野上

本を読んで生きている。主に書評

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最近の記事

思想について

フアナという文字に目が止まり、フィリップ4世の妻カスティーリャ女王フアナの本かな?と思い、読んでみることにしたが、17世紀メキシコで有名な詩人だった人の本であった。 スペイン語圏ではかなり有名らしい。 正直なところ、独特な文体でさっぱり読みにくい。 少女がお花畑を駆け巡るような、そういう文体なのだ。 しかし、宗教的、社会的に抑圧されていた女性としての思いの丈が全面に伝わってくる文章であった。 それも少女のようにフランクに軽やかにである。 言論の自由もなかっただろう

    • ロココが好きな理由

      芸術、美術についてはあまり知らないのだが、西洋美術のロココについては強烈に好きである。 ロココはそれまでの古典主義の荘厳さと違って、女性的であり、享楽的であり、繊細であり、軽快であり、優美である。 古典主義からの脱却、抑圧からの解放、何より自由を感じる。 私の人生観が「自由」であるため、共鳴する部分があるのだろうか。 ロココは、文芸や思想に秀でておりサロンを開き18世紀ヨーロッパに影響を与えていたポンパドール夫人が先駆的役割を果たした。 彼女の文芸や思想からくる、自

      • マンネリ

        最近マンネリだ。朝起きてやるべきことをただやって寝る。 刺激のないような生活。 しかし、よく考えれば物事がうまくいっている時である。 色々なことが習慣化され、特に刺激を感じなくなった状態。 仕事、育児、ジム、読書、ジャーナル、英語、いろいろやっているが、はじめた当初の煌びやかな気持ちは消え失せ、ただやる、という状態になっている。 でもこれは当たり前にこなせるようになったということだ。 自分に課した義務に生きているような状態か。 やはり人間、義務に生きたほうがかえ

        • 幸福に生きるか、義務に生きるか

          子育てやら、仕事やら、忙しくなってくると 瞬く間に1日が過ぎていき、 自分はなんのために生きているんだ?自分の人生はなんなんだ?という気持ちが沸いてくる。 昔読んだヘーゲルだかカントだかの本に、 「真に幸福を求める人は、自然と義務的に生きるようになる」みたいなことを書いてあったことを思い出した。 義務に生きるなんてクソじゃねぇか!自分のやりたいことやって幸福になれるほうがいいに決まってる! と読んだ当時は思ったが今は大いに同意する。 なぜなら、幸福なんてものはな

        思想について

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        • 1本

        記事

          まとめ売り本を読むメリット

          本は自分が選んだ本しか読まないクチだった。 しかし、メルカリで育児本をまとめ買いした時、こんな本絶対買わないだろうな、という本も混じっていて読んでみた。 すると、なるほど世間にはこういう本もあるのかと意外にも面白かった。 さらに、まとめ買いはその人が選んだ本をトレースするので、この人はきっとこう悩んでいたのでは?と考えたり、 ああ、俺と同じようなことで悩んでたんだなぁ、と思ったり。 他人の本をそのまま読むのも、その人の人生に触れているようで面白い。 人から本を薦め

          まとめ売り本を読むメリット

          今月読む本

          今月読む本 日々なんとなく過ごしていると、情報に手当たり次第当たってしまうので、今月は何についての情報を集めるかまとめておく。 情報については主に本から手に入れていく。 読み漁る本 育児 介護保険 史学 こんなところ。 早速メルカリで育児本20冊をまとめ買いした。 育児は、今2歳の娘がいてイライラ期に突入していて、感情的にイライラしたりするからだ。 どういう時期で、どういう対応をするべきなのか知っていく。 その次は介護保険について。 介護保険についてわからな

          今月読む本

          もう不満は言わない実践記

          もう不満は言わないを実践してしばらく経つが、 ようやく、ペインボディというのに気づいた気がする。 不満をいう前に必ず何かしらのトリガーがある。 嫌な思い出、これを繰り返し想起させていて 嫌な思い出→嫌な気分になる→周りの行動が嫌に見えてくる→不満 というわけだ。 ではどうするか。 嫌な思い出や、嫌な気分にが湧いてきた時に、メモするようにした。 これが中々いい、「あ、ペインボディがやってきたな」とのまれることがなくなった。 今までは不満を言ったらメモをしていた

          もう不満は言わない実践記

          趣味について

          趣味はアマチュアレベルで十分だ。 一時期、趣味を極めようとした。 極めようといっても、Youtubeで発信してお金を稼ごうという所謂副業にしようと考えた。 すると、どうなるか。 途端に苦しくなる。趣味が苦行と化す。 なぜなら、その道で食っていくにはひたすらPDCAサイクルを回す必要があるからだ。 暇つぶし、時間潰し、なんとなく好き、このレベルでは取り組めなくなる。 時間を作り、必死にやらねばなくなる。 しかも、本業もしながら。 そうこうしていると、「あーもう

          趣味について

          仙人-芥川龍之介を読んだ感想

          どんなことでも、真剣に取り組めば何らかの境地に至れる、ということを感じられるお話でした。 自分がそうだと信じれば、そうなる。 なんかマルコの福音書に書いてあるイエス・キリストの言葉を思い出しましたわ。 「はっきり言っておく。だれでもこの山に向かい『立ち上がって海に飛び込め』と言い、 少しも疑わず、自分の言う通りになると信じるならば、その通りになる。 だから言っておく。祈り求めるものはすべて既に得られたと信じなさい。 そうすれば、その通りになる。」

          仙人-芥川龍之介を読んだ感想

          人権ってなんだ

          人権ってなんだろう。 福祉従事者として思う。 障害者、高齢者、児童、女性、みな権利がある。 現代では権利が蔑ろにされやすく社会的に守らねばいけない存在。 しかし、その人たちを支援する支援者にも人権がある 人権と人権がぶつかった時どうなるか? 憲法の定義では「公共の福祉」によって制限される。 まぁ曖昧である。 福祉施設において、利用者の人権と職員の人権がぶつかった場合、社会福祉法、憲法の人権の定義によってどうするか判断が下される。 それが正しいのか、正しくない

          人権ってなんだ

          AI絵のグラビア

          AI絵のグラビアを見るのにハマっている。 なぜaiが描いた絵にハマるのか。 AIの絵はリアリティがないからだ。 顔が左右対称でスタイルが最も美形の体型で描かれている。 それがある意味現実離れしている。 よくみてみると、どれも同じ顔で画一的な絵である。 現実っぽいがリアリティがない。 それがいいのだ。 思えば私は、昔から女性に幻想を抱いてきた。 美しく、儚くあってほしい。 薄氷のように触るとフッと砕けてしまいそうな、そういう雰囲気の女性である。 そういうあ

          AI絵のグラビア

          北欧がなぜ福祉国家なのか考えてみる

          ヨーロッパ中央から北に外れた、男性器のような形をした半島。 スカンディナビア半島、通称北欧。 ここに連なるデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドは福祉国家としてあまりにも有名である。 その特徴的な福祉政策は社会民主レジームと呼ばれている。 ではなぜ、北欧は福祉国家に成り得たのだろうか? 少し考えてみたい。 人口が少ない土地的にクソ寒いので、人が少ない。 1番多いスウェーデンで約1000万。神奈川県より少し多いくらい。 その他の北欧諸国は約500万。

          北欧がなぜ福祉国家なのか考えてみる

          近況

          最近の近況。考えたこととか、興味を持ったこと。 自分が身につける知識について最近よく考えているのか、これから自分は何についての知識を深めるべきなのか、ということ。 色々考えたが下記に帰結した。 ・哲学 ・歴史 ・文学 ・法律 ・芸術 ・社会福祉 ・児童 ・介護 ・財務、会計 ・経営 ・英語 社会福祉に従事するものとして必要な知識はこれらではないか。 財務、会計、経営とかは資本主義社会を生き抜くためとして、 社会福祉に従事する者として重要なのは「人権」「権利の擁護」

          大分旅行に行ってきた

          何かしら文を書く習慣を継続したい。 ということで、些細な旅行記でも書いていく。 2024年5月25日に大分へ旅行へ行ってきた。 大分はこれで6回目くらい。杉乃井ホテルや地獄めぐりなどは、行ったことがあったので、軽く日帰りしてきた。 大分サファリパークに行った。 バスからライオンやゾウに餌をあげることも怖がることなく、楽しんでいた。 隣に座っていた家族の男の子は、同級生であったが、怖がって餌をやれずにいた。 カンガルーや馬にもニコニコと触れ合って、臆することなく触

          大分旅行に行ってきた

          少年(谷崎潤一郎)の感想文

          近代小説ブームがきている今日のこの頃に読んだ本はこれ。 少年(谷崎潤一郎) 読もうと思った顛末近代小説は、太宰、芥川、漱石、くらいしか読んだことがなかったので、誰の小説が面白いのだろう?と思い調べたところ とある本に、 「少年」がおすすめ、妻に不倫された、信じていた恋人が複数人を股にかけていた、そういう状況になった時に、悔しいや嫉妬という気持ちの他になんとも言えない興奮があるような変態の方は、ぜひこの本を読んでみましょう! と書いてあったので、「自分の妻が他の男に寝

          少年(谷崎潤一郎)の感想文

          この世はフィクション(虚構)である。

          サピエンス全史を読んだ。 認知革命の部分が特に印象的だった。 人間は虚構(フィクション)を作り上げることができる。 国家、経済、宗教、法律・・・。 確かに国ってどこにあるのか考えてみたら、 地図に国境線が引いてあるだけで、実際には存在しない。 人間が頭の中で作り、しかもそれを全員が疑いようのなく信じているから機能しているのだ。 うーんすごいな。 こんな所業ができる生き物は確かに激レアだ。 人間が地球で覇権を取ったのも納得。 人間はフィクションを張り巡らせ、

          この世はフィクション(虚構)である。