2014年ツールドのと400-発明協会提出用-2

冷却スポーツウェア

目次
1.概要
2.冷却性能の確認
3.測定データの説明
4.試作品の製作
5.ツールド・のと400に出場
6.発明くふう展
7.特許について
8特許の営業
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9.特許営業の秘訣(特許の売り方)
10.企業訪問
・株式会社ドーム
・伊藤忠商事株式会社
・株式会社ゴールドウィン
・グンゼ株式会社
・小矢部市のニット製品製造会社

1.概要
 2012年に特許登録になった冷却ドリンクボトルカバーを見ていて人間も冷やせるのではないかと思いました。そして、2013年10月にスポーツウェアとして特許出願し2014年4月に特許登録になりました。
 ボトルカバーと同じ原理ですが、保水用のフェルトが不要です。人間は汗をかくので冷却水をためておく必要がありません。単に皮膚表面を日陰にして風を当てれば良いのです。そして試作して実験したところ通常のスポーツウェアより皮膚表面が2~3℃低い値が出ました。半袖など皮膚が露出した場合と比べると5℃近く冷えました。人間には体温があるので10℃低い値はでませんが約10℃冷却し続けています。

2.冷却性能の確認
 ボトルカバーでは冷えましたが実際に人の皮膚表面を何度下げられるのか確認しました。冷却性能の確認だけなので左腕で実験しました。右腕はパールイズミのウェアでの測定です。腕には実験に使う生地を巻いて皮膚表面との間に熱電対を差し込んで皮膚の表面温度を測定します。

3.測定データの説明

 7分頃ロードバイクで走り出しました。冷却ウェアの下はすぐに外気温より3℃程度下がりました。露出した皮膚の温度は太陽光線が直接当たり外気温よりも高くなっています。37分頃12.5km走り日陰で休憩しました。太陽光線と風が当たらないので露出した皮膚、普通のウェア下、冷却ウェア下の温度はほぼ同じになりました。これは日陰のため3つの条件がほぼ同じになったためです。
 冷却ウェアの下は外気温より3℃低いのですが、これは人間の体温があるため3℃しか下がらないのです。ボトルカバーでは10℃下がっていました。ということは常に冷却されて体温と気化熱のバランスが取れたところが外気温より3℃低いところになります。これで、冷却性能の確認ができました。

4.試作品の製作
 原理を実現するのに一番近いと思われる生地を購入しました。ただしあまり伸縮しないので製品にするときは生地の開発から行う必要があります。型紙を作りカットして縫うだけです。

5.ツールド・のと400に出場

 試作品を着てツールド・のと・400に出場しました。背中に大きく冷却中の文字を入れてみました。ツールド・のと400とは能登半島を3日間かけて400km以上走る競技です。スピードを競うものではないので各チェックポイントを制限時間内に通過すればよいのです。実際に走ってみると日陰から日向に出たとき太陽の熱を感じませんでした。ニット生地の外側が太陽光を遮っているからです。信号待ちで止まったとき汗が流れ落ちますが、信号が青になって走り出すと寒くて鳥肌が立ちました。気化熱を体の表面から奪っているからです。従来のスポーツウェアは吸湿速乾といって汗を吸い取って生地の表面で蒸発させています。ですから、生地の厚み分冷たさを感じにくいのです。汗の気化熱を冷却に使うには皮膚の表面から直接蒸発させる必要があります。このことに気づいたスポーツウェアメーカーは無いのでしょうか。

6.発明くふう展
 その年の発明くふう展に応募しました。

石川県発明くふう展でトップ賞を受賞しました。今までにない原理です。

7.特許について

特許も予定通り登録になっています。発明の名称は、スポーツウェアです。特許番号は、特許第5521170号です。発明者は私です。

詳しい説明のURLです。

https://shlomo.jp/laboratory/sportswear



8.特許の営業
 私の場合、特許の営業は提案書を発送するところから始めます。提案したい企業のリストを作り提案書を郵送します。反応があった企業へ直接説明に行きます。

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ありがとうございます。起業以来、下請けと工賃仕事をせず自分で考えたものを世に出して生きてきました。その経験をノンフィクションとして書いています。