![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88594128/rectangle_large_type_2_2d349054d66ef426bb5e1bf76a28cbe1.png?width=800)
おもいがけないアイデアは、会議前後の雑談から生まれる
リモートワークは便利で、コロナ禍が落ち着いた後も残って欲しい習慣です。
一方で、残念なのは、アイデアの源だった「雑談」が減ってしまったことです。
最近、対面での会議も増えてきましたが、いまだに多いオンライン会議は「雑談」の時間を持つのが難しいです。
そこで、今回は、私が実践している、雑談の時間を確保する方法について書いてみたいと思います。
「歯磨きする?」から始まる雑談
下記の記事によると、コロナ禍で「雑談」が失われているそうです。
「仕事とは関係のない雑談」が減った人は45.1%、「会議の前後に発生する会話」が減ったとの回答も35.2%を占めた。「『ちょっといいですか』などから始まる会話」も減少が32.6%。「たまたま出会った人、予定していなかった人との情報交換」、「他部署や社外の人との新たな出会い」も、それぞれ46.0%、48.8%の人が少なくなったと答えた。偶発的な出会いの減少を裏付けている。
色々な雑談が失われている中で、私が一番危機感を感じているのが、「会議の前後に発生する雑談」の減少です。
というのも、会議の前後に繰り広げられる雑談から、おもいがけないアイデアが生まれた経験を何度もしているからです。
仕事に繋がった、ある雑談の事例を紹介したいと思います。
以前、ある歯磨き粉メーカーから「成熟市場である歯磨き市場で、どんな新しい商品を出せば良いか?」という相談がありました。
確かに、歯磨き市場は、ありとあらゆる商品が出尽くしていて、メーカー同士の違いが分かりにくい成熟市場です。
社内の会議では、そんな市場でも何か新商品を考えたいというクライアント企業の悩みに対して、色々なアイデアを考えましたが、なかなか「これぞ!」というアイデアが出てきません。
そんな時、クリエイターAさんが、こんな雑談をしはじめます。
Aさん「ところで、みんな、毎日3回歯磨きしている?」
Bさん「あー、俺は昼は磨かないっすね」
Aさん「ウチの男性社員って、お昼にどれくらい歯磨きするんだろうね?」
Cさん「女性は多いイメージですが、男性社員は2割ぐらいじゃないですかね」
と、こんな感じで、本題とは少し離れた、でも関係ある雑談で盛り上がりました。
さらに雑談は続きます。
Bさん「うちの子、すごい歯磨きが嫌いなんですよね。夜、歯を磨かせようとすると逃げるんです」
Cさん「わかります! うちの子も、平気で『もう磨いたよ』ってウソをつきます」
Aさん「なんで子どもって、歯磨きが嫌いなんだろうね」
Bさん「ウチの男子社員も一緒だよね。1日3回歯磨きした方が良いのは知っているのに、みんなサボろうとしているよね」
Aさん「ということは、歯磨き商品は成熟しているかもしれないけど、歯磨き行為は未成熟だってことだよね」
このような雑談がもとになって、当初は商品アイデアを考える会議を行っていたのですが、より本質的な「なぜ歯磨き行為は成熟しないのか?」というテーマへと変わり、企画の方向性が見えてきました。
雑談をするにも「準備」が大事
このように、以前は会議が始まる前の時間や、終わったあとの時間などに、テーマから少し外れた、でも大事な雑談をする時間がありました。
しかし、オンライン会議が増えた今、雑談の時間が減っています。
なぜなら、オンライン会議は時間きっちりに始まり、時間になったら一瞬で解散です。また、メンバー全員が同じ場で発言するため、気軽な発言がしにくい雰囲気です。
そこで、私が会議をリードする立場のときは、なるべく雑談タイムをとるように意識しています。
例えば、会議の冒頭からいきなり本題に入らずに、雑談タイムを5分ぐらいとります。
そして、参加者一人一人にごく簡単な質問をするようにしています。
今回の事例でいえば、「毎日3回、歯磨きしてる?」「子どもは歯磨きちゃんとする?」といった感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1665278854862-vHY7vO4qkL.jpg?width=800)
また、会議終了後に、ラップアップ(振り返り)用のオンライン会議を、メンバー限定で設定することもあります。
例えば、クライアントとの会議終了後、30分だけ、弊社メンバーのみのオンライン会議を事前に設定しておいて、みんなで会議を振り返る時間をもちます。
そこでも、単に今後の進め方を確認するだけでなく、「さっきの会議、どう思った?」「どんな提案にしたらいいかな?」など、気軽に話せる雰囲気を作るようにしています。
いずれの雑談も、会議の前に多少の準備をしておくことが必要です。
会議の冒頭での雑談では、どんな質問をしようか、軽く考えておく必要があります。
会議後のラップアップは、事前に予定を入れておく必要があります。
そもそも、雑談というのは、偶発的に始まるのが良いところです。
なのに、オンライン中心の働き方では、偶発的に始まる雑談を、計画的に準備する必要があります。
事前の準備はちょっと面倒ですが、その手間をかけてでも行う価値が、雑談にはあると思います。
雑談がもたらす4つの効果
さらに、雑談には、アイデアを生み出す以外にも色々なメリットがあります。
以前、雑談がもたらす4つの効果について、noteに書きました。
雑談がもたらす4つの効果
1.若手が本音で話すための準備運動
2.ベテラン社員を立場や役割から解放する
3.テーマ広げて視点や発想を変える
4.リーダーがメンバーの状態をチェックする
今回は、3の効果に関して書きましたが、それ以外にも、会議の発言をしやすくしたり、参加者の様子をチェックする効果もあります。
今後も、リモートか対面かに限らず、雑談の力を積極的に取り入れていきたいと思います。
記事が面白いと思ったら、「スキ」(❤️)をお願いします!ログインしていなくても「スキ」を押すことができます。