Sho SAKAI

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    最近の記事

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    タイトルはシュメール語でHappy New Year(のはず)、写真はチグリス川です。 チグリス川(Tigris)の源流はアルメニアにあるのだそうです。 同国出身で現代を代表するジャズピアニストのひとりであるティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の名前とTigrisは、本を正せばきっと同じシュメール語が語源なのでしょう。 Tigrisはギリシャ語で「虎」の意。 ティグランの音楽にも、猛々しさと雄大さと歴史を感じる、というのは、さすがにこじつけがすぎるでしょ

      • 2021年の音楽 個人的ベスト20

        ここ何年か、Otohatobaのいろいろな人が年間ベストを流すイベントに呼んでもらっていて、「好きだった新譜を選び、便宜上ランキングをつける」という行為を(無責任に)楽しませてもらっています。 先日そのイベントでご紹介してきた20曲を、ゆるっとnoteにも載せておきます。ご笑覧ください。(プレイリストは末尾にあります。) 基本はアルバム単位のつもりで選んでいますが、シングルも混ざっていたり、「これは主にこの曲がピンポイントで良い!」みたいなものもあったりします。 今年は結果

        • 夫婦別姓は筋が悪い

          夫婦別姓は、制度設計としての出来(でき)が良くない、と、ずーっと思っています。 ……と言うとだいたい「別姓に反対だと!? この家父長野郎が!」みたいなそしりを受けるんですけど、そうではないつもりです。 その誤解も解きたいし、自分の考えに誤りや理解の至らなさがあれば修正したいので、こわごわ考えをまとめます。 前置き私のことをご存知ない方も読むかもしれないので断っておきますと、私はいわゆる左翼・リベラルで、家父長制的なものは滅びればいいと思っている人間です。 なお、フェミニスト

          • 京極杞陽はビールをのむ

            「大衆にちがひなきわれビールのむ」(京極杞陽)という俳句がある。 私は大衆に違いないと認めるのは、しんどい。けれどそれは楽になることでもある。 四十手前になってもなお何者にもなれておらず、しかし自分が何者かであるような錯覚を捨て去ることもできていない私にとって、とても響く句だ。 とても響く、と書いたけれど、それはあくまでこちらの勝手であって、句自体は強烈な情緒を醸しているわけではない。 自嘲的とはいえ、ニヒリズムやペシミズムと読み取るにはどうも明るい。 この句の眼目はむし

            あけましておめでとうございます。

            フランスの作曲家ダリウス・ミヨーに、『屋根の上の牛(Le Bœuf sur le Toit)』という曲があります。 ジャン・コクトー脚本によるシュルレアリスム・バレエの楽曲ですが、当初はチャップリンの映画のために書かれたものでした。 屋根の上の牛といえば、ペルーでみられる、ひょうきんなシーサーのようなこちら。 「プカラの牛」と呼ばれ、家内安全、幸運や繁栄のお守りなんだそうです。 大変な世界ですが、皆様が健康で楽しく過ごしていけますよう、祈念いたします。 本年もよろしくお願

            If We Make It Through December

            こんな年のクリスマスにふさわしいというか何というか……。 フィービー・ブリッジャーズによる「If We Make It Through December」のカヴァーがすこぶる良くてすこぶる悲しかったので、みなさんも聴いて悲しくなったらいいと思います。 まず、マール・ハガードの原曲がこちら。 寅さん的というか落語的というか、「なんとか年が越せたら、あったかいとこでも行こう、温泉とかさ、まあどうにかなるよ、あっはっは」みたいな曲だと思ってました。 それが、こうなる、と。

            サマージャム'20(withコロナ)

            いつまで傷ついてんだ、この中でなんとかやってくしかしょうがないだろ、と言われても、それはそうなんだけど、わかってんだけど、“withコロナ社会”のやっていき方なんてクソほど考えたくない。 「withコロナ社会をサバイブする仕事術」とかまじサブイボ。サバイブ=サブイボ。 あれだ、大学三年生になったら、周囲が突然「やっぱり商社は〜」「私はもともと建築が好きで〜」とか言い出した気持ち悪さと似ている。(もっとも、仕事社会全般がこの気持ち悪さと似ているとも言え、目をつぶって猛進できない

            [備忘録] Music from Seattle

            Luke Bergman について調べていたら、シアトルの音楽シーンに興味がわいてきました。 古くはニルヴァーナ、パールジャムと「サブ・ポップ」みたいなイメージでしたけど、そうか、KEXP(NPRと並ぶ信頼のブランドですよね)はシアトルのFM局なんですねー。 アングラジャズ人脈的には Racer Sessions というのが重要な役割を果たしているっぽいですね。 ひとまず気になった名前をざっとリストだけ。 Abbey Blackwell https://soundclou

            Introducing Luke Bergman

            久々に、好きな音楽家のリストに新しい名前が加わりました。 シアトルを拠点に活動するマルチ弦楽器奏者で、Bill Frisellのアルバム『Harmony』でサイドギターやベースを弾いていた、Luke Bergmanさんです。 * いきなり余談ですが、『Harmony』、個人的にはフリゼールのここ10年くらいの中でベスト、数あるリーダーアルバムの中でも屈指と思っています。おなじみペトラ・ヘイデンと、ハンク・ロバーツ、ルーク・バーグマンとの4人編成。タイトルの通り、ほぼ全ての曲

            アメリカ西部のビーイング系? 90年代カントリーの世界

            誰に請われてもいないのに唐突にNAVERまとめみたいなエントリを書きます。 vaporwaveやシティポップの文脈によって、長らくダサさの代名詞だった80年代サウンドの再評価(再解釈)も進んだ現在、我々の耳にとって最もダサい音楽はなんでしょうか? はいそうです、90年代のポップンカントリーですね。 オーセンティックなカントリーやアメリカーナからいなたさを抜き去った、ハードロック流行の残り香を感じるテクニカルな演奏とキラッキラな音作り、ダイアトニックのトライアドとセブンス

            2020/1/12 Gabarito KOBE at ポートアイランド

            Gabarito KOBE ポートアイランド吟行にご参加いただいた皆様、興味を持ったり情報拡散してくださった皆様、ありがとうございました。 楽しい句会になりました。 一方、毎度のことながら、吟行を通じて「街を考える」側面の方をもう少し充実できたらいいのにな、という反省はあります。(僕のやり方もあるし、句会としてエキサイティングになればなるほど、この側面が薄れてしまうという構造的(?)な悩みも。) vaporwaveという、インターネット発の音楽ジャンル/ムーブメントがあり

            松本てふこ句集『汗の果実』

            てふこさんの句は派手だ。 社畜とかおっぱいとか日本共産党本部とかラメ入りの蝶ネクタイとか勃ってるとか、パンチのある言葉がよく登場する。 けど、てふこさんの句を読んで「ふざけすぎだ」とか「こんなの俳句じゃない」と怒る人は、たぶんいない。 てふこさんの句の中で、目を引く言葉は、決して猫だまし的には機能していない。 決まり手は、例えば突き倒しや内掛け。 それは私にとって目指すベクトルそのもので、てふこさんはひとつのロールモデルないし到達点だと思っている。 てふこさんの第一句集が、

            【速報】スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

            【注】具体的なネタバレは含まないよう一応気をつけましたが、見る前に余計なインプットを入れたくない方は読まないでください。 <※以下本文になります> 「ゴジラ FINAL WARS」(主演:松岡昌宏/ケインコスギ)見てきました。 後ろの席の外国人ふたり連れが、要所要所で「ヘッ」と嘲笑的な笑い声を上げていて、「うるせーなー!」という気持ちと「いや、わかる、いまのは吹くとこだよな!」という気持ちが同居し続ける2時間半でした。 タイトルロールで全て察しましたよね。 ある意味予

            2019.6.8. AM4:30

            今日の娘は手強かった。 すっかり目が冴えた父は、白んだ空の下に繰り出し、ドアの横にたむろする若者二人に若干ビビりながら入ったコンビニで、濃いめハイボール一缶とスモークタンを買う。 こちらも憔悴したけれど、彼女も眠たいのに寝付けず疲れただろう。 先の若者達は、何か動画を見ながら話し込んでいる。 よく聞けば、なんとジャズだ。 動画はジョシュア・レッドマンだろうか。マーク・ターナーだろうか。 2019年の耳には少し古臭く感じるコンテンポラリージャズを肴に、今のすげえ、これができたら

            あけましておめでとうございます。

            以前、酔って上機嫌な妻が唐突に「マーク・リボウのなかにいる動物はなんでしょう」と問うてきたことがあった。 たしかに時に動物のような演奏だ、野性的で、しかし理知的でもある、いや、もしや『Ceramic Dog』のことを言っているのか?などと(こちらも酔った頭で)逡巡した後、はたと気づく。 なんてかわいいなぞなぞなんだ……! 神戸では頻繁にイノシシに出くわすと聞いていたけれど、越してきて2年、まだお目にかかっていない。 * ギタリスト マーク・リボウのプロジェクト「Ceram

            好きだったツイート2018

            恒例のやつです。 今年は絞れなくて多くなってしまいました。 ツイッター、ついついボヤいたり時事ネタに反応したりしちゃうけど、これらのような見た人を少しだけいい気持ちにさせるツイートを心がけたいものです(と、毎年言っている)。 (これはいい気分っつーか悲しいやつだけど)名作中の名作だと思う。 イェーーーイ、ってね。 「そのころ」に技を感じるし、句読点なしも効いてる。 「G#は?」とか言うやつは無粋。 読んでるこちらにまで、いい気分のおすそわけをありがとうございます。