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2022/5/16週|師匠の話。

仕事では絶賛半期の振り返り期間です。よきタイミングなので斜め・横・チームから個人としてのフィードバックをもらっています。
その中で「強み」として言及してもらえることにいくつか共通点があり、その一つが「ドキュメンテーション」でした。

ここでの「ドキュメンテーション」は、分析結果や課題について可視化や構造化をしたり、はたまた方向性を示すことで、組織の共有知としていく一連の動きを含んでいそうです。
(個人的には組織が大きくなっていくにつれ、わかりやすいドキュメントと熱量ある話者のセットがベクトルを揃えるために非常に重要と考えており、少し役に立てそうなところがあってニッコリしています)

こうしたドキュメント作りは当然ではありますが、最初からできているわけもなく、ここに至るまでに転んできています。。

失敗経験😭と、社会人最初の守破離

昔話になりますが、この辺りを強みとできているのは広告会社での1年目の後半に師匠と呼べる方との出会いが大きかったなと思います。(とはいえ年齢で言うとそんなに離れていない)

その方はデジタルエージェンシーからの中途入社の方で、そのエージェンシーの全ての提案書のフォーマットになるくらい、ドキュメンテーション能力がずば抜けていました。

中々具体を見せられないのが惜しいですが、おしゃれ雑誌のような精巧なレイアウトだったり、イラストをうまく使った書籍のようなパワポ資料を作る方でした。
そもそも広告会社は資料化したりプレゼンテーションに長けた人が多い場所ではありますが、その中でも一目置かれる、噂になるくらいの水準の方でした。(余談ですが、事業会社に移った際にそのデジタルエージェンシーとの打ち合わせがあり、提案書の型が師匠のもので秘かにほくそ笑んでしまったことがあります…)

当時の自分といえば、大学時代のゼミの発表などで「プレゼンがうまい」と褒めてもらったのに変な自信を持ち笑、我流の資料作りをしていたのですが、初めて師匠に提案資料を見せたときに、目の前で自分の資料をイチからぜーんぶ作り直されてしまうという失敗経験😭を今でも覚えています。笑

この話を思い出すと、「守破離」のプロセスだったなぁといつも思います。

「守破離」の定義をWikipediaから引用すると下記のようなものです。

もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 り尽くしてるともるるとても本を忘るな」を引用したものとされている。

修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まる。師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含めそれらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになる。さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、自分自身とその技についてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。

「本を忘るな」とあるとおり、教えを破り離れたとしても根源の精神を見失ってはならないということが重要であり、基本の型を会得しないままにいきなり個性や独創性を求めるのはいわゆる「形無し」である。無着成恭は「型がある人間が型を破ると『型破り』、型がない人間が型を破ったら『形無し』」と語っており、これは十八代目中村勘三郎の座右の銘「型があるから型破り、型が無ければ形無し」としても知られる。

守破離

自分は上記で言う、「形無し」で動いていたわけですね。
正直自分の作成したものが全て却下され、イチから資料を作り直されたのは堪えました😭が、そこから「守」のプロセス、すなわち徹底的に真似をすることにした自分の素直さは褒めてあげたいと思います。笑

加えて今の年次になって思うのは、新卒の自分を教育することに時間を投じてくれた師匠に感謝は尽きません。。。

で、とにかくその頃の自分がやったことは「師匠の提案資料レベルとほぼ同じものを再現する」こと。幸い機会は多かったので、とにかく構成や見せ方などを真似しまくり、アウトプットを作り続けました。

結果、半年くらい経つと、「型」については師匠にも認めてもらえるレベルを自分でゼロからできるようになっていました。

そこから、海外のイラストを使ったスライドや広告会社以外(例えばコンサルティング会社が公開しているもの)のスライドを学んで取り入れたりと、いわゆる「破」のようなフェーズに移っていったと認識しています。

自分が「離」という最後のフェーズに到達しているかはわかりませんが、少なくとも「守」と「破」を経たことが、その後の広告会社生活においても、今となっても「強み」として残ってくれているわけですね。

。。。

ちなみに最初の「型」を身につける際に師匠から言われたのは下記のようなことでした。

「一人歩きしても理解がずれない資料をつくろう」
「雑誌のレイアウトのデザインだと思ってつくって」
「1ピクセルずれてるのわかる?」
「どこ見たらいいかわからない。見る側が直感的に大事なところわかるようにメリハリつけて」 etc.

めっちゃ細かいですが、ここまで型を徹底するからこそ、削ぎ落としたとしても人から見ると「強み」と映るようなクオリティがいつでもできるのかなと思います。徹底しないと、残るものは少ないです。

「資料作るの大変じゃない?」と言われることもたまにあるのですが、型がインストールされているので、それなりのクオリティを時間をかけずにできるようになります。

師匠を探そう、そして、徹底しよう

この話を思い出した背景として、今週若い年次のメンバーが前期を振り返る際に下記のようなことを学びとして教えてくれたこともあります。

・今まで独学でやっていたところ、外部のエキスパートから基礎〜応用までを教えてもらい、とても学びになり、成果にもつながった。
・今後他のプロジェクトも同様にその分野の知見を持ってらっしゃる方のノウハウなどを積極的に取り入れていくべきだなという学びを得た。

突き抜けたクオリティの高い仕事をする師匠を見つけ、徹底的に真似をする。
師匠は何人いてもいいので、周りを見渡し、特定の領域に秀でた人を見つけたら、その人の真似を、ただ真似をするではなく、「徹底的に」(ここが重要)すること。まずは我流を排除すること。それが強みを形成する近道ではないかと思います。

今週はこのあたりで。

この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、、自分も週次更新をしています。

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