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売上8割蒸発・・・危機は他人事ではない

白柳 孝 つれづれ日記 Vol.51

1.見えないところで危機は進行している。

テレビを見ていたら「地場産業がなくなりそうだ」という危機の報道がされていた。テレビは一般庶民の頭の中を考える力を無くし、娯楽番組で今だけ楽しければよい、未来は何とかなるという安易な考えにする道具だと思っているが、時には考えさせる問題もある。

日本のテレビでは、世界のニュースは殆ど報道しないし、政治経済も放映時間で言えば無きに等しい。いつもどうでもいい交通事故や火災の報道、三面記事ばかりを流している。そしてスポーツの時間と天気予報の時間が余りも多すぎ、その中でぽつんと危機が進行している話だった。
時々出て来る報道を未来の前兆として考える事が大事であり、私達には直接見えないところで危機は進行しているのです。

2.前兆から推測される未来を予測して対処すべき

中小企業が生き残れるかは、未来を予測する洞察力と直ぐに動く行動力です。事業経営は先を見る力が無いと、時代に取り残され、確実に衰退します。今どんな前兆があるか?いくらでも危機を感じるものはあります。  今年に入ってからの新型コロナの影響で、飲食店は勿論、観光・小売り・運輸・医療・自動車などあらゆる産業が売上激減という被害を受けています。今は何とか持ちこたえているのは、政府の各種補助金、経済対策であり、これらは長くは続きません。確実に減少するか無くなります。その時に見えなかったところにまでとんでもない被害だったと分かります。
いま前兆を見つめ対処すべきです。

3.地元の神社からの悲鳴

地元にそこそこ有名な神社があります。もちろん観光客が大勢訪れるほどではなく、そこそこ地元で有名という程度です。そこの宮司さんが参拝客が激減し、お札やチョットした土産物が売れなくなった。そしてその仕入先の会社に価格交渉を頼んできた。その会社もそのような依頼が増え、また販売量も激減してきた。人々が動かないことは、経済的には大問題なのです。

4.国内GDP年27.8%減を甘く見すぎている。

毎日コロナ騒動で冷静に考えられなくなっていますが、経済活動が激減して世界大恐慌に匹敵する危機となっています。これまで最大だったリーマン・ショック直後の2009年1~3月期の年率17・8%減に比較して、とんでもなく酷い大激減なのです。そして輸出も18・5%減と大激減なのです。

米国の同時期のGDPも32.9%と大激減。
世界恐慌は後から歴史を見ると、あのときに始まったと分かるのです。
後から分かっても遅いのです。いま危機が始まっているのです。

マスコミは本当の危機はさらりと流し、コロナ危機だけを煽っています。 なぜかを考えると怖くなります。



5.眼鏡の鯖江「売上が蒸発」したのは、人ごとではないのです。明日は我が身です。

NHK番組情報ナビゲーション「町工場は生き残れるか~めがね産地の苦悩~」
雇用を支えてきた「町工場」が今、コロナ禍で危機に。廃業ラッシュや地場産業への深刻な打撃が懸念されている。日本一の眼鏡の産地・福井県鯖江市でその苦境と模索をルポ。

番組詳細
雇用や地域経済を支えてきた「町工場」が危機に立っている。廃業ラッシュや地場産業への深刻な打撃も懸念されている。日本一の眼鏡の産地・福井県鯖江市では、小売店での消費の激減から半年たった今、製造現場に深刻な影響が現れている。多くの工場で注文が消え、瀬戸際に立っているのだ。一方でこのピンチをチャンスとして、長年の課題であった販売や流通の改革をめざす動きも。その苦悩と模索をルポ。

6.もっと怖い危機がある・・・中小企業対策が変わる

中小企業は日本の強みであり雇用の支えでもあった。中小企業の技術力が世界で光っている部分もあったのだが、その中小企業を統廃合させるような政策が取られようといてる。
規模を拡大することで経営の効率化や生産性の向上をさせようとするものだ。

日本経済新聞が9月6日に報道した菅官房長官へのインタビュー記事が問題となっている。その中では、日本の中小企業の生産性が諸外国に比較して低いことに懸念を示し、小規模の利点を生んでいる中小企業基本法の区分要件の改正と、合併などで中小企業を再編し規模を拡大することで経営の効率化や生産性の向上を図りたいという発言をしたとの報道だ。

これで日本の良さの中小企業が統廃合され、大企業傘下か外資に乗っ取られる図式になってしまうのが心配です。そして具体的には従来の護る方向から淘汰させる方向へと政策が変わることで、バタバタと潰れていくのが現実となります。


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税理士 白柳孝


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