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X-AIDER-クロスエイダー-

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第6回青い鳥文庫小説賞で一次落ちした作品です。  [あらすじ] 高山ナオトは普通の小学生。ある日、彼は引っ越し先で車に轢かれそうになった野良猫を助ける。そして次の日の朝、なぜか…
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#児童文学

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (17)

 星森山は、街の中心部にそびえ立つこんもりとした山だった。これは父さんから聞いた話だけど…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (16)

引っ越ししてから約一ヶ月。新しい生活にもずいぶん馴れた。ヒロキくんたちやマイカちゃん、そ…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (15)

 午後四時。昼下がりの図書室で、アスミは目を覚ました。ああ、またあの夢だ――そう思いなが…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー-(14)

 数分後。ぼくたちは、学校にほど近い公園へ移動した。公園の中心には大きな噴水があり、その…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (13)

 ぼくは改めてインベーダーを見る。相手は、うねうねと動く枝を動かしていた。咲き誇る桜の花…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (12)

「チャコ」  ぼくが呼ぶと、チャコはランドセルから飛び出した。 「うむ」  ぼくは、チャコ…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (11)

 数時間後。放課後、ぼくとヒロキくんは学校の裏手にいた。 「で、どうしてぼくたちはここに隠れてるの」  ぼくたちがいるのは、校舎の壁側に設えられた花壇の植え込みの陰だ。 「誰かに見られたら恥ずかしいだろ」  変なところでプライドが高いんだな。ぼくはため息をついた。 (そんなに見られて恥ずかしいものなのか?)  チャコがテレパシーでたずねてくる。 (わかんない)  ぼくは答える。もちろんテレパシーで。 (人間の心は、いつもわからぬものだな)  だろうな、とぼくは心の中でつぶやい

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (10)

 四月の下旬。東京よりも北にある湯の花市にもようやく桜の便りが届き、公園や、民家の庭先な…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 放課後。ぼくは、ヒロキくんたちと帰っていた。昼休み以来、ぼくは、彼らと完全に打ち解けて…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 数分後。ぼくは教室にいた。横に立っている若い女の先生が、黒板にぼくの名前を書く。 「今…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (8)

 湯の花市に引っ越してきて二週間。暦は早くも四月になっていた。そんなピカピカ日和の朝、ぼ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (7)

「お、終わった」  へなへなと座りこんでいるぼくの前では、チャロがおばさんに駆け寄ってい…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (6)

 インベーダーは、低くうなりながら、ぼくにどすどすと近づいた。 「ここは通さない!」  ぼ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (5)

 チャロがいるところには、少しも時間がかからなかった。50メートル先に来たところでチャロは、リードとつながっている首輪をかみちぎった。その反動で、おばさんは、チャロのいるところから二メートル先のところまで吹き飛ばされた。 「おばさん、大丈夫?」  おばさんは、上半身を起こした。 「あらまあ、ありがとねえ」  ぼくは、チャロを見る。チャロは道路の真ん中で、からだを震わせていた。 「ウ……ウゥゥ……」  チャロは、どこか悲痛な叫びにも似た鳴き声をあげていた。 「チャロ?」  飼い