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『ヤンキープリンセス』/助手席の異世界転生【#毎週ショートショートnote】

『ヤンキープリンセス』
お題:助手席の異世界転生


「もしも異世界転生するなら、どの時代の誰になりたい?」
「そうねぇ、ビクトリア朝のプリンセスかしら」
「令和の今も、君は僕だけのプリンセスさ」
「うれしいわ」

 キャッキャうふふのうれし恥ずかし初ドライブデート。
助手席に君が座っているだけで、いつもの景色も輝いて見える。

 そこに不届き者が現れた。
ウィンカーを出さずに強引な車線変更で前方に割り込んできたんだ。
ビーーーーー!
耳をつんざくようなクラクション。

「おんどりゃあ、なめとんかワレ!」
「え?」

 北関東出身のプリンセスが、なぜか関西弁で捲し立てる。
ブルブルと震えが止まらなくなる僕。
辛うじて声を絞り出す。

「ト、トラブルになるといけないから……や、やめよう……」
「あ゛!?」
「す、すいませんっ!」

 きっと、この助手席は異世界への扉なんだ。
僕の彼女はビクトリア朝へワープしてしまったんだ。
そして、なぜか入れ替わりで昭和から令和に転生した浪速のヤンキーが座っている。
そうだ、そうに違いない。

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#毎週ショートショートnote /12/2~12/8のお題
「助手席の異世界転生」で創作したショートショートでした。

文字数:410字(空白・改行を除く文字数)

◆たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました!
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想田翠/140字小説・短編小説 @shitatamerusoda

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◆前回のお題「着の身着のままゲーム機」で創作したショートショート。
 410字:2分程度で読了可能。ぜひこちらも、合わせてお読みください。

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