見出し画像

研修企画屋の働き方

最近、本業で研修企画に携わることがとにかく多くなってきました。
メンバーも企画屋として活躍できるようにトレーニングしながらやっていくわけですが、話しているうちに段々と体系的になってきたので少しまとめておくことに。

「これが絶対正しい!」という手法でもないかと思うのですが、少しでも参考になれば(^^)

企画屋はいつも「なぜやるのか」から

サイモン・シネックよろしく、”企画”と名のつく仕事はWHYからはじめよう。

ここから先は、イメージを具体的に持てるように、リアルケースを扱っていきます。

今回は次世代幹部育成プログラムの設計。

そもそもなぜ次世代幹部育成に力を入れるのか?
ここから考えます。WHYの部分。

私たちのチームが出した答えは事業成長に組織が追い付いていないという事実。

創業数年目のベンチャーにも関わらず、毎年売上は数倍レベルに成長し、従業員数も数百名を超え、連結だと数千名規模のグループに。
M&Aも重ね、どんどん大きくなっているが、それを牽引する人材が圧倒的に不足。

画像1

事業リーダークラスを採用しているものの、このスピード感で将軍のようにゴリゴリ牽引できる人が、人材マーケットに多くいるものでもない。

ウチらしい文化を体現する第一線の人材を育てていくという意味でも次世代幹部育成はコロナだろうが何だろうが、止めるわけにはいかない。

研修費をかけられないなら、内製でやるしかない。
だから「やる」。

これがWhyの部分。

※ちなみにこのWhyが弱いとリソースをもらえません。研修は投資のため、売上や収益確保を優先するのであれば、研修企画のリソース(ヒト含む)は収益部門に引っこ抜かれてしまうので、改めて今回重要だと感じている今日この頃。

何をどのようにやるのかをストーリーで語る

Whyが理解されたらステップ1は完了です。

ステップ2は何をどのようにやるのか、ストーリーで語ること。

画像2

一番はじめに私が考えたのは、「医療という事業は何を成す事業なのか」から(私の会社の事業領域はヘルスケアです)。
次に事業の成功要因は何にあるのか。
そのまた次には、事業の成功要因に至るために、必要な管理職の基本要件はなにか。
そして最後に次世代幹部にはその中でも何ができていてほしいのか。

「え?!そんな大上段からストーリーをつくるの?研修企画なのに??」

そうなんです。大上段から考えるのです。

私が考えたストーリー

事業は医療。人の品質がダイレクトにものをいう領域。労働集約型産業。
一般的にホテルや飲食もサービス業だが、施設というハードや食というモノが存在し、そのものの価値も品質には当然影響。
医療は身体を回復したり、悪化を遅らせることを目的としているが、その価値が曖昧(ユーザーにはわかりづらい→情報の非対称性も)。
他サービス業以上にヒトがプロダクトに直結。

つまり、事業の差別化の要因が最終的にヒトに寄る。
働き手のレベルがあがる、スタンスがよくなるということが提供価値に直結するビジネスモデルといえる。

となると、すべての管理職がヒトを大事にしてほしい。
大事にされたスタッフは、顧客も大事にする。
それが企業文化。

★管理職全員必須に持ってほしい力★
①チーム運営力(モチベーション管理)
②組織運営力(人材育成)
③成果思考(約束を守る力)

加えて成果思考も重要。管理職としては決めた約束を何が何でも果たそうとするあり方、やり方の習得は必要不可欠。

同時に①~③はアウトソースできないので、管理職にこそ成し遂げてほしい。

そんな中、次世代幹部には何を求めるのか。
④最上思考(「もっとやりたい。もっとやれる。」の発想)
⑤協働力(チームの外へのイニシアティブ・ムーブメントを創る力)

次世代幹部は①~③に留まらず、自分の守備範囲を超え、垣根を超え、事業を牽引する人材になってほしい。

どうやるかの全体像を考える

ここまで来てやっと、研修プログラムのカタチづくりに着手します。

今回の研修プログラムは1年間。
集まれる頻度は忙しさも鑑みると2カ月に一回が限度。
参加者の人数はおそらく数十名。

まずは様々制約条件を整理。

結果、年間で実施できる研修は1Day×4回(2カ月おきに)との結論に至ります。
そして同時並行でその4回をどういった時間にするのか、ここまで整理してきた内容を元に、具体的なケースワークや取扱い書籍を検討していくわけです。

導き出された次世代幹部研修全体像

■Day1:マネジメントの基礎を抑える
・生産原理を学び、何が事業構造上レバレッジの利くポイントなのか。自身のリソースをどこにどのように割けば組織のアウトプットが最大化するのかを考える。
・加えて組織メンバーの訓練と動機付けについて学ぶ。

■Day2:リーダーシップの最高峰を知る
・マネージャーであることに加え、将来も今も組織のリーダーであることを期待しているため、会社の目指す世界観の頂と、それを実現するためのリーダーシップの手法を知る。

■Day3:道理とEQ(自分自身への引き寄せ:情理中心に)
・学んだことを実現するために必要な道理を抑える。
・ヒトが医療業において重要なのは前述のとおり。まずはこの能力を鍛えることからはじめていく。人と仕事をするとき、何にイシューを立てて仕事をするのか。

■Day4:戦略的変革(自分自身への引き寄せ:合理中心に)
・具体的にリーダーシップと変革の事例を学ぶ。
・今医療業界で起こすべきムーブメントとはどういうものか。ミッション・ビジョン・バリュー・戦略・戦術の思考プロセスをケースを通して追体験する。

ここまで来たらあとはひとつずつを詰めていくだけ

だいぶ輪郭が見えてきましたよね。
最後は具体的な書籍やケースワークを決め、事前課題を出したり、当日仕立てを考えたり。

実はここまでの整理が大変なのです。

事前課題の出し方もいくつかやり方がありますが、今回の記事ではここまでにしたいと思います。

ガチで仕事の話をnoteに書くのは初めてだったかも。
うん、仕事も真剣に頑張っている証拠だ!!
公私とも豊かにしていこう!!

Focus now , enrich your days .


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?