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ITやDXは大事だけど、もっと大事だったこと

まずはじめに

仕事としてIT化やDX化のようなことを生業としています。(あと人事として採用とか)
今まで3社経験してきているが、概要とすると
1社目:大手通信系商社。効率化が必須なので、コストの下がる話であれば何でも提案して推進可能だった。従業員も、”変化は普通のこと”と受け入れる。特定部署など狭い範囲の改善がメインだった。ここで多様な業務改善や仕組化を勉強できたのがすごい財産になっている。
2社目:Web広告代理店。従業員も若く、基本的にITリテラシーが高い。アナログな業務が多かったが、システム化やツールの変更をしても、基本みんなキャッチアップしてくれる。全社(500人くらい)を巻き込んでやる大変さと楽しさを実感。
3社目:地方中小企業(メーカー)←イマココ。業界の特性もあるけど、FAXや紙文化。ITなどほど遠く、年齢の高い方がめちゃくちゃ多い。PCの文字が小さいと思ったら、リアル虫眼鏡で画面を見る珍事件が平気で起こる。ある意味変える余地がめちゃくちゃたくさんある。今までやってきたことが存分に発揮できる環境。めっちゃ効率化できるじゃん!管理コスト下がるじゃん!さて、何からやろうかな!?

やったこと

・人事データの集約とシステム化(エクセルと印刷管理を脱却)
・勤怠のタイムカードをシステムに(昔ながらのタイムカードを脱却)
・給与明細のWeb化(印刷&封入を脱却)
・紙のワークフロー(稟議)を電子化(エクセル&印刷&押印を脱却)
・精算の方法を紙申請から電子化(エクセル&印刷&押印を脱却)
・MBO(目標管理)を紙から電子化(エクセル&印刷&押印を脱却)
・名刺発注をFAX申請から電子化(業者変更含む。FAX依頼の脱却)
・営業上、特に社内で使用しているFAXをペーパレスの仕組み化(社内の大量のFAXやリアル捺印を脱却)
・採用管理システム入れてみたり(エクセル管理の脱却)
等など(羅列するとよくやったな、と思う。1年半くらいで。)

導入自体は今までやっていた延長線で、ある意味"プロセスと落としどころ"がわかっているので、調整して今の会社なりの仕様に変えていけば大丈夫だった。リテラシーの問題は残るけど、根気強く教えたりフォローしたり。
さすがに1年くらいしていけば、「慣れ」が勝ってくるのか、そんなに問題なく運用していけている(と思っている)
実際に、各々の主幹部署の仕事量はけっこう効率化して、人が減っても耐えられるどころか、業務品質は上がったし、プラスのアプトプットも出せている(はず!)

しかし!!!根本的な問題は実はもっと他のことだった

使っていけば慣れるもので、基本的にはみんな使っている。というか、使わないといけない環境にしている。
でも、たまに「おや?」と思うことがある。
「なんで勤怠のPDFが印刷されて押印されているんだ、、、?」
「おっと、源泉徴収票はまだ印刷配布するんかい!」
「紙回覧されている、、、なんで?あー、このパターンのやり方がわからないかー。。。」
表面的にIT化というものはやってみたものの、今までの経験上、何となくわかるよね!と思っていたものが特に通用しないことが多かった。
・システムにして1年くらい使った慣れ < 今までの蓄積された慣れ
・Aということができるから、A'もできるよね!ということにならない
・そもそも"システム"というものに適合してくのにすごい時間かかる
(システムに慣れないから残業します、ということもあった)
※システム自体がわかりにくい、ということも一定あるとも思う。ただ、基本的に現場に言われたことでできないことはなかった。
等など。もちろん、自分の進め方や浸透のさせ方にも課題はあったな、と冷静に振り返ると反省しつつ、とは言っても想定の上をいった。
一言相談してくれたら適切な回答かえすのに!とも思った。
でも、これって裏を返せば、困ったらあいつに聞こう!という信頼関係が出来上がっていないから、その人の自己判断でやってしまうのかな、とも思った。

要約すると

もちろん、時代や効率を高めるために、IT化やDXのようなものは非常に大事。でも、根本に大事なものは
①使う人が真にそれを望んでいること(困っていることが、今回でいえばIT化というもので解決できるんだよ、と理解してもらう)
②一定のリテラシーを高めること(基礎とできれば応用をわかってもらう)
③変える側と変えられる側の信頼関係(特に自分は中途社員で関係性が浅かったかなー)

なのかなと思った。

システム化して業務効率上がるのは”良いこと”だよね!
ってすごく当たり前のように聞こえるんだけど、
①システムと業務効率を現場が実現できるかは別問題
②"良い"というのは人によって異なる(アナログや従来のやり方がやりやすい人もいる)
そういうことですね。

ある意味トップダウンでやっていく、という強制的な推進も必要だよね、と思っていたけど、根本的には使う人に適切に理解してもらわらないといけないし、変える(導入する)人の信頼ってめちゃくちゃ大事だよね、と泣きたくなるくらいに実感した今日この頃。
システムは無機質だけど、使う「人」は感情があり、プラスにもマイナスにもいく。"感情"を、無視はしていなかったけど、軽視していたことはあったかな、と思った。
まだまだ考えることってめちゃくちゃ多いし、自分として磨いていかないといけないことも多いな、と実感する2022年1月。

思ったままに書きましたが、ここまで耐え忍んで読んでいただきありがとうございます!
こういう悩みを持つ人たちを交流したいとも思っています!

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