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「読みづらい文章を書く人」が無意識に使っている言葉とは?

こんにちは!

先日、ある経営者からこんな相談を受けました。

「人事や総務が全社宛てにメールすることがあるんだけど、その内容が【長くて読みづらい】って不評なんだよね。実際、一文が長くて内容が頭に入ってこないから、読むのを後回しにしちゃうんだよ。どうにかならない?」

こういうケース、よくあると思います。

全社宛ての連絡では、重要度が高いことを共有するもの。わかりにくい文章だと、誤解や混乱を招いたり、個別対応が求められたり……書き手・読み手ともに余計なストレスになります。

そうした状況を避けるために、書き手が身につけておくべきこと。
それが、大事なことだけを短く書く技術=「要約の技術」です。

今回は「要約の技術」のなかでも、もっとも基本となる「余計な言葉を削ること」にフォーカスして解説します。

無意識に使いがちな「余計な言葉」7選


質問です。以下の文章を読んで、どう思いますか?

私たち人事部の意見をお伝えしておくと、今回の従業員満足度調査において非常に重要なことは、この結果を受けて各マネージャーがメンバーの声に耳を傾けるということ。そして具体的な改善策を考えることではないかと考えています。

まどろっこしい。すっと頭に入ってきませんよね。そこで、次のように修正してみましょう。

私たち人事部は、今回の従業員満足度調査を通じて、各マネージャーがやるべきことが2つあると考えています。「メンバーの声に耳を傾ける」と「改善策を考える」です。

どうでしょう。やったことはシンプルなのですが、わかりやすくなったと思います。

では、もとの文章は、なにが読みづらい原因なのか。全部で7つあります。

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1. エクスキューズ(言い訳)
まず、最初の「私たち人事部の意見をお伝えしておくと」は不要です。書かなくても意味は通じます。ほかにも「個人的には」「あえてお伝えしておくと」「誤解を恐れずに言うと」といったエクスキューズをよく見かけますが、予防線を張ってばかりの文章は冗長になります。

2. 修飾語
「非常に」「とても」「本当に」「かなり」といった修飾語。使いやすい半面、なくても通じますし、安易に使うと効果が薄れます。ここぞというときに使うのがいいでしょう。

3. こと
次の「 という」と併せて、ビジネスパーソンが多用しがちなのが「こと」。「ことは〜ことである」など、一文内で「こと」が続く文章をよく見かけます。こういう場合、主部の「こと」を「の」に変えるだけでも、スマートな印象になります。

【Before】重要なことは、作業効率を向上させることだ。

【After】重要なは、作業効率を向上させることだ。

4. という
文章をマイルドな印象にする一方、冗長になりがちです。なくても通じるようであれば、削ってシンプル化しましょう。

5. 代名詞
「その」「そこ」「あの」「この」「彼」「彼女」といった代名詞は、文章をもったりさせます。省いても通じるようなら省きましょう。

6. 接続詞
「そして」「だから」「なので」「したがって」「また」といった接続詞も同じ。なくても意味が通じる、他の表現に置き換えられると思ったら、迷わずカットしましょう。

7. ではないか
「1. エクスキューズ」と似ていますが、断定を避けたいがために使う人が多い言葉。なくても通じることがほとんどです。

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改めてビフォーアフターを書くと、こうなります。

【Before】私たち人事部の意見をお伝えしておくと、今回の従業員満足度調査において非常に重要なことというのは、この結果を受けて各マネージャーがメンバーの声に耳を傾けること。そして具体的な改善策を考えることではないかと考えています。

【After】私たち人事部は、今回の従業員満足度調査を通じて、各マネージャーがやるべきことが2つあると考えています。「メンバーの声に耳を傾ける」と「改善策を考える」です。

削ったあとは、整理する


このビフォーアフターの文章を見比べて、「えっ、余計な言葉を削ぎ落とす以外にも編集してない?」と思われたかもしれません。

はい。そうなんです。少し手を入れました。
といっても、やったことはシンプル。整理する。これだけです。

余計な言葉を削ぎ落としていくと、逆に欠かせない要素が浮かびあがってきます。

ぼくの場合、大切な要素を「カッコ」に入れて読み進めるようにしています。英文読解で「関係代名詞や接続詞がどこにかかるか」を考えながら読むのと似ているかもしれません。

今回の場合、重要な要素は「人事部の意見」「今回の従業員満足度調査」「各マネージャーがやるべきこと」の3つです。

そこから読み進めて、「各マネージャーがやるべきことは、"メンバーの声に耳を傾ける”と"改善策を考える”の2つに分かれる」と整理しました。

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あとは、日本語にするだけです。「書く」というより「配置する」のほうが近いかもしれません。

【After】を考える際には、上図を脳内で描きながら、シンプルに言葉を置いてみました。

私たち人事部は、今回の従業員満足度調査を通じて、各マネージャーがやるべきことが2つあると考えています。「メンバーの声に耳を傾ける」と「改善策を考える」です。

これでも十分わかりやすくなったと思います。よりシンプルにするなら、以下のように少し順番を変えてもいいかもしれません。

今回の「従業員満足度調査」において各マネージャーが取り組むべきことは、「メンバーの声に耳を傾ける」と「改善策を考える」の2つだと、私たち人事部は考えています。

このように、不要な言葉を削ったあとに「整理する(=順番を変えて配置する)」意識をもつと、文章はよくわかりやすくなります。ぜひ試してみてください。

では、また次回の記事でお会いしましょう。


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