「骨の髄まで」を体感する

さっき小さな手さげ袋持ってサンダルで近所の病院行ったのに、いま知らない病院でいろんな検査して色んな同意書にサインをしてる。状況の変化に動揺しながらも、駆けつけた夫が先生の話を聞きながら何度も汗を拭うのを見ている。ありがとう来てくれて。なんかごめん。

「骨髄検査は麻酔もしますが少し痛いのでちょっと我慢してね。声は出してもいいから動かないでくださいね」

腸骨に注射針刺して骨髄液を採る痛さってどんなだろう怖い。ベッドにうつぶせになり、ひとりの看護師さんは腰のあたりを押さえ、もうひとりの看護師さんが手を強く握ってくれる。鈍くて鋭い痛みに声が出るのではなく声が引っこ抜かれたように体がのけ反るのを、私の目線までかがみ頑張ってと声を掛け続けてくれた。検査後に茫然としてしまうほど痛かったのだけど、ぎゅっと手を握ってくれたことは、この治療を伴走してくれる人がいる心強さを感じさせてくれた。

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