人権ってなんだ
人権ってなんだろう。
福祉従事者として思う。
障害者、高齢者、児童、女性、みな権利がある。
現代では権利が蔑ろにされやすく社会的に守らねばいけない存在。
しかし、その人たちを支援する支援者にも人権がある
人権と人権がぶつかった時どうなるか?
憲法の定義では「公共の福祉」によって制限される。
まぁ曖昧である。
福祉施設において、利用者の人権と職員の人権がぶつかった場合、社会福祉法、憲法の人権の定義によってどうするか判断が下される。
それが正しいのか、正しくないかはわからない。
事業所の理念によって容易に対処が変わるからだ。
福祉とはつくづく難しい仕事だと思う。
人権、福祉、生き方といった抽象的概念を、ケアという具体的行動に落とし込む。
抽象的であるがゆえに、人によって認識が違う。
その具体性を説明できる人がいなくてはならないし、納得できる人たちを育てていかなければならない。
そういった苦労を重ねようやく統一的なケアを行っても、それが被支援者とその家族が納得できないこともある。
しかも、これから先、外国人労働者が介護を担うとなると抽象的概念がさらに多様化する。
被支援者も支援者も、生まれた場所も、育った場所も、国も法律も、考え方も、価値観も何もかもが違う。
こうした状況では、どう統一的な基準を設ければいいのだろう。
これほどエビデンスがはっきりとせず、人権や権利、生き方といった抽象的概念に直面する仕事はあるのだろうか?
そもそもこれらを考えることができる福祉従事者はどれだけいるだろうか。
なんとなくの倫理観、道徳感で仕事していないだろうか。
自分自身はどうだろうか。
人権について、考えているだろうか。
「なんとなく大事なもの」という認識ではないだろうか。
自分の人権(権利)ばかり主張していないだろうか。
答えはでない。
なぜなら、人間1人1人があまりにも違いすぎるから。
さらに、道徳、倫理観も時代によって大きく変わるものだから。
不安定かつ曖昧なものに基準を設けるのは難しい。
だから、支援を必要としている人をみたとき自分が何を大切に思うか、これに従えばいい。
自分の中に答えはある。
だが、それが正しい選択かどうかはわからない。
その選択に自信もないかもしれない。
その選択が悪い方に進むかもしれない。
だから、正しい選択をするためには、いろいろな物の考え方ができないといけない。
必要、不必要を分ける決断、実行する勇気も必要だ。
知性、決断、勇気。
これらを身につけるため学ばないといけない。
地味なことを繰り返さないといけない。
人を支援するならそれくらいの覚悟を持って望め。
そういうことを考え今日も仕事をする。
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