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【鬼のち神様へ】子育の神様「鬼子母神様」

皆さん、こんにちは。正覚寺広報です。

今日は正覚寺の祈祷本尊としても祀られている鬼子母神様について紹介したいと思います。
この「鬼子母神」という文字から、皆さんどのような神様をイメージしますか?

鬼?神?子?母?

うーん、なんだか考えるほど混沌としてくる名前ですね。
しかし鬼子母神様のルーツを辿ると、実はどのイメージも間違っておらず、鬼でもあり、神でもあり、子を想う母でもあることが見えてくるのです。


鬼子母神様は、実は元々“鬼”だった!?

鬼子母神様とは、安産・子育の神様として有名な神様で、今でも多くのご夫婦にご参詣いただいております。
ではなぜそんな優しさ感じる神様に「鬼」という字が入っているのでしょうか。

鬼子母神は、元々「鬼子母」と呼ばれる鬼であり、彼女の子供は1000人を超えていたと言われています。そしてそんな多くの子供を育てるための栄養素を身につけるために、鬼子母は人間の子供を食糧としていました。

鬼子母のこの残虐な行動に人間たちは日々怯えていましたが、そんな光景を見兼ねたお釈迦様は、ある日鬼子母が一番に溺愛していた末子のピンガラを鉢に隠します。

鬼子母は半狂乱となって7日間世界中を探し駆け回りましたが見つけることはできず、ついにはお釈迦様に助けを乞うことになります。

そこで、お釈迦様は鬼子母に向かってこう説法を諭しました。

「1000という子を持ちながら、ピンガラ一人を失っただけでお前はこれだけ嘆き悲しんでいる。それならば、たった一人の大切な子を失う人間の親の苦しみはいかほどであろうか。」

続けて「己のためだけに人々をおびやかすのをやめなさい、そうすればすぐにピンガラに会えるだろう」と言いました。
鬼子母はその教えに改心し、ついにお釈迦様は隠していた鬼子母の子を戻したのです。

その後、鬼子母はお釈迦様に帰依し、“生き物を故意に殺してはいけない”、“人のものを盗んではいけない”などの五戒を守ることで、彼女は“鬼子母神”という安産・子育の守り神となったのです。


正覚寺の象徴でもある“ざくろ”は、鬼子母神の大好物

鬼子母神の好物は子孫繁栄の吉祥果とも言われる「ざくろ」と言われています。
そのことから、正覚寺ではざくろの木が境内に植えられている他、このnoteアカウントのアイコンにもなっている通り、正覚寺を象徴するモチーフにもなっています。

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↑正覚寺のWEBサイトトップ

ちなみに鬼子母神堂に書かれている「鬼子母神」の「鬼」の字は、一画目が取れたような字となっています。
これは誤表記などではなく、先述の鬼子母神のエピソードから、角の取れた鬼=鬼から守護神になった証としてこのような字になっているんですね。
正覚寺に訪れた際はぜひ鬼子母神の字にも注目してみてください。


今月4月18日に「鬼子母尊神大祭満願会」を開催

4月18日は、正覚寺の祈祷本尊である鬼子母神様をご開帳し、鬼子母神堂にて十名以上の日蓮宗寺院の上人が皆様の家内安全・年中安泰を願う御祈祷を行います。

今年は鬼子母神様の遺徳を讃えた散華なども行う予定ですので、ぜひお気軽にご参加いただければと思います。


今回もお読みいただきありがとうございました。

それではまた次回の記事でお会いしましょう!



編・正覚寺広報

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