マガジンのカバー画像

X-AIDER-クロスエイダー-

19
第6回青い鳥文庫小説賞で一次落ちした作品です。  [あらすじ] 高山ナオトは普通の小学生。ある日、彼は引っ越し先で車に轢かれそうになった野良猫を助ける。そして次の日の朝、なぜか…
運営しているクリエイター

記事一覧

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (17)

 星森山は、街の中心部にそびえ立つこんもりとした山だった。これは父さんから聞いた話だけど…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (17)

 学校に到着すると、すぐに簡単な集会が開かれた。内容は、このイベントの趣旨と、注意事項。…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (16)

引っ越ししてから約一ヶ月。新しい生活にもずいぶん馴れた。ヒロキくんたちやマイカちゃん、そ…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (15)

 午後四時。昼下がりの図書室で、アスミは目を覚ました。ああ、またあの夢だ――そう思いなが…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー-(14)

 数分後。ぼくたちは、学校にほど近い公園へ移動した。公園の中心には大きな噴水があり、その…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (13)

 ぼくは改めてインベーダーを見る。相手は、うねうねと動く枝を動かしていた。咲き誇る桜の花…

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (12)

「チャコ」  ぼくが呼ぶと、チャコはランドセルから飛び出した。 「うむ」  ぼくは、チャコと向かい合った。 「接続、スタート」  ぼくのその声を合図にぼくたちは光に包まれた。一度裸になるのと、体が大人になるときに、体が熱くなるのにはまだ慣れない。ぼくは変身を終えると、光の中から飛び出すと、思いっきり飛び上がった。 「行くぞ!」  物陰からさっそうと登場する。そこまではよかった。だが、かっこよく姿を現してすぐ、クロスエイダーは手痛い洗礼を受ける。なんとインベーダーの枝に、思いっ

[小説]X-AIDER-クロスエイダー- (11)

 数時間後。放課後、ぼくとヒロキくんは学校の裏手にいた。 「で、どうしてぼくたちはここに…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (10)

 四月の下旬。東京よりも北にある湯の花市にもようやく桜の便りが届き、公園や、民家の庭先な…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 放課後。ぼくは、ヒロキくんたちと帰っていた。昼休み以来、ぼくは、彼らと完全に打ち解けて…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (9)

 数分後。ぼくは教室にいた。横に立っている若い女の先生が、黒板にぼくの名前を書く。 「今…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (8)

 湯の花市に引っ越してきて二週間。暦は早くも四月になっていた。そんなピカピカ日和の朝、ぼ…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (7)

「お、終わった」  へなへなと座りこんでいるぼくの前では、チャロがおばさんに駆け寄ってい…

[小説] X-AIDER-クロスエイダー- (6)

 インベーダーは、低くうなりながら、ぼくにどすどすと近づいた。 「ここは通さない!」  ぼくは、門の前に立つ。 「そんなに行きたいのなら、ぼくを倒してから行け」  ぼくの挑発に、やつは乗った。  ドスドス、ドス。  熱い息が鼻先にかかる。ぼくは重い荷物を押すように相手を両手で押し返す。インベーダーも押してきて、しばらくは押し合いへしあいの応酬が続いた。インベーダーのずうたいは大きかったが、クロスエイダーになると、軽々と押せた。 「すごい……」  ぼくは、ニヤニヤしそうになるの