絵本をデジタル化してほしい話

          私は2児の父でして、上の子が3歳なので、絵本を読む機会がたくさんあります。 ただ、図書館がそれほど家の近くになく、本を買うといっても、大量に買うほど収納力もないため、結局同じ絵本を読むか、私や妻が毎日創作した昔話的なものを話して聞かせています。 ただ、最近カラーE Inkデバイスが普及してきたので、そろそろ絵本もKindleでデジタル化されるんじゃないかと密かに期待しています。 カラーE Inkの用途は多々あると思いますが、動画はどう頑張ってもリフレッシュレート的に難し

          カラーE Inkで早く絵本をデジタル化してほしい話

          Notionは「ビジネスおもちゃ」だという話

          ※この記事は、一度でもNotionにハマった人向けに書いている。 Notionは楽しい。 楽しいのでどんどん時間が溶ける。 次のタスクが待っていても、 「あと15分だけNotionさせて」 そんな童心にかえった気持ちになるのだ。 あれ、この感覚何かに似ているな。 そうだ、子供の頃遊んでいた「おもちゃ」である。 おもちゃは楽しい事が目的であって、他に用途はない。 一方Notionはビジネスのツールなので、誰かの役に立つはずである。なのでここではあえて「ビジネスおもちゃ

          Notionは「ビジネスおもちゃ」だという話