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デイベッドを作った話

しおやです。

少し前に、ようやく 我が家にくつろげるデイベッドが現れました。

完成当時の写真
完成当時の写真

自作によるデイベッドです。

これについて書きたいと思いながら、ちょっとためらいもあり、筆が進みませんでした。
ためらう理由としては、率直に言うと失敗したからです…苦笑
ちなみに失敗しましたが、家にあったもので補強し、現在は絶賛くつろいでいます。

デイデッド

まずデイベッドって何?ってなるかもしれませんが、直訳すると昼間のベッドになるのでしょうか。
座面がフラットで、ベッドのように寝そべったりできるソファのようなものです。自分も正直20代の終わりに設計した住宅にデイベッドを取り入れたときまで知りませんでした。ただ、そのできたものはとても羨ましく、自宅には取り入れたいと思っていました。

作るか購入か

デイベッドが欲しいというのは当初から考えていましたが、通常は造り付けか、購入かになると思います。

造り付けだと当然固定です。こちらの方が空間に合う、丈夫なものが出来ますが、当然施工費がかかること、空間が固定的になるのでやめました。住宅ということで将来の使い方の自由度を残したい考えがあります。

自由度を残したいいいつつ、ある程度置き場所を想定していたため、設置場所には腰壁までを板張りとしています。

写真:長谷川健太氏

では作ると言うと、どこからどこまでかということになると思いますが図面を書き、切り出してもらい、組み立てるというものです。
木材を切る部分も検討しましたが作業場所や機械、技術など、とても難しいです。
作るメリットとしては、大きさ、形態を好きにできること、作る大変さを知ること、それによる愛着、そして話のネタになること、これくらいです。
品質では購入の方が確実。高いものよりは安いですが、安いものよりは高くつきますし、時間は購入する行為に比較にならないくらいかかっています

購入するとしたら

購入もかなり考えました。ただ、欲しいものとなるとアアルト、ハンスウェグナー、ボーエ・モーエンセン、ジョージ・ネルソン、スペース・コペンハーゲンあたり。
安くてアアルトの約12万円、その他はそれ以上…残念ながら予算オーバーです。
(ちなみに、家具にお金をかけたくない、すべて自分で作りたい、ということではありません。ダイニングテーブルやダイニングチェアは購入したのですが、これはまた紹介します。)

他では、デイベッドではありませんが無印良品でベッドフレームを代用することも可能です。これだとそれなりのものが比較的安く手に入ります。

調べていると、これを利用してボーエ・モーエンセンのデイベッド風にリメイクしているブログを発見しました。すごい!

購入したもの

もちろんマットやクッションは作れませんので購入しています。これもオーダーという手もありますが、今回は断念。

・マットレス
サイズはセミシングルサイズをベースとした800mmx2000mm(マットレスは195mm)。大体のデイベッドはこのサイズ前後です。

まずマットですが、異なる感触のマットを2枚重ねしました。
これは、ソファの断面を調べたときにあるソファの断面がこのようになっていたからです。ソファの断面は、Sバネの上にクッションが置かれているのがクラシックな作り方だと思いますが、これはかなり技術がいりそうなので、置くだけでクッション性があるものを選びました。

私は楽天でポケットコイルマットレス厚み11cm(8,480円)と高反発マットレス厚み4cm(5,490円)を選びました。

・クッション
これは無印良品で購入しました。ちょうど価格見直しで安くなっていました。カバーも無印良品です。

フレーム

設計は、いつものように手書きで考えて、3Dソフトのスケッチアップで確認、再検討しました。

デイベッド

カットはEMARFというサービスを使いました。

他にも例えば集成材や無垢材を加工してくれるマルトクショップというものがあります。

マルトクショップでも以前DIYの棚板をオーダーしたことがありますが、図面を用意するとその通りにカットしてくれ、見積もりもスムーズに対応していただけました。材料も豊富で、HPもとても分かりやすく直感的で便利です。
こちらでも良かったのですが、今回はEMARFを試したいという考えもありました。

EMARF

EMARFは、早く、安く、デザイン自在に、と掲げています。ただ業者に頼むよりは経費などの分が安いかもしれませんが、「お~安い!」というほどの印象はありませんでした。

最近は材料費も上がっていて、また設計内容にも原因はありますが、加工費が価格を上げている印象です。

加工費は、時間に比例するシステムです。時間がかかるように設計すると加工費が高くなり、同じく時間比例の仕上費(バリ取り、サンダーがけ)も高くなります。そして最後にシステム使用料が材料と加工費の合計に25%かかるため、全体が高く感じました。さらに10%の消費税と、送料が乗ってきます。

時間がかかった理由として、ポケット加工があります。ポケット加工は、穴あけでは無く、凹状に厚みを残します。細い刃物でその面積をすべて削るので、時間がかかるのです。穴あけだと、カットする周囲だけ切るので、時間が圧倒的に短く済みます。

デイベッド3

ただポケット加工のほうが完成時に穴が見えず綺麗なので、今回は綺麗さを優先しました。場所や用途によってのケースバイケースだと思います。

材料

素材は部屋のイメージ的にシナ合板よりはラワン合板が良いと思っていたので、ラワン合板で進めることにしました。コストも多少は要因です。ちなみに塗料はオスモのエクストラクリアを買っていたので、それで塗ります。

あとラワンで難しいのは小口です。難しいというか、やはりラフな素材なので、ささくれが出ます。そこで小口テープで触りそうなところをふさいでいきました。小口テープもちょっと嫌でしたが、やむを得ないところでした。

厚み

最終的に24mmにしましたが、まず15mmで進めていました。

15mmだと、それなりに強くても、やはり不安なので2枚重ねにして強度を確保しようとしていました。下のようにすることでポケット加工も減らせると考えました。

デイベッド2-2
15mmを2枚使ったデザイン案

ただこうすると部品の数が増え、3x6の1枚では収まらず、2枚かつ、部材が多いので、加工時間も多くなり、5万円を超える見積もりになってしまいました。

そこで24mmで検討し、材料費は高くなりますが、部品は減らせえるので、4万円に抑えることができました。

組み立て

ポケット加工した部分にはめ込む形で設計しました。下の図の緑で塗った部分が凹になり、ちょっと凸状になった部分を差し込む形です。

緑で塗った面の部分はポケット加工です。

金物を使わなくても組み立てられる形ですが、補強は金物で結構しっかりしました。

失敗

冒頭の失敗とは何かという話を恥ずかしいのでさらっと。

上の完成写真でも分かるように、細い5本脚にしていたのですが、真ん中の脚が壊れてしまいました。

一番の原因は、減額のために4x8の合板では無く3x6の合板2枚にしたことで、それにより重要な桁材に継ぎ目が出来て、力が真ん中の脚に集まりました。金物で補強しても効果は少なかったようです。

4x8の合板は、まず材料が割高で、また長さが2mになると配送料が割高になってしまいます。大きな選択ミスでした。

補強はかなりしっかりした梁材(105x180x450)の切れ端を置いて、その上にフレームを置いているのでかなり安心感があります。

感想

実際に自分で作ってみて、考えているときや作っているときはわくわくしました。やはり考えたものが形になるのは楽しいです。
失敗がありましたが、失敗は成功の母ということで、自宅なので良いでしょう。
価格は購入したマットやクッション、金物も合わせると6万円前後。ちょっと当初考えていた予算感よりは高い印象ですが、その分くつろぎ具合はとても良いです。

それではまた!

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