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「SaaSって何?」からはじめた、スタートアップ1人目人事&コーポレートとしての2年間


こんにちは。
ゼロスペック株式会社(IoT×SaaSスタートアップ@札幌)」で
1人目人事&コーポレートの松田(@SHOMATSUDA3)です。

「SaaSってなんて読むんだろ~??」から始まった、
ゼロスペック社員としての2年弱を振り返りつつ、
自分の頭と気持ちの整理ができればと思います。
(似たようなどこかの誰かの一助になればとの気持ちも込めつつ。)

一つ一つ、細かいところまで記載したいのですが、分量が膨大になるので、細かい点が聴きたい方はお気軽にご連絡下さいませ!


前提:HR&CorpTeamの領域

弊社の現在の組織体制は、フルタイムメンバー15名 / 3Team制(Business・Product・HR&Corp)。うち、HR&CorpTeamは1人Teamです。

「業務範囲が広く、油断すると、”ココハドコ・ワタシハダレ”状態になる→常に自分の現在位置を俯瞰しておきたい」「将来的に、他の方に業務を渡しやすい状態を作る」と言う目的の元、(1人Teamですが、)Team業務をどのUnitが担う業務か?を明示し、年間行為計画(1~数か月単位プロジェクト計画)に落としています。この行為計画を元に、CEOや他チームとコミュニケーションを取り、毎月のアクションを管理しています。

Unitの一覧は以下の通り(英語にするとカッコよく見えるね!)

  • HR Strategy & Culture(人事戦略、組織開発、文化)

  • Recruiting(採用)

  • General Affairs(総務、労務)

  • Corporate IT(社内IT)

  • Accounting & Finance(経理財務)

  • FP&A(Financial Planning & Analysis・経営企画)

以下では、該当Unitを明示しながら、主にどんな社内プロジェクトを担ってきたか?2年弱をざっくり振り返ろうと思います。

Team体制図。全Unit責任者松田。
年間行為計画


FY22-2Q(2203-2205)

※弊社は12月1日は事業年度開始であるため、2Qは3月からです。

採用機能立ち上げ(Recruiting)

「エージェント出身なんで、採用活動できます!」と入社したので、まずは採用を巻き取り。
フルタイムメンバー&副業メンバー全員と1on1/いろんなMTGに同席等して、採用関連の足元の業務を巻き取り(面接・付帯オペレーション・エージェント様とのコミュニケーション)しつつ、採用広報方針・採用人材像の整理・採用方針立案~施策の実行をひたすらに進めました。

採用に軸を置いたため、いろんなMTGに同席しながら、仕事のあれこれや、各人のヒトとナリリについて、比較的早期にインプットできたように思います。

また、社内の協力のおかげもあり、その後1年ちょっとでメンバー数は以下のように推移。フルタイムメンバー:6名増、副業メンバー:一時10名強。協力ありがたし。会社に人が増えると楽しい~。

当時の入社エントリはこちら。

採用機能立ち上げ時に書いたntoe

1人目採用担当として、すごく参考になった記事。


労務基盤整備諸々(General Affairs)

細かいので詳細は割愛。
顧問社労士さんとの契約&連携/契約書整備(正社員/バイトの雇用契約書、業務委託契約書)/就業規則整備/勤怠ルールの設計~定着(マネーフォワード勤怠)/給与計算業務の安定化(マネーフォワード給与)/その他社員情報の整備(SmartHR)/入退社フローの設計等々

OKR導入(HR Strategy & Culture)

当時、昇給は属人的&適宜決定。人事評価は、年1回の簡素なアンケート&1on1と言った状態でした。

また、組織の中に目をやると、どの部門も1day~1weekのtaskに忙殺され、「優先度の高い、数か月かかる業務」に向きあうことがあまりできていない状態。

上記のから、「重要度の高い事柄に取り組む風土を醸成」し、「将来の人事制度の本格導入時にOKRを人事制度と緩やかに連動させるための下地作り」をしたいと考え、OKRをテスト導入しました。


改めて、大きな石を入れるのって大事。

テスト導入は「最初3か月はMGRのみ→次の3か月は全社で導入」と進めていったのですが、結論としては、正式導入は見送りました。

FY22-3Q(2206-2208)

Notion導入(CorpIT)

横断的にいろんな人と話していて、

「ストック情報を貯める場所を作る」「仕組み化・標準化・オペレーショナルエクセレンスへの意識向上を図る」ことが急務だと感じ、その土台として全社にNotionを導入することを決定。何人かに特に協力をもらいながら、導入PJを進めていきました。今ではNotion起点に様々な情報が整理され、良い感じ。

導入時の全社向けスライド①
導入時の全社向けスライド②

ISMS社内責任者(CorpIT)

ゼロスペックはエンタープライズ企業の皆様にもサービスを提供しており、データビジネスを展開する企業として、セキュリティ担保性を保証するため、ISMS認証を取得しています。

個人的にインプットしたい領域だったこと、また、他のメンバーの業務の幅を適切に狭めるために、業務を引き継ぎ運営していきました。

その後、現在もISMS責任者は継続中。現在は責任者になって3期目に入ったので、如何に周囲を巻き込むか?オペレーション構築にISMSの視点を如何に入れ込むか?、日々模索中です。

FY22-4Q(2209-2211)

ゼロスペック合宿実施(HR Strategy & Culture)

一度足を止めてマインドセットや中長期戦略に向きあうため、MGR陣と一緒に合宿を企画。

個人的には、相互理解のためのコンテンツを担当。私も大好きな「7つの習慣」の「地下鉄で騒ぐ子供」の話を引用し、パラダイムシフト→相手の発言の背景を知ろうというコンテンツを実施。

東京に住んでいたので、初めてメンバーと直接会えて、とても良い時間だったな。

※詳細はこちらの記事↓

人事制度導入(HR Strategy & Culture)

OKRの正式導入は廃止したのですが、そこで得た気づきを踏まえ、人事制度導入に向けて動き出しました。
基本である、「人事制度ポリシー」「等級・評価・報酬の各制度」を策定しつつ、徹底的にドキュメント化。また、制度そのものは簡素なものとし、運用を回すことに意識を向けれるようにと考えました。

特に、「人事評価目標」を如何に「事業のPerformance向上/日々の業務のoutput向上」につなげられるか(その意識を醸成できるか?)を意識し、様々な形でコミュニケーションを実施していきました。

※参考にした記事たち↓


FY23-1Q(2212-2302)

展示会参加(??)

凄く楽しい&刺激的な時間でした。長くなるので、詳細はこちら。


仕訳業務引継ぎ、入金管理・支払管理の仕組化(Accounting & Finance)

経理財務関係は、社内でCEOしか関与しておらず、かなりCEOの工数が割かれているように見えました。また、社内の管理会計体制を強化するため、経理業務の土台作りは避けては通れない部分でした(弊社の事業は、一般的なSaaSだけでなく、ハードウェアもあるので、高度な管理会計体制を構築する必要がある)

そのような背景から、業務を巻き取り。「ボキってナニ?」状態で、税理士さんに素人質問投げまくりでしたが、税理士さんとの質疑・本や記事を読み漁りを経て、何とかやりくりしています(ノリで飛び込んで、何とかするスタイルに慣れ始めてきた時期)。

また、入金管理・支払管理も標準化されていなく、抜けもれが多くなっていたため、ツール導入/ツール構築をし、少ない工数で抜けもれを無くすための仕組みを構築していきました(いろんな経験を経て、社内ではスプレッドシート&GAS職人)

FY23-2Q(2303-2305)

請求データ整備・請求発行業務の仕組化(FP&A)

管理会計体制構築のためには、遅行指標であるPL数値と、先行指標をつなげていかないといけません。
そのため、その大前提となる「請求データ整備」を実行し、過去データを整備(何度もメンバーにしつこくヒアリング)。何とか、過去分の月毎収支、カテゴリ毎売上、いくつかの主要KPIを集計することに成功。

ビジネスマンたるもの、目先の業務に向きあうのではなく、Goalに向きあうべき。そのための最低限の下地ができたはず。

(スタートアップの1→10を考えるには、FOUND Xの「モメンタムを死守する」シリーズのスライドがおすすめ)


また、今後自動でこれらを行うためには、正しく請求データを貯めないといけない。そのため、請求業務も引継ぎ、業務フローを整備&省人化していきました。

事業収益ダッシュボード(FP&A)

貯めたデータはダッシュボード化したいのが人の性。Looker Studio(旧Google data potal)にスプレッドシートを繋いで、ダッシュボード化。

とりあえずダッシュボード自動更新できるようになったのですが、早々に辞めました。現状だと、データを貯めるスプレッドシートの構成・つなぎ方を変えたいニーズが頻発するためダッシュボードの仕様変更工数が膨大になりそうだったためです。

主要なKPIが何か?ビジネスフロー・事業計画・予実管理の有り方を整理して、「ダッシュボードに何を求めるか」を定義出来たら再度運用しようと思います。

(後々読んで、頭がもげるほどうなづいたスライド。小さく試して、スクラップ&ビルド)



FY23-3Q(2306-2308)

札幌に引っ越し

7月まで東京からフルリモート勤務していたのですが、「ゼロスペックでのコミュニケーションにとっても良い」かつ「私&家族が札幌に住みたい気持ちが高まった」が重なり、札幌に引っ越し。

ご飯もおいしいし、四季がはっきりしていて楽しい。

冬の創成川。オフィスから徒歩1分。


人事評価Operationの仕組化(HR Strategy & Culture)

人事評価をSmartHRで運用しているのですが、どうしても手作業が発生。また、「仕事はリズムを作るのが大事」とどこかで聞いたので、「評価のドキュメント記入/承認」「リマインド」「MTG」タイミングを設計。

FY24事業計画策定プロジェクト(FP&A)

FY24に向け、事業戦略を策定するプロジェクトに手挙げ。主に、BusinessTeamと連携し、目標達成のための計画策定。(顧客セグメントごとアクションプラン策定、担当領域設定等)

BusinessTeamとの関りを集中的に増やす時期を過ごし、エンプラ商談も色々見させてもらい、とてもいい経験ができました。

FY23-4Q(2309-2311)

予実管理体制の立上(FP&A)

上記のFY24事業計画策定と連動して、予実管理体制を構築。スプレッドシート用意、会議体の設計等。

参考にした、カンリー石地さんのnote。


カスタマーサポート管理のフロー&ツール整備(FP&A)

それまで、BusinessTeamで担っていたカスタマーサポート(問い合わせ対応)業務に関して、仕組化の実行支援。
複数ツールに問い合わせを受けていたので、問い合わせ窓口を一本化。
裏側の情報集積の一部を、自動化。フロー整理等


組織戦略会議の立上(HR Strategy & Culture)

これまで定常MTGとして、「weekly MGR会議」「CEOや他何名かとの1on1」をしていたのですが、組織についての話題が各所で散らばっており、打ち手もパッチワーク的になりがちであるという課題を感じていました。

そんな中、下記のさかいさんの動画を見た時期と、「学習する組織」を読んだ時期が重なったこともあり、「まずは組織戦略に向きあわないと」「それを自分だけでなく、皆で向き合い、”わっしょい感”を出していかないと」という危機感を抱きました。

(↑打ち手がパッチワークだとダメだよ、とさかいさんも言っていた。スタートアップで少しでもマネジメントに関わる人は全員見たほうが良い。)

(↑名著)

現状を丁寧に整理し、1~3年の組織戦略について議論することにフォーカスした「組織戦略会議」を立ち上げ。組織のあるべき姿・ゼロスペックとしてあるべきマインドセットの言語化、理論や他社事例のinput等に時間を当てています


受注~出荷~納品~請求&在庫管理の連動(FP&A)

弊社の事業はハードウェアとソフトウェアを持ち、サブスクリプションビジネスであることから、BusinessTeamのオペレーションが非常に複雑。

そのような背景から、
見積→発注→出荷→納品→請求の全体フローにおいて「手作業多い」「重複入力多い」「エビデンス不足」「情報のトレーサビリティ性が低い」等の課題があります。

これらを改善すべく、色々ともがいています。


おわりに

これまで東京で、日系大手製造業→人材業界に在籍してた自分としては、札幌かつスタートアップかつ幅広職種と、異世界に迷い込んだ形。

それでも、製造業で学んだ「トヨタ式のカイゼン/標準化のマインド&手法」。人材業界で学んだ「一歩踏み込むコミュニケーション」「ボールを握り切って、コミットするマインド」「営業活動のあれこれ」等、かなり今の仕事に生きている部分が多く、自分でも嬉しい誤算でした。

経験は宝ですね。本当に身に染みて感じています。
そして、仕事の報酬は仕事。今の仕事の経験が、また未来の自分にとっての宝になるんだろうな、と。


別の嬉しい誤算としては、ゼロスペックに入社してから想像以上にたくさんの社外の方との出会いがありました。目先の細かいノウハウの情報交換だけでなく、「もっとこの業界・この会社を○○にしたい!」といった前向きな話をすることが増え、たくさんの刺激をもらえています。(札幌にUターンしたので、リアルでの出会いをもっと増やしたい)

一方で、具体的に書き出してみると、「全体的にtask的な仕事が多くなっている感」があるかも、と。「荒れ地を整える作業」は少しずつ減ってきたはずなので、24年は、事業にとって重要度が大きく、時間がかかる課題に向き合って行きたい気持ち。入社して慣れてきて、客観的に組織を見れなくなってくるタイミングなので、適切にクリティカルシンキングで自社を見ていきたい。

事業においての「重心」を探していきたいですね。
(引用元:https://youtu.be/nRzl3sJM3X0?si=giqAQW9W2vo7chF_)

まだまだスタートアップらしく、課題は山積みですが、「自分の働きが事業に生々しく影響を与える環境」「 責任感とやり切る意志さえあれば、その分任せてもらえる環境」は良き。

ゼロスペックと言う会社に興味が出た方も、お気軽に連絡ください。
主にX(旧Twitter)に生息しています

次は、自分のマインドセットやキャリアビジョンを言語化してみるnoteを書く予定。


補足資料

文中で紹介できなかった、参考にしたnoteの中で主だったもの。

全面的に参考にしている、hokanのTomoko Yasudaさんのnote。

マインドセットとしてはこれ!って感じ。HQ坂本さんのnote。

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