「読みづらい文章を書く人」が無意識に使っている言葉とは?
こんにちは!
先日、ある経営者からこんな相談を受けました。
こういうケース、よくあると思います。
全社宛ての連絡では、重要度が高いことを共有するもの。わかりにくい文章だと、誤解や混乱を招いたり、個別対応が求められたり……書き手・読み手ともに余計なストレスになります。
そうした状況を避けるために、書き手が身につけておくべきこと。
それが、大事なことだけを短く書く技術=「要約の技術」です。
今回は「要約の技術」のなかでも、もっとも基本となる「余計な言葉を削ること」にフォーカスして解説します。
無意識に使いがちな「余計な言葉」7選
質問です。以下の文章を読んで、どう思いますか?
まどろっこしい。すっと頭に入ってきませんよね。そこで、次のように修正してみましょう。
どうでしょう。やったことはシンプルなのですが、わかりやすくなったと思います。
では、もとの文章は、なにが読みづらい原因なのか。全部で7つあります。
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1. エクスキューズ(言い訳)
まず、最初の「私たち人事部の意見をお伝えしておくと」は不要です。書かなくても意味は通じます。ほかにも「個人的には」「あえてお伝えしておくと」「誤解を恐れずに言うと」といったエクスキューズをよく見かけますが、予防線を張ってばかりの文章は冗長になります。
2. 修飾語
「非常に」「とても」「本当に」「かなり」といった修飾語。使いやすい半面、なくても通じますし、安易に使うと効果が薄れます。ここぞというときに使うのがいいでしょう。
3. こと
次の「 という」と併せて、ビジネスパーソンが多用しがちなのが「こと」。「ことは〜ことである」など、一文内で「こと」が続く文章をよく見かけます。こういう場合、主部の「こと」を「の」に変えるだけでも、スマートな印象になります。
4. という
文章をマイルドな印象にする一方、冗長になりがちです。なくても通じるようであれば、削ってシンプル化しましょう。
5. 代名詞
「その」「そこ」「あの」「この」「彼」「彼女」といった代名詞は、文章をもったりさせます。省いても通じるようなら省きましょう。
6. 接続詞
「そして」「だから」「なので」「したがって」「また」といった接続詞も同じ。なくても意味が通じる、他の表現に置き換えられると思ったら、迷わずカットしましょう。
7. ではないか
「1. エクスキューズ」と似ていますが、断定を避けたいがために使う人が多い言葉。なくても通じることがほとんどです。
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改めてビフォーアフターを書くと、こうなります。
削ったあとは、整理する
このビフォーアフターの文章を見比べて、「えっ、余計な言葉を削ぎ落とす以外にも編集してない?」と思われたかもしれません。
はい。そうなんです。少し手を入れました。
といっても、やったことはシンプル。整理する。これだけです。
余計な言葉を削ぎ落としていくと、逆に欠かせない要素が浮かびあがってきます。
ぼくの場合、大切な要素を「カッコ」に入れて読み進めるようにしています。英文読解で「関係代名詞や接続詞がどこにかかるか」を考えながら読むのと似ているかもしれません。
今回の場合、重要な要素は「人事部の意見」「今回の従業員満足度調査」「各マネージャーがやるべきこと」の3つです。
そこから読み進めて、「各マネージャーがやるべきことは、"メンバーの声に耳を傾ける”と"改善策を考える”の2つに分かれる」と整理しました。
あとは、日本語にするだけです。「書く」というより「配置する」のほうが近いかもしれません。
【After】を考える際には、上図を脳内で描きながら、シンプルに言葉を置いてみました。
これでも十分わかりやすくなったと思います。よりシンプルにするなら、以下のように少し順番を変えてもいいかもしれません。
このように、不要な言葉を削ったあとに「整理する(=順番を変えて配置する)」意識をもつと、文章はよくわかりやすくなります。ぜひ試してみてください。
では、また次回の記事でお会いしましょう。
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