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東京マラソン2023への道 [パワトレ マラソン上級編] 1/112

「TEAM ONE TOKYO(プレ期) 年代別ランナー」として東京マラソン2023 に先行当選、ランニング用パワーメーターのSTRYDを使ったパワーベースのトレーニングに取り組んでみてる市民ランナーの練習記録。ポーラ・ラドクリフ女史の「HOW TO RUN」を参考にした中負荷中頻度(週6日)の上級者向けトレーニングとし、回復を重視しつつ、ランニングの日数を増やして練習全体の走行距離と強度を上げていきます。

今週のスケジュール

月 軽い または 普通のランニング + ウェイトトレーニングA
火 インターバル
水 普通の または 軽いランニング + ウェイトトレーニングB
木 テンポ走
金 休養 + 体幹トレーニング
土 坂道を含む速いペースのランニング
日 ランニング、できればオフロード(水と栄養補給の練習)

…と、いきなり全開でトレーニングに復帰していきたいところですが、昨日はつくばマラソンを走って前半はまあまあハイペースだったので、今週は以下の回復プログラムで身体の疲労感を様子見。仕事がちょっと忙しくなってることもあるし、このタイミングで車検やら4回目のワクチンの予約を入れたりもしています。

マラソンレース後の回復プログラム

月 休養
火 休養
水 リカバリーラン、車検(入庫)
木 休養
金 リカバリーラン、ワクチン(4回目)
土 休養
日 リカバリーラン

ということで今日は「休養」。心身の回復具合によっては今週いっぱい(もしくは1~2週間程度)休養にするかもしれません。

回復プログラムの考え方については、ピート・フィッツィンジャー氏の「アドバンスト・マラソン・トレーニング 第3版」を参考にしています。

つくばマラソンの振り返り

つくばマラソンのレースやトレーニングを見直して、改善すべきところがあればフィードバックしていきたいので、まずは本来どのくらいで走れるはずだったのか、レース当日の気象条件は走ってる最中にはわからないので、その辺を検証してみます。

スタート前から(正確には、前日から)

「つくばって暑いんだなぁ…」

と思うくらい、普段生活している埼玉県所沢市より(おそらく)湿度が高く、前日もなんだかしっかりと眠れない(暑くて途中何度か起きてしまうような)ところがありました。

…ということで、昨日の気象条件で

「走れるはずだったパワーやタイムをデータで検証する」

のが良さそう。

前日の天気予報しか気象条件の履歴が残っていないのでそれを使い、新コースを完走したGPXデータができたので、時系列に沿って時間ごとに検証してみます。体重は自動的にGarminからSTRYDに反映されるように設定しているので、今日(各種ローディング後でややむくんだ状態)の最新データになります。

つくば市の1時間天気(前日最終版)

レース序盤

まずは、9:00~10:00のレース序盤ですが、気温13.4℃、湿度98% なので、

STRYD Race Calculator  9:00-10:00

まとめると、

ターゲットパワー: 200W +/- 4W
タイム予測:3:12:57 +/- 0:04:00

範囲としては、

 パワーの範囲:196~204W
 タイム予測の範囲:3:08:57~3:16:57(4:29~4:40/km)

実際のレースのデータをTrainingPeaksから引っ張り出すと、

 パワー: 191W(116~222W)
 ペース: 4:08/km(3:47~8:48/km)

平均パワーはターゲットパワーの範囲以下ですが、タイム予測の範囲に比べるとかなりのオーバーペースw

また「レースでやってはいけないこと」のひとつ、クリティカルパワー(220W)を超えるパワーのサージ(上げ下げ)があったこともわかります。

レース中盤

つぎに、10:00~11:00のレース中盤ですが、気温17.2℃、湿度88% なので、

STRYD Race Calculator  10:00-11:00

まとめると、

ターゲットパワー: 199W +/- 4W
タイム予測:3:13:29 +/- 0:04:00

範囲としては、

 パワーの範囲:195~203W
 タイム予測の範囲:3:09:29~3:17:29(4:29~4:41/km)

実際のレースのデータをTrainingPeaksから引っ張り出すと、

 パワー: 180W(71~218W)
 ペース: 4:25/km(3:46~12:09/km)

経過時間が 1:40:00 を超えた辺りから、両脇腹が痛くなってしっかりと踏み込むことができず、ペースダウンや停止が多くなっているので、パワー出力がかなり下がっていて、平均ペースとしもガクンと落ち始めています。

また、こちらもクリティカルパワー(220W)を超えてはいないものの、ペースが3:46/kmになっている瞬間があるので、急なパワーまたはペースのサージ(上げ下げ)があったことがわかります。

レース終盤

最後に、11:00~12:20のレース終盤ですが、気温20.1℃(記憶では22℃くらいですがデータが残ってない)、湿度74% なので、

STRYD Race Calculator  11:00-12:21

まとめると、

ターゲットパワー: 198W +/- 4W
タイム予測:3:14:32 +/- 0:04:00

範囲としては、

 パワーの範囲:194~202W
 タイム予測の範囲:3:10:32~3:18:32(4:31~4:43/km)

実際のレースのデータをTrainingPeaksから引っ張り出すと、

 パワー: 145W(59~201W)
 ペース: 5:40/km(4:15~14:46/km)

さらにパワー出力が落ちていますが、両脚のハムストリングスが攣りかけていたので(攣ってはいない)無理はできない感じで、危ないなぁ…と感じたら歩き、大丈夫になってきたらまた軽く走ってを繰り返した時間でしたが、最後の方は暴風(突風)まで吹いてきてなかなかキツい展開でしたw

それでも、パワーやペースの範囲を見る限り、201Wだったり、4:15/kmという数値が残っているので、なんとか立て直そうと努力はしていたようです。

ターゲットパワーとタイム予測(ペース)のまとめ

上記をまとめると、時間毎のターゲットパワーとタイム予測の範囲(平均ペース)はそれぞれ、

【時間毎の理想的な目標】

9:00~10:00 
 ターゲットパワー:200W +/- 4W(196~204W)
 タイム予測:3:12:57 +/- 0:04:00(4:35/km、4:29~4:40/km)
10:00~11:00
 
 ターゲットパワー:199W +/- 4W(195~203W)
 タイム予測:3:13:29 +/- 0:04:00(4:35/km、4:29~4:41/km)
11:00~12:00
 
 ターゲットパワー:198W +/- 4W(194~202W)
 タイム予測の範囲:3:14:32 +/- 0:04:00(4:37/km、4:31~4:43/km)

となっていますが、実際のレース結果をまとめてみると、

【実際の時間毎のレース結果】

9:00~10:00 
 パワー:191W(116~222W)
 ペース:4:08/km(3:47~8:48/km)
10:00~11:00
 
 パワー:180W(71~218W)
 ペース:4:25/km(3:46~12:09/km)
11:00~12:21
 
 パワー:145W(59~201W)
 ペース:5:40/km(4:15~14:46/km)

【実際のレース結果】

 パワー:169W
 タイム: グロス 3:21:54 (ネット 3:21:38、4:45/km)

なので、データを並べて見る限り、

 ・パワー出力がキープできていない
 ・全体的にオーバーペースだった

 (パワー出力は下がってるのスピードは上がっている?)

ことがわかります。このどちらかをクリアできれていれば、昨日は全体としてはざっくり中盤くらいの予想の

 ターゲットパワー:199W +/- 4W(195~203W)
 タイム予測:3:13:29 +/- 0:04:00(4:35/km、4:29~4:41/km)

といったレンジで走れていた(悪くて 3:17:29 以内のはずだった)んだろうと思います。

STRYDが教えてくれていたボトルネック

レースで失速し始めた時間帯を考えると、ちょうど STRYD の PDC(パワー持続曲線)とTD(トレーニング分布)でボトルネックになっている「Fatigue Resistance(疲労耐性)」と同じくらいの時間(1:33:47)だったので、現実的にはこの辺をクリアすることでまだ改善の余地がありそうです。

パワー出力193W以上で走り続けた時間は最長で1:33:47 ですよ…と警告されていた

もうひとつ気になっているのは「Endurance(持久力)」で、持続時間は3:45:44 とかなり長いんですが、パワー出力が110Wとかなり低いこと。

パワー出力110W以上で走り続けた時間は最長で3:45:44

これまで「ゆっくりでも長い時間ずっと走った履歴があればそれでいいだろう」と思っていましたが、結局、低強度でいくら走ったとしても、レースで必要な走力(パワー出力)の向上にはつながらず、この辺を底上げすることでそもそものクリティカルパワーが上昇していく( ≒ 長い距離をより速くより楽に走れるようになる)んじゃないか、と推測しています。

東京マラソンに向けたフィードバック

つくばマラソンを走って「うまく走れなかった」「このくらいで走れるはずだった」みたいな感想文ばかり書いていても、今後の進歩や改善にはつながらない気がするので、「今後どこをどう修正していくのか」を具体的にリストアップしておきたいと思います。忘備録です。

Race Calculator によるパワーゾーンの見直し

レース直前に YouTubeにあるSTRYDの公式動画を復習してて、

「え、そうだったの?」

と思ったことがひとつあって、STRYDを使ったパワートレーニングでは、初めにターゲットレースの「コースデータ(標高と高低差)」「気温・湿度」を設定してマラソンのレースでのターゲットパワーを計算し、それに合わせてトレーニングの強度を調整する必要があったようです。

具体的には、まずなにも設定しないでニュートラルな走力を Race Calculator で計算してみると、

Race Calculator (設定なし)

ターゲットパワー: 196W +/- 4W
ゴールタイム予測: 3:14:17 +/- 0:04:00

と出てきます。

これは普段の私がトレーニングしている環境(標高 51m、気温 22℃、湿度 83%)で完全にフラットなコースを走った場合の理想的なタイムになっているようです。

STRYDを使ってトレーニングするには、まずターゲットとなるレースの「コースデータ(標高、高低差)」「気温・湿度」を設定する必要があるそうです。

たとえば、次の東京マラソン2023に合わせてトレーニングを計画するには、STRYDに用意されている東京マラソンのコースを適用し(自分が走ったり作成したGPXデータなどをアップロードして適用することもできる)、気象条件(ここではどこかのサイトに載っていた、過去の平均気温 8℃と平均湿度 30% )を設定して Race Calculator に計算させます。

Race Calculator (コースデータ、気温・湿度の設定あり)

ターゲットパワー: 201W +/- 4W
ゴールタイム予測: 3:09:43 +/- 0:04:00

という結果が出てきます。

ターゲットパワーが +5W も違うと、かなり強度が変わってきますが、動画の中の解説によれば、以下のようにマラソンパワーを調整してトレーニングする必要があるようです。

動画の中に出てきたトレーニングサンプルを、主に自分がトレーニングしている所沢市とターゲットレースを東京マラソンとした場合の補正を真似して書き出してみると、

普段(所沢市)の環境でのトレーニングで必要なマラソンパワー 196W でのワークアウトの例
 ・3×15:00 @ 100% MP → 196W
 ・2×5 Miles @ 95-100% MP → 186 ~ 196W
 ・10 Miles Easy + 10 Miles @ 90-100% MP → 176 to 196W

東京マラソンに向けたトレーニング(海抜、気温、湿度が異なる環境)で必要なマラソンパワー 201W でのワークアウトの例
 ・3×15:00 @ 100% MP → 201W
 ・2×5 Miles @ 95-100% MP → 191 ~ 201W
 ・10 Miles Easy + 10 Miles @ 90-100% MP → 181 to 201W

みたいな感じで、トレーニングのすべてが +5W となることがわかります。これってかなりトレーニングの強度が違います。感覚としては「わりとユルフワか、かなりガチか」くらいの違いがあります(わかりにくいw)。

まぁ、つくばマラソンまでのトレーニングは夏から秋にかけての練習だったので、強度が控えめくらいでちょうど良かった(疲労がたまらずに済んだ)と思いますが、東京マラソンに向けたトレーニングではこの「ターゲットレースに合わせた強度の補正」をちゃんと取り入れて練習していきたいと思います(いつもどうも物足りなくて設定範囲の上限で走ってたりしてたw)。

トレーニングペースの見直し

先日、ランニングに関する海外の掲示板を眺めてたら、RUNALYZE というランニングデータの分析サービス(無料でかなり使える)があって、Garminと連携させてみたら、過去のトレーニング履歴からさまざまなトレーニングメソッドで最適なトレーニングペースを自動計算してくれます。

自動計算されたダニエルズのペースゾーン
自動計算されたラウフカンパスのペースゾーン
自動計算されたフィッツィンジャーのペースゾーン

日本ではおそらくダニエルズが一番有名だと思いますが、ドイツのラウフカンパスや、アメリカのフィッツィンジャーのほか、自分でカスタマイズできるペースゾーンも含まれているようです。

フィッツィンジャーのトレーニングメソッドは、トレーニングメニュー自体は上級者向けのせいか走り込みが多くて非常に単調な感じですが、ロングランについては一番詳しく書いてあって、次の東京マラソンに向けたトレーニングでは参考にする予定なんですが、そのペースゾーンについては、この RUNALYZE で初めて拝見しました(本の中では心拍数について記述しかないので RUNALYZE がトレーニング履歴から独自に計算してる?)。

 参考:さまざまなトレーニングメソッドの比較表(英語)
 A comparison of the best marathon training plans

現在、パワーベースでトレーニングしているので、ペースや心拍数は 正直どうでもいい  あくまでも、ある特定のパワーでランニングした結果に過ぎないこと(どういう高低差でどういう路面だったのか、気温はどのくらいで湿度はどのくらいだったのか、風速はどのくらいだったのか、足はどのくらい疲労しているのか等によっていくらでも変動するもの)なので、それほど重要視していないんですが、どうもレースで指定されるターゲットパワーと実際のレースペースが極端にかけ離れていること(少ないパワーでめっちゃ速く走っちゃってるなど)もあって、ハーフマラソンを超えるくらいの距離になってくるとちょっとリスキーだなぁ…と思うのと、STRYDアプリのワークアウトで指定されたパワー範囲を守ってトレーニングしていても(上記のターゲットレースに合わせた強度補正をしていなかったこともあって?)Garminのトレーニングステータスがイマイチよろしくない(ずっと「キープ」判定だったりする)感じなので、パワーベースでのトレーニングは継続するものの、ある程度、適正なトレーニングペースの範囲で走れているかどうかも並行して確認していこうと思います。

シューズローテーションの見直し

昨年まではさまざま足のトラブル(シンスプリント、外反母趾など)に悩まされて、あまり痛みが出ないシューズ(テンポネクストとアルファフライ)を履くしか選択肢がありませんでしたが、ここ1~2年 いろんなところで施術・調整してもらって、自分でもきちんと足裏や足全体のケアをするようにもなって、足のさまざまな痛みから解放されて、故障もまったくしなくなったので、そろそろテンポネクストとアルファフライだけというシューズの縛りをやめて、トレーニングやその目的に合わせてさまざまなシューズを履いていこうと計画しています。

具体的には、1週間のトレーニングルーティーンに合わせて、

月 軽めの有酸素ラン
 → ペガサス
火 インターバル / クルーズインターバル
 → ヴェイパーフライ / アルファフライ
水 有酸素ラン
 → ペガサスターボネイチャー
木 テンポラン
 → ヴェイパーフライ / アルファフライ
金 休養
 → ナイキフリー
土 ファルトレク/坂道走
 → テンポネクスト / ペガサス または ペガサスターボネイチャー
日 ロング(オフロード)/ ロング(マラソンペース)/ レース
 → テンポネクスト / ヴェイパーフライ / アルファフライ / アルファフライ2

…という感じでシューズを履き替えるイメージです(単なる在庫処分w)。

そのほか、練習内容や補強トレーニングの内容についても見直しや改善を予定していますが、かなり長くなってしまうので、今日はこの辺で。


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