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【詩】地上離れくん

ふと気になった単語「希死念慮」。

検索すると、相談窓口の電話番号が出てきた。

こちらをどうぞ!これが正しいボタンです!とでも言うように、不自然に大きく表示される。

意味を調べようとしただけなのに、それすらさせてくれないのか。

その単語を知ってはいけない、考えてはいけないと叫ばれた。(鬼の様な形相でね。)

必死に食い止めようとしている感じがして、僕はなんだか、笑いが込み上げてくる。


そう、これだよ。これだよこれ。

地上に引き留めて離そうとしないこの感じ。

希死念慮の意味は正しくこれだ。

例えあなたが地上から離れようとしてもそうはさせませんよ、何がなんでも地上に引きずり下ろしますよ叩きつけますよ、
そう言われるところまでがこの単語の意味だ。

その強迫じみた様がおもしろおかしくて、僕はケラケラ笑ってしまう。

とっくに地上離れした僕は、この単語を空中から見下ろす。

君は、この単語についてどう思った?

君はこんな僕を見て、どう思った?

何言ってんだこの人って思ったかい?

それなら多分、この世界の正解だよ。
それ以外なら多分、この世界の不正解だよ。


君はどっちだろうね?




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