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言葉が救ってくれる

目の前のことを粛々とやろうと気を張っているからか、ショックに揺られているにもかかわらず、入院以来、私はそれほど泣いていなかった。

それでも、涙が溢れ出たのは、入院し治療を始めたことを周囲に伝えたときだ。沢山の沢山の励ますメッセージがスマホに届き、それを目にしたとたんに涙が止まらなくなった。ベッドの上でひとつひとつの言葉にうなづき、おじぎして、ありがとうと言いスマホを抱きしめた。

この心細さに芯を添えてくれ、ひとりではないことに気付かせ、勇気や安心を与えてくれるみんなの言葉に、涙をこぼし鼻をすすり、ときに突っ伏して息を吐き出すうち、はっと重要なことに気付き粛然とした。

これはラジオがもっとも大切にしていることだ。これは自分の目指すべき仕事のあり方だ。私はいま、そのことを教えられているのではないか。

自分が向き合うのは病気だけれど、同時に、向き合うべきは自分自身であると知り体が震える。みんなに支えてもらっている有り難さに心からの感謝の念が湧き力がみなぎってくる。


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