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強さとは優しさ。優しさとは強さ。


ついnoteを書きたくなる瞬間というものがある。


その発想が生まれる瞬間というのは、意図していなかった偶発的出来事によるものかもしれない。


この記事を書こうと思い立った理由といえば、
昨日流した涙の意味について、記録を残したくなった。

①昨日沸き起こった感情

昨日、久々に泣いた。

それは、私が大好きで尊敬する方の
過去の壮絶な経験を知ったからだ。

その事実を知ったとき、
涙が止まらなくなった。


私から見た彼女といえば、深い愛と暖かさ、優しさ、強さ、全てを兼ね備えていて、人を魅了し続ける方なのだ。社交的で面倒見が良く、見返りは求めず謙虚であり、老若男女の方から慕われている、いわゆる人格者。そんな彼女でも、過去に想像を絶するような苦しみを抱えていることを知るのだった。

②涙の意味

私はなぜ泣いているのだろう。

●自分自身への投影

1つ目。
幼少期の苦悩(特に家庭事情)を乗り越え、幸せな人生を切り開く勇敢な主人公の人生のストーリーに、自分自身を投影し、自分がこれまでに歩んで来た道のりを回想しているのだ。


機能不全家族で育った私は、大人になるまで
「普通」とか「幸せ」がわからなかった。


だから私は、子供時代に家庭環境に居場所がなく、孤独感や生きづらさを経験した主人公の話にはめっきり弱い。


さらに、自分と境遇が近しければ近しいほど、
当時もがき苦しんだ経験が昨日かのごとく、フラッシュバックしてしまうのだろう。

●苦しみを乗り越えた先に、美しい人生は花開くと強く信じたい

2つ目。

逆境、困難、不条理。
私たちの目の前には、たびたび「人生の壁」が現れる。そんな時、ふっとこんな考えが頭をよぎる。

先人たちは、人生の苦難をどう乗り越えてきたのだろうか?

今がどんなに辛くても、明けない夜はない。
きっと壁を乗り越えた先に、今までに見たことのない景色や成長が待っているのだろう。


その景色に至るまでに直面した 人生の壁、
つまり想像を絶するほどの苦しみ、葛藤、苦労を乗り越えた方の生き様がなんとも尊く、高尚で美しいと感じている。


できるだけ苦しい思い、悲しい思いはしたくない。しない方がいい。私もずっとそう思っていた。
今までは世渡り上手になるために、苦労をいかに避け、ずる賢く生きれるか。どれだけ苦痛を曝け出さずに過ごすか。これらが私の人生の指針となっていた。


でも今は違う。
真の強さは、深い苦しみや悲しみから生まれるような気がしている。


苦労を経験すればするほど
人間としての奥ゆかさや、深い味が出るのではないか


歴史を振り返ってみると、偉人達が遺した美しい言葉の背景には、往々にして身を切るほどの悲しみが潜んでいる。

マリリン・モンロー


「時に、バラバラに壊れてしまうこともあるかもしれません。でもそのおかげで、それ以上に良いことが訪れるんです」

Sometimes things fall apart so that better things can fall together

ココ・シャネル

「翼を持たずに生まれてきたのなら、
翼をはやすためにどんな障害も乗り越えなさい」

If you were born without wings, do nothing to prevent them from growing.


テイラー・スウィフト

「もしも誰かがあなたを傷付けてきたら、川のような量の涙を流したって良い。大切なのは、そこに橋をかけて乗り越えることよ」

If somebody hurts you, it’s okay to cry a river: Just remember to build a bridge and get over it.


フレッド・ロジャース

「痛みを伴わない人生なんてありません。問題に立ち向かってこそ、私たちは成長するのです」

There is no normal life that is free of pain. It’s the very wrestling with our problems that can be the impetus for our growth.



辛い経験を糧として、一生涯「強い心」を持ち続けることができるならば、多くの苦痛を経験したことは中長期的にアドバンテージになりうると感じた。

③心的外傷後成長とは?

心に大きな傷を負うほどつらい経験をした後、不安や緊張が続いたり眠れなくなったりする「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が起きることがある。その一方で、逆境を乗り越えた後に大きく成長する人たちもいる。
この成長を「心的外傷後成長(PTG:post-traumatic growth)」と呼ぶ。これまで20年にわたって研究されてきたらしい。


このPTGという言葉は、トラウマや苦しい環境を乗り切ったことで起きるポジティブな変化を表す。これまでの研究で、心に大きなダメージを受けた後、それを乗り越えた人の70%が、何らかのポジティブな心理的成長を遂げているとわかっている。


心理的成長には様々な変化が含まれる。

心に傷を負った後、
他人により共感したり、利他的になったり、他人のために行動するようになったりすることは珍しくない、と心理学者たちは指摘する。

④心に傷を負った後、どう変化するのか

苦しみを乗り越えた後、生き方が大きく改善するようになるのはなぜだろう?それに、成長する人がいる一方で、心的外傷に押しつぶされる人がいるのはなぜだろう?


テデスキとカルホーンは、PTGが起きる過程を説明したモデルを作っている。それによると、人間は自分が作った信条や思い込みに沿って生きている。しかし、心に大きなダメージを与えるような衝撃的な出来事を経験すると、その信条や思い込みが覆される。


それはまるで地震のようなプロセスだ。


心に受けた傷が、世界観、信条、アイデンティティといった人間の基盤を成す価値観を揺るがし、粉々に崩してしまう。
普段の感覚はもはや通用せず、自分自身も自分の世界も再構築しなければならない。信条や思い込みを捨て、ゼロからスタートすることになる。

再構築は、非常に困難な過程だ。

自分が大切にしてきた目標やアイデンティティ、思い込みを手放す必要がある一方で、新しい目標や考え方、物事の意味などを築き上げなければならない。とても苦しい作業だが、新しい人生のドアを開ける契機になるだろう。

その再構築の過程は、まるで地震に襲われた都市の再建のよう。基礎から破壊された街は、創造力を使いながら再構築しなければならない。


この新しく考え方を築き上げる過程において、悲しみや嘆き、怒り、心配といった強い感情が伴うわけだが、この感情と共に成長が起きる。強い感情を抱えながら逆境に適応し、心のダメージとネガティブな感情を理解することで成長するのだ。

⑤創造的な成長が起きる

「逆境を経験すると、信念や人生の優先事項を変えざるを得なくなる。それが習慣化した考え方を打ち破り、創造性を向上させる」とPTGと創造性に関する研究をしているハーバード大学医学部マクリーン病院の心理学者マリー・フォーゲアドは説明する。


「当たり前に思っていたことを見つめ直し、新しいやり方を考えねばならない。逆境のインパクトがあまりに大きいので、逆境がなければ考えもしなかったような疑問が浮かんでくるのです」とフォーゲアドは述べている。


創造性は、つらい経験に対処するための方法にもなり得る。不幸な出来事を経験すると、これまで信じてきたことを疑問視するようになる。
それがこれまでにない発想に結びつき、新たに創造的な活動に興味を持つようになる人もいるだろう。


心に傷を負うほどつらい経験をした後に生まれる創造性は、人生を再構築するための助けになる。そして強さという名の成長をもたらす。

⑥強さとは何か?

心に受けたダメージを乗り越えると、自分が強い人間であると感じるようになるらしい。今までなかった強さと知恵を持っていることに気付いていく。内なる自分により正直になり、本当に求めていた生き方が見えてくるかもしれない。

私は、強さの正体とは優しさではないかと思う。

「優しさ」は、普遍的な言葉でありつつも、解釈の意味も広義なため広い対象に使用できるが、その汎用性ゆえに、どことなく軽く捉えられている印象がある。


私は、優しさは尊いものだと思う。身近に困った人がいたら助ける、人の痛みを分かってあげられる、思いやりを持つ、想像力を駆使して相手のために行動する中で、常に「優しさ」が在る気がするんだ。
本当に優しい人って、無意識なんだ、きっと。


他者の痛みを知り、その想いに寄り添う優しさや言霊は、何も感じない人間の“強さ”からは発信されない。


(日本精神のひとつである「おもてなし」文化も、強さ、優しさの表出ではないでしょうか。平安時代から共助の心が紡がれてきたのでしょうね)


最後に、わたし自身が心理的外傷後に起きた変化を考えてみたところ、下記のような変化を思いついた。

◎人生に深く感謝するようになった。
◎人生の新しい可能性を認識するようになった。
◎より満足できる人間関係を持つようになった。
◎より豊かでスピリチュアルな人生を送るようになった。
◎自分よりも優れたものと繋がりを持つようになった。
◎自分の強さを認識するようになった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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