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サスティナブルな共感型モデルへの道

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世界の要請であり、地方、地域の在り方でもある持続可能な循環型社会へのシフトとそれを支える事業について考えます。
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#共感資本社会

座標軸(在り方)から考えるメリット、デメリットでの判断

座標軸(在り方)から考えるメリット、デメリットでの判断

現在の私達は間違いなく弱肉強食の欧米型資本主義の枠組みの中で生きています。この世の中の価値の中心は金であり、人の判断基準は目先の損得勘定になってしまっています。そんな世知辛い世界を良いとは思いませんし、本来、人が持つべき基準は損得ではなく善悪であるべきだと思いますが、残念ながらそうはなっていないのが現実です。今、世の中に蔓延する様々な解決が難しい課題は人の価値基準の歪みに起因している事が多くあり、

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第5の経営資源の作り方と使い方 @共感資本社会へのシフト

第5の経営資源の作り方と使い方 @共感資本社会へのシフト

神戸の西の果てで大工集団のような小さな工務店を営んでいた私が自立循環型ビジネスモデルの構築を標榜して社内改革に取り組んだのは15年ほど前のことです。その当時、外部環境に大きく影響される建築事業で持続可能な営業形態を目指すと、その当時主流になっていたチラシによる宣伝広告やイベントでのプロモーションで新規顧客を次々と集めては刈り取るような新規集客重視の事業形態、組織運営からの脱却を口にしても、同業の経

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満足ではなく幸福を。 ソーシャル・カンパニー・フォーラム2011@大阪

満足ではなく幸福を。 ソーシャル・カンパニー・フォーラム2011@大阪

昨日は大阪の伝統的建築物、中央公会堂にて経営実践研究会主催のソーシャルビジネスフォーラムが催され、緊急事態宣言が解除されて初の300人規模の会合に足を運びました。一応、手指消毒やマスクの着用、ソーシャルディスタンスに留意されての開催でしたが、リアルに対面で大勢の人と会う事に後ろめたさがなくなった、リスクに対する備えはしつつも、パンデミックでヒステリックな状況からようやく脱した印象を受けました。コロ

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マーケティングの終焉 「新・卓越の戦略」の意味と価値

マーケティングの終焉 「新・卓越の戦略」の意味と価値

私は20数年前まで、個人事業主のいわゆる下請け大工の職人でした。本格的に起業するきっかけになったのは、仕事をもらっていた元請け工務店の業績不振で、「これからは自分で仕事を探せ」と言われたのがスタートです。起業当初は知り合いの伝を頼って不動産会社や大手ハウスメーカー、デザイン事務所などから木工事だけを請け負う下請け工務店で、真面目に一生懸命働けばそれなりに受注は取れましたし、徐々に社員の大工の人数も

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信頼の連鎖が世界を救う

信頼の連鎖が世界を救う

私は伊川谷という神戸の西の果てでつむぎ建築舎という屋号で小さな工務店を営んでいます。事業所のスタッフは大工と設計士のみで、いわば全員職人の会社です。現在20期目になりますが、創業以来、営業職や現場監督などの間接職は一切置くことなく、大工や設計士がモノづくりに関わる様々な業務を幅広く受け持ち職人だけで営業を続けて来ました。これまでの20年間で多くの良い方とのご縁に恵まれ、応援して貰ってなんとか営業を

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日本のコミュニティーバンクのリアル @京都信用金庫

日本のコミュニティーバンクのリアル @京都信用金庫

昨年、オランダのトリオドス銀行が同行としては英国で初となる個人普通預金口座の開設を開始したとのニュースが話題になりました。トリオドス銀行は、融資先を社会価値や環境価値の高い事業者に限定していることで有名な銀行でソーシャルバンクやコミュニティーバンクと呼ばれる共感資本社会の新しい時代へのシフトが金融機関に広がり始めた象徴的な銀行です。日本でも、鎌倉投信などESG投資での資金運用が徐々に広がりつつあり

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志でつながる共感資本社会への胎動。

志でつながる共感資本社会への胎動。

日本で最も著名な哲学者、田坂広志先生が字幕だけのYouTubeでお金ではない信頼、信用、評判、知識、関係、文化、共感等の目に見えない資本を価値にした全く新しい資本主義の概念を伝えられたのはかれこれ8年ほど前のこと。当時の私は田坂先生の本を読んでヘーゲルの弁証法にならって世の中は螺旋的に成長し、成熟していくのだと信じており、お金だけではない価値で人と人とがつながる平和で豊かな社会の到来を夢見ていまし

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