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2023/6/19週|スタートアップのマーケティング領域のマネジメント職に求められる考え方と振る舞いについて

スタートアップにいると職種限らず、外部環境の変化に合わせてその役割を変える必要性に迫られる機会が多いのかなと思います。それは成長期にあることが多く、外部環境の変化が発生しやすいゆえです。

役割を変える中で、自分自身もプレイヤー業務からマネジメントの色が濃くなってきている経験を3年以上タイミーにいる中で体験してきています。
3年前は自分でFacebookの広告管理画面開いて毎日運用したり、毎回の展示会で来場者に声がけしていたので、そこからするとだいぶ業務と求められる役割が変わったなぁ、、と思う次第です。
(ちなみに参加していた展示会でお声がけした某大手様が導入いただいたことをいまだに武勇伝として語りたい癖があります。笑)

自分の場合は様々な環境要因や自身の意思も相まって、マネジメントロールが業務の主を占める最近なのではありますが、「スタートアップにおけるマーケティング職のマネジメントロール」に求められる姿勢や考え方ってどんなのものでしょうね、、?を組織が大きくになるのに対応する形で、社内向けに言語化しているものがあり、それを参考までに公開してみようと思います。
(一部公開用に編集しています)

ちなみに、この話は、今まで公開してきた下記の2つの記事と関連するものになり、下記で記載していることを前提とした書き振りも一部ある点、ご容赦ください。。

上記がマーケティング職というスペシャリスト(プロフェッショナル)に求めるスキルについてで、この中でマネジメントについても触れています。

上記がより前提になるような部分かもしれませんが、採用方針や組織構造について考えていることをまとめているものになります。

スタートアップのマーケティング領域のマネジメント職に求められる考え方と振る舞いについて

以下で公開するドキュメントについて、マーケティング組織という「異なる領域のスペシャリストの集合体」である組織におけるマネジメントロールの考え方は、業務同質性が相対的に高い組織と比べた時にやや異なるものにしておく方が良い、という自分の思想も込みになっているので社内向けドキュメントを紹介したのちに、少しだけ補足します。
*「異なる領域」というのは、わかりやすく言うと例えばデジタルマーケティングとプロダクトマーケティング、マスマーケティングは異なる領域を扱い、それぞれが相応の専門性を有する方々がおり、その集合体となっている組織という意味で書いています。

== 以下社内向けドキュメントからの引用 ==

🏆マーケティング部のマネジメント職の考え方

ここで “マネジメント職” というのは、主にピープルマネジメントの責任を担う方を指します:1on1などで検知した課題の解決、業務上の困りごとの解決・意思決定、所属メンバーの評価等、マネジメント職について下記のような考え方で運用をしていきます。

マーケティング職の専門性(スペシャリティ)の一つという位置付け

これは以前からご案内している通りですが、まずマーケティング職についてはプロフェッショナル(= スペシャリスト)としてのベースをもつことを奨励しています。それゆえ、7つの抽象スキルの1つという位置付けです。いくつかの領域でのスペシャリティがあった上で、引き続きスペシャリストとして専門性を身につけるのか、あるいはマネジメントのスペシャリティに特化して深めていくのかを判断していくタイミングが個々人で発生すると想定しています。また、そこでの判断も 0 or 100でマネジメントというわけではなく、「一部スペシャリスト(プレイング)を残しながらマネジメントロールを担う」が今のフェーズのタイミーにおいては最も当てはまりの良い形かなと考えています。

意志と適性のある人が担う

あくまでマネジメント職もキャリアのオプションの一つであり、マネジメント職に注力し出すと後述のようにマネジメント以外のスペシャリティの積み上げが難しくなります。そのためご自身の志向性や適性(人に向き合うことや活躍の場を整えることに喜びを感じるか等)を踏まえ、それでも担う意志があることを前提としたいと思います。適性に関しては事前に見えていれば望ましいですが、初挑戦の場合は挑戦してみて判断していくのもあると考えます。 当然ではありますが、会社の事情により意志にかかわらずマネジメント職を担うことをお願いするケースも出てきます。し、逆に、意志を示していただいてもタイミングや状況により満額回答できないケースもあります。組織としての柔軟性を最優先したいため、ポストを新設するために階層を増やすことは基本的にはしません。

交代もありうる(マネジメント職とプロフェッショナル職の行き来含め)

適性を見極めた上で交代していくこともあると想定しています。あるいは、マネジメント以外の何某かのスペシャリティを身につけて欲しい事情が発生したケースや、より適性がある人が出てくるケースにおいても交代をお願いすることもありえます(サッカーのポジションチェンジのようなもので、組織の柔軟性を維持する意図も含まれます。)
(以下、人事制度に関連する部分の説明を割愛)

🏆求めたい振る舞い (一部のみ掲載)

マネジメント職を担う方に求めたい振る舞いは下記となります。7つのスキルのうち「組織運営力」をいくつかに分解したものとも捉えられると思います。(一般的なマネジメント職に求められることに近いです)

❶チームメンバーの力を引き出すための動きを最優先し、そのための学習を続けること

志向性の観点やタイミーの置かれている状況から100%マネージャー業務とはならないことがほとんどであると思いますが、マネジメント職として最もリクエストしたいのはこちらの点です。すなわち、個々人のアップグレードにより事業成長に貢献しようとしている中で、それが円滑に進むよう生じるハードルや課題を取り除くのがマネジメント職に求める一番の仕事です。具体的には、業務推進におけるサポートやフィードバック、将来のキャリアに関する課題の洗い出し、方針決めを伴走するなど、コーチングとティーチングを人や場面、案件により適切に使い分けることで、メンバーがそのポテンシャルを最大限発揮できる環境を維持し続けることを求めます。またそれを叶えるために一般的にベストプラクティスとされるマネジメントとしての振る舞いについては知識も備えていること、継続的な学習を期待します。

❷伴走と任せる度合いは「人と仕事の組み合わせ」で判断すること

上記に含まれる部分ではあるのですが重要と思うので明文化しておきます。コーチングとティーチングの使い分けについてです。

❸専門外の領域のディレクションができるよう、必要に応じて全力でキャッチアップしていくこと

マーケティングで担うべき領域が主に “マーケティングのデジタル化” により広がり、変化し続けている中でマネジメントロールを担うのは非常に骨が折れます。おそらくマネジメントロールとして向き合う際にも、自分がこれまでに経験したことがない領域における意思決定と説明責任を担うことが出てくると思います。こうした領域においても最善と思える意思決定ができるよう各領域のキャッチアップをするようお願いしたいです。目指すべき水準の目安としては主に担当しているスペシャリストと対等に議論ができる水準です。詳細な部分はスペシャリストに任せつつも、大きな部分の意思決定と説明責任が担えるような状態を目指してください。そのためには必要に応じてディープダイブしての理解をしておくことをお勧めします。 (ただし、これは領域が広範に及ぶためオールスクラムで「判断できるマネジメントが判断すればよい」、という考え方もできます。これを突き詰めると持てる時間の全てをマネジメント職としてのものに充てないと中々難しいと考えますので、それぞれの志向性にあわせて微調整させてください。異能で構成される集団にしている意図はここにもあります)


上記までが引用でした。

ポイントとしては「交代もありうる」というのと、それを可能にするために必ずしも職位(リーダーなど)と待遇を紐づけていない、あくまでマネジメントもマーケティング職に求めるいくつかスペシャリティのうちの一つ(しかしそこをやり出すと大部分の時間はそれに充てる必要がある)と位置付けていることです。

社内のマーケ職の皆さんと話していると、スペシャリスト志向とマネジメント志向で見た場合にどちらかというと前者の方が多いくらいです。が、志向性は仕事をしていく中でも変わっていくものだと思いますし(自分も広告代理店 ~ 事業会社前半時代はスペシャリスト志向100%でした。笑)、そういう時に組織の柔軟性を担保して置けることは重要かなと考えています。

上記は現時点の考えであり、フェーズに応じて随時見直す可能性がある点、最後に付記しておきます。
お読みいただいた方ありがとうございました🙇‍♂️


📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。

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