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2022/8/29週|リモートワークの世の中でどのくらいオフィスに向かうべきか?について考えた

採用の面接や面談をしていると「リモートワークはどの程度の頻度ですか?」というのがかなりの確率で聞かれるようになってきました。

弊社の場合だと、部署に応じて方針が異なるのですが、マーケティングの部署は「週に3日程度の出社 + 個別の事情に応じて判断」というローカルルールで最近は運用しています。
個人的にはこれくらいが良い塩梅かなと思っているのですが、今日はその辺りについてを書いてみようかなと思います。
(職種によると思うのでスタートアップのマーケティング組織の例とご認識ください、また今後考えが変わる可能性もございます。笑)

まず、世の流れを踏まえると、フルリモートまで振り切りるかどうかはありつつ、少なくともハイブリッドワーク(オフィスへの出勤とリモートワークの組み合わせ)は主流であり続けるだろうなと思います。

採用競争力としても、フル出社はだいぶ不利に働きそうな印象を持っていますし、実際にデータ(以下のはマッキンゼーのレポートなので日本のデータではないと思うのですが)でもその傾向は顕著です。

半数以上の社員が、ハイブリッド型の働き方を採用することを希望

自分自身は家より外で仕事をするのが好きなのでどちらかというと出社をする方なのですが、でも「強制的にフル出社だ!」という会社だと、天邪鬼さも相まってもう無理かもしれないです。。。笑

次に、リモートワークにまつわる論点について、調べたこと含めて記載しておこうと思います。

参考
山口周さんのVoicy↓


リモートワークにまつわる論点

以下のような点が見聞きする論点として多そうです。
❶生産性
❷メンタルヘルス
❸正統的周辺参加
❹カルチャー醸成
❺状況変化の頻度 × 業務の定型度

❶生産性

リモートワークと出社の生産性の比較については色々な調査がありそうです。生産性が上がった、というものが多そうですが、逆に下がったと言う記事も最近の日経新聞に出ていました。

It’s time to reimagine where and how work will get done (PWCの調査)

最も経験の浅い人が最もオフィスを必要としている。プロフェッショナルとしての経験が最も浅い回答者(0~5年)は、より頻繁にオフィスにいることを望む傾向にあります。彼らの30%は週に1日以下のリモートワークを希望しているのに対し、全回答者のわずか20%でした。また、経験年数が浅い人ほど、リモートワークの生産性が低いと感じているようです(34%対23%)。彼らは、経験豊富な同僚に比べ、マネージャーとの面談や会社のトレーニングプログラムをより重視する傾向があります。

米ダラス連銀は8月30日、コロナ禍を受けた在宅勤務の増加で、米大都市での生産性が相対的に下がり続けているとの分析を示した。アイデアの交換や人脈づくりは大都市が有利だったが、ハイブリッド型の浸透でその強みが薄れているという。地方都市で働く人に比べた賃金の上乗せ幅も小さくなった。

上記記事より引用

そもそも生産性とは何か、の定義もブレがあって簡単には結論づけられなさそうな所感を持っています。

❷メンタルヘルス

生産性とよく一緒に出てくるのがメンタルヘルスに関するものです。
自分も転職したてで初めての緊急事態宣言になった2020年4-5月はメンタル的に少し辛かったのを記憶しています。人と話す機会がなくなったりジムで運動できないと人間こうなっちゃうんだなと、、

生産性は向上しても、多くの従業員が不安や燃え尽き症候群を感じていると報告しています。それは、不安が仕事の満足度を下げ、同僚との対人関係に悪影響を与え、仕事の成果を下げることが知られているからです。

What employees are saying about the future of remote work

不安は、仕事のパフォーマンスを低下させ、仕事の満足度を下げ、同僚との対人関係に悪影響を及ぼすことなどが知られています。世界経済において、不安を含むメンタルヘルス不調による生産性の損失は、年間1兆ドルにも上る可能性があると言われています。

What employees are saying about the future of remote work

❸正統的周辺参加

これは上記の生産性において、経験の浅い人の方が生産性が低いと感じているという結果とも関連するものです。

正統的周辺参加とは、、「新規の参入者が、経験あるメンバーとなり、最終的には古参となる過程を捉えた表現」のことです。
徒弟制度のように一緒の場にいて、コミュニティに参加しながら見て学ぶことで学習が進んでいく、と。
以前新卒の頃にパワポを目の前で作り直された話(守破離)を書きましたがこうした経験はまさに正統的周辺参加のプロセスであったと思います。

リモートワークにおいては、これが難しいわけですから、かなり意図的にフィードバックサイクルと設計しておかないと、経験の浅いメンバーのスキルの向上がしにくくなります

また、コミュニティへの参加を通じた帰属意識が育まれないとメンタル面にも影響してくる可能性があると思います。

ここまではよく言われる論点かなと思います。加えて個人的に思うものを2つだけあげさせてもらいます。

❹カルチャー醸成

これは個人的な考えですが、スタートアップのような企業カルチャーを体現しながら成長していく場所では、同じ空間で喜怒哀楽を共有していくことそのものが重要だと思います。
『How Google Works』の中に下記のような一節が出てきます。

社員を窮屈な場所に押し込めよ
スマート・クリエイティブはお互いとの交流の中で真価を発揮する。彼らを狭い場所に押し込めることで、創造性のマグマが湧き上がる。
- スマート・クリエイティブと言うのは、コンピュータ科学者もしくはコンピュータの理論に詳しい人
- オフィスの装飾や社員のスペースを拡張するのではなく、より狭いところに優秀な社員を押し込むことで議論が生まれ良いアイデアが生まれる。

『How Google Works』

上記はより良いアイディアが生まれるための話として書かれていますが、カルチャー醸成も同じかなと。
多くの交流・議論を経て、スタンスが決まり、カルチャー体現となり、それが伝播していく、、そういうところに同じ空間にいる価値はありそうだなと思います。

❺状況変化の頻度 × 業務の定型度

個人的に思う論点2つ目は、ある期間における状況変化がどの程度発生するか(密度とも言える)、それを受けてやることがどの程度変わるか、のマトリクスです。

状況変化の頻度(多・少)と業務の定型度(定型・非定型)で2×2のマトリクスができると思います。

ほとんどのケースではリモートでも問題ないと思うのですが、、
状況変化の頻度() * 業務の定型度(非定型
だと、「リモートで不可能ではないが出社の方が馴染みが良い」感覚が自分はあります。
コロコロ状況が変わる(よく言うとアップデートされる)中で、やることもフルスクラッチで変えていかなければならない場合ほど、同期的に進めた方が結果早いのではないかと、そういう意味ですね。

ここから、状況や担当する仕事の内容によってリモートでも対応可能なものと、出社の方が向いているものがあるので、そこを意識的にスケジュールを組んで仕事を進められるとベターかもですね。
また、逆に
状況変化の頻度() * 業務の定型度(定型
であればリモートワークの比重をかなり高めても良いのではと思います。

ハイブリッド + 選択の自由がある状態

リモートワークにまつわる論点として5つを記載してきました。
個人的には冒頭述べた通り、
「週に3日程度の出社 + 個別の事情に応じて判断」
がベターと判断しています。

ハイブリッドが良さそう、というのは上記の論点からなんとなく示唆されると思うのですが、さらに重要なのは「場合によって自分で判断できるという状態にしておく」ことかなと思います。

「週に3日程度の出社」

「週に3日程度の出社 + 個別の事情に応じて判断
の差はかなり大きいと考えています。
このご時世なので体調が悪い時もあるでしょうし、育児・介護などなど個別の事情を皆さん持ちながら働いています。そんな時に「個別の事情に応じて判断」できる柔軟性を入れておくことがセーフティネットになりうるのかな、と。。

今日はリモートワークの世界の働き方について考えてみました。
置かれている状況に応じ今後も柔軟に見直していきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました🙇‍♂️

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。

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