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「訂正する力」を読んだメモ

読んだ理由

私が見ていない隙に、娘がKindleでポチってしまったから。

感想メモ

内容は訂正可能性の哲学のダイジェスト。新書になっているため、とても読みやすい。個人的にはこちらを読むだけで良い気がする。
ポイントとして良かったところを抜粋します。

ヨーロッパの強さは、この訂正する力の強さにあります。それはきわめて保守的でありながら同時に改革的な力でもあります。ルールチェンジを頻繁にすることによって、たえず自分たちに有利な状況をつくり出す。それなのに伝統を守っているふりもする。それはヨーロッパのずるさであると同時に賢さであり、したたかさなのです。

訂正する力より

望ましいのは、「あなたのことはリベラルだったと信じていたが、じつは保守でもあったのですね、そういえば過去のあの発言やこの発言もそう理解できるかもしれない」と、「じつは……だった」の訂正の論理によって、あなたの一貫性を再発見してくれるような人々です。そういうひとがいないと、安心して変化できません。

訂正する力より

ぼくは、人間と人間は最終的にわかりあえないものだと思っています。親は子を理解できないし、子も親を理解できないし、夫婦もわかりあえないし、友人もわかりあえない。人間は結局のところだれのことも理解できず、だれにも理解されずに孤独に死ぬしかない。できるのは「理解の訂正」だけ。「じつはこういうひとだったのか」という気づきを連鎖させることだけ。それがぼくの世界観です。

訂正する力より

併せて読みたい本

脱構築系についてのデリダの本

個人的な点数

4.1。まずわかりやすく、面白い。そして日常に新たな視点と希望を与えてくれる。

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