しらさきあきこ

FMe-niwaパーソナリティ白﨑亜紀子。「私たちのまちで骨髄ドナー助成制度を考える会…

しらさきあきこ

FMe-niwaパーソナリティ白﨑亜紀子。「私たちのまちで骨髄ドナー助成制度を考える会」代表。2020年急性骨髄性白血病で入院→退院・経過観察中。入院生活、毎晩の消灯時間後に思ったあれこれを。趣味は読書。保湿。風景印集め。

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白血病になってしまった

こんにちは。白﨑亜紀子といいます。 ラジオの仕事をしています。毎日楽しく暮らしていたのに、ある日緊急入院し病室でポツンとひとり治療を受ける日々が始まりました。 私はどうなってしまうんだろう。不安はいつも夜、消灯時間が過ぎると大きく膨らみました。 そんなとき、同じような病気を経験している人たちのSNSやブログをのぞきました。きっと同じように病室の天井を見つめながら病気に向き合っているだろう姿を想像し、勇気をもらいそして慰められていました。それはなんだかラジオに似ているとも

    • エンディングノートはフリクションで書く。

      1年、note書くのをやめていた。 念のためと書き始めたエンディングノートに綴りながら辛くなりページを開けなくなった。 自分で自分をえぐった感じだ。 noteも書けなかった。 この1年での気持ちの乱高下を経て、行きつ戻りつまたここに来て書く。 生命保険など諸々の書類の整理し、家族と共有しておこう。 夫や子どもたちに、私のほうの親戚関係も分かるように書いておこう。 そう考え書店の終活コーナーで書きやすそうなものを探すと、意外と種類が多いものだ。 棚の前に長時間しゃがみこみ1

      • こっちの水は苦い。

        抗がん剤でやっつけたがん細胞が体から出て行くよう、沢山水を飲んでトイレ行ってめぐりを良くするといいとのことで、いろはすの段ボール3箱を病室の壁に積んでこまめに飲んだ。 いま自分でできることといえば水を飲むこと。助かる可能性が少しでも上がるなら何でもしたい。すがる思いでガブガブ飲んだ。もちろん、可能性上がるなんてものではないのだけど。 そのうち水が苦く感じられ飲みづらくなった。味覚障害が出てきたのだ。水を緑茶やスポーツドリンクに変えると飲みやすくなった。 沢山飲むから夜中

        • 言葉が救ってくれる

          目の前のことを粛々とやろうと気を張っているからか、ショックに揺られているにもかかわらず、入院以来、私はそれほど泣いていなかった。 それでも、涙が溢れ出たのは、入院し治療を始めたことを周囲に伝えたときだ。沢山の沢山の励ますメッセージがスマホに届き、それを目にしたとたんに涙が止まらなくなった。ベッドの上でひとつひとつの言葉にうなづき、おじぎして、ありがとうと言いスマホを抱きしめた。 この心細さに芯を添えてくれ、ひとりではないことに気付かせ、勇気や安心を与えてくれるみんなの言葉

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          口内炎対策に必携「特にやわらかめ」歯ブラシ~やわらかさの頂点

          食欲があればお菓子も食べていいそう。そうだったのか。ただし衛生管理がなされている工場等で製造され個包装になっているもの、とのことで、週末に着替えと一緒に好物のクッキーや煎餅を持ってきてもらった。 しかしこの頃には口内炎ができており、だまっていてもヒリヒリと痛むのだった。煎餅など攻撃アイテム…。 この痛みは口内炎に体が支配されてると感じるほどストレスフルだ。歯茎が腫れて痛むこともあり、鎮痛効果のあるうがい薬や塗り薬を使用。なかなか治らないのは、やはり白血球が低下しているから

          口内炎対策に必携「特にやわらかめ」歯ブラシ~やわらかさの頂点

          カップ入りガリガリ君~病院アラカルトメニュー

          抗がん剤を始めてからむかつきがあって食事がすすまない。でも食べないと…と口に入れていたが、看護師さんがアラカルト食があることを教えてくれた。単品メニューだ。 メニュー表には、たまねぎのスープ、漬物、焼きおにぎりなど種類があり、どれもごく少量で、病院食にプラスしたり、単品を3種まで組み合わせて1食にすることもできる。 むかつきがあるときは冷たいもののほうが食べやすく、私はよく「冷や奴・そうめん・ゼリー定食」とした。なんか寒そう。痩せそう。 意外なメニューはカップヌードル(

          カップ入りガリガリ君~病院アラカルトメニュー

          副作用~全身が夕焼け色~

          吐き気、発熱、咳、胃痛。 深夜、隣りの部屋からも咳が聞こえる。私の咳も聞こえるだろうな。胃にきゅぅと差し込むような痛みが出ると、このまま痛みが消えずに意識が遠退くのではないかと怖かった。 首から顔にかけての湿疹は、熱をもち顔が分厚くなったような感覚。鏡を見て、今までこつこつシミ対策クリームをぬったお手入れは何だったろう、トホホと苦笑いしながら、こつこつステロイドをぬる。 胸のカテーテルも炎症が起き抜き取る。 抗生剤が合わないようで、今度は全身に湿疹があらわれたが、変更

          副作用~全身が夕焼け色~

          抗がん剤スタートとはじめての根性。

          抗がん剤が始まった。まずは24時間×1週間。 不安だった副作用の説明は細やかに説明してくれたし、症状が出ればそれに合わせた対処をするから、心配事は何でも言ってくださいと声をかけてくれる。どの看護師さんも、急な入院でびっくりしましたよねと気遣かってくれる。私のような患者を日々みているのだろうし、どう接するのが良いのか院内で共有されているのだろう。 抗がん剤の赤い液体が管を下りてくるのを見ながら、必ず治すと誓い、心のなかで神さま!とも叫ぶのだけど、神さまって誰なんだろう、誰に

          抗がん剤スタートとはじめての根性。

          検査結果と生存率

          先生が穏やかに「急性骨髄性白血病」と告げ、今の私の血液の状態を丁寧に説明してくれる。 白血球の芽球のほぼ100%ががん化したものであること、血液のがんにステージはないが、抗がん剤が効くか効かないかという考え方であること、今後の治療についてなど。 ひととおり説明を聞き終えたあたりで、こちらからの質問を待つような間があった。 「この病気はどれくらいの割合で完治しているのですか」 「20%から30%です。それ以外の方は亡くなっている病気です」 全身から力が抜け落ち、手に力

          検査結果と生存率

          「骨の髄まで」を体感する

          さっき小さな手さげ袋持ってサンダルで近所の病院行ったのに、いま知らない病院でいろんな検査して色んな同意書にサインをしてる。状況の変化に動揺しながらも、駆けつけた夫が先生の話を聞きながら何度も汗を拭うのを見ている。ありがとう来てくれて。なんかごめん。 「骨髄検査は麻酔もしますが少し痛いのでちょっと我慢してね。声は出してもいいから動かないでくださいね」 腸骨に注射針刺して骨髄液を採る痛さってどんなだろう怖い。ベッドにうつぶせになり、ひとりの看護師さんは腰のあたりを押さえ、もう

          「骨の髄まで」を体感する

          病気は「年のせい」という思い込みに潜む。

          兆候はあった。でもそれは「今思えば」であって、当時それらの体調の変化は「年のせい」「更年期なのかな」と考えていた。 「最近何をしてもすぐ疲れるな…」 原稿を5、6分間読み続けると息があがり、放送中も笑って話しているのにしんどい。毎日帰宅後は疲れと自己嫌悪に沈みつつも、抗うべくジョギングを始めたりもした。体力がつけば疲れも消えていくはずだ。そんな折… 春ごろから全身にかゆみが出て、軽く掻くだけで紫の点状の内出血や、覚えのない青あざができることも。夏には帯状疱疹、咽頭炎、生

          病気は「年のせい」という思い込みに潜む。