中毒

どうにも行けません。最初からそこにあったかのように、私の中で這いずっているのです。
徐々に私の心に巣食ってどうしようもないのです。
求めて求めて求めてしまいます。
そんなものだから、私の思考も自制がききません。どこまでも考えがついて回ります。もっとうまくできないものかと。
しれっと積み上げた、一つ二つごときが、予期せず私を限りなく満たし、そして飢えさせます。
形なき言葉も、多量に飲み込めば劇薬、ネジ切れるほどに翻弄される己を見て、どうしてへらへらと笑うことができるのでしょうか。
一種おぞましい異形に堕ちこんでしまし、思考すらも乗っ取られたのではと疑ってしまいます。
視野が狭くなっていると感じたときには、戻れるかも不安なほど深みに嵌ってしまって、諦観から抜け出すことすら考えもつかないところに沈んでしまいます。
どんどん明るい光が薄れていって、息もできないくらいに苦しいのに、それでもなお、胸を焦がすのです。焦がし尽くされ追いすがりたくなるのです。
いっそ、この全てを焼き尽くしてくれさえすれば楽なのにとすら思ってしまいます。
何もかもが羨ましく思え、その全てが自分のためにアレば良いと思い、妬み、嫉み、己の膨れ上がる汚泥の心に潰されるのです。
まったくもって嘆かわしい。身を滅ぼすとわかっていながらも求めてしまうことが。
分かってはいるのです。理解しているのです。
だけど、望むのです。
そしてそんな、求めてしまう自分自身が、決して嫌いになれないのです。

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