〔投げ銭〕唐池恒二『感動経営』に学ぶ感動教育

近年、学校教育の現場は、部活動問題・長時間労働問題・いじめ問題等、教育環境・労働環境の面で、負の側面ばかりが着目され、社畜の様相を示している

 公立学校の教員が過労死LINEに達しているのは、小学校で3割、中学校で6割と、文部科学省の調査で明らかになっている。

 働き方改革が進むなか、教員という職業が魅力的なものでなくなれば、人材不足になることが予想される。すなわち、人材不足により、指導力の質の低下により、国家全体の教育力の低下を招く恐れがある。

 その一方、大学入試改革で学力重視の一般入試から人物重視をAO・推薦入試へ、入試制度の中心が意向すること、ならびに、1980年代以降に私立大学が新設されたことによる大学進学率の増加、少子化による大学全入時代突入によって、大学生の学力が低下している傾向がある。

 ただし、一度考えてみたいことがある。高等学校、特に普通科のすべてが、東京大学などの偏差値上位校をさせる必要があるのだろうか。

大学のすべてが、大学院をもち、研究業績をあげたり、卒業生を上場企業に進学させたりする必要があるのだろうか。

 生徒達の目線で考えてみたい。
 4月に高校に入学していてきた生徒たちが、何を考えているか。
 進学校であり、教育困難校であれ、生徒たちが共通して考えていることは、何だろうか。
 それは、学生生活を充実したいということだ。
では、学生生活をどのように充実をしたいと思っているだろうか。自分が学生時代の頃のことを思い出してみる。
 学業、部活、プライベートを充実させること、どれが一番だったのだろうか。
そして、クラスメイトたちは、どれを一番重視していたのだろうか。

勉強ができない生徒、勉強をせずに遊びに専念する生徒たちに、「こんなことができなくて、就職したときに、社会に通用しない」と叱った経験のある先生は多いのではないだろうか。
 世間から見えると、教員は生涯学校の中で生活をしているので、社会のことは知らないと考える人もいる。

セールスマンの方は、名刺を顧客や取引先に対して渡すことがある。しかし、教員の場合はどうだろうか。教員間の研修でも、保護者との面談でも名刺交換をすることは、ほとんどないように思う。
 ただし、大学教員の場合は、研究発表などで企業の協力をえたり、他の大学に勤務する教員とやりとりをしたりするために、名刺交換をしたりすることがある。
 以上のように、教員の世界とビジネスの世界では、マナーが違うこともあある。

このようなことを言いましたが、ビジネスマナーではなく、本当に理解しておりてほしいがあります。それは、学校の強化活動の中で得た知識のすべてを、就職後の仕事ですべて使うというわけではないということだ。
 

それは教員の世界でも一緒だ。例えば、古典の知識を体育・理科で使うかを考えてみてほしい。

数学で和算の知識を使うか考えてみてほしい。

それだけを考えてみれば、高等学校における知識は、過剰な知識を身につけさせているといえるかもしれない。

さて、JR九州会長唐池恒二氏の著書『感動経営』を読んで、学校経営に役立つと思った箇所を取り上げてみたい。

まず、『感動経営』108頁
「変化をと厭わず、意志と勇気をもって進化に挑み、改革に取り組む企業に老衰はない。」である。

学校という場は、従来の慣例に従いがちであり、なかなか改善をすることが難しいことがある。

しかし、時代の変化が加速するなか、学校もその時代の変化についていかなくれはいけない。

たとえば、SNSの使用を一方的に禁止するのではなく、正しい使い方・トラブルに置きやすい事例などを指導している必要もある。

また、教員間の議論の場としてもSNSは大いに活用されるべきであると思う。

その反面、教師の地位を貶めるための道具として悪用される場合もあり、リスク対策も必要である。

ただ、リスクから逃げるための非行動ではなく、リスクに対応できる行動を行うことが今後求められると考える。

次に、『感動経営』127頁
逆境のときこその「整理・整頓・清掃」10の効用

1 職場がきれいになり心地よい気持ちになれる
3 設備や機械が長持ちする
4 ものを大切にする気持ちが生まれる
9 いろいろなことに気づくようになる

自分の教室や職員室を思い出して、経済番組に取り上げられる会社のデスクと比べてみましょう。パソコンと数冊のファイルだけある企業に対して、回収したノート・ワークブックに、職員会議の資料・教材研究の図書などで、デスクの半分が占拠されている。または、デスクからあふれかえっている。

テレビ東京の経済番組で取り上げられる企業のオフィスの様子を見るたびに、なぜあの企業はパソコンだけをデスクに置いて仕事ができるのか。なぜ座席が決められていないのかと、疑問に思ってしまう自分がいる。

三つ目は『感動経営』219頁
「相手の話は最後までしっかり聞き、相づち、復唱をしっかりしよう。」である。

生徒指導だけでなく、生徒の応対をするとき、生徒の話を途中で打ち切っていることはないだろうか。途中で打ち切ってしまうと、相手の自己肯定をそいでしまう。

自分たちも、話をさえぎられると嫌な思いになってしまう。

年齢に関係なく、人間としてされると嫌なことはしないようにと、心がけることも大切なのだと、改めて思う。

4つ目は、『感動経営』240頁
「ビックデータよりも自分の経験から導かれた考えと、すぐ近くの信頼できる少数の意見を大切にする」である。

たまに、世間一般の認識と目の前の現実は異なる場合がある。

最後は、『感動経営』330頁の以下の文である。
1、感動するひと
2、つねに楽しそうな表情を浮かべるひと
3、私のつまらないジョークに笑ってくれるひと
4、私につまらないジョークをを話してくれる人
5、声の大きなひと
6、挨拶ができるひと
7、ひとや物事のいいところを発見できるひと
8、すぐに行動するひと
9、お酒は飲まなくても夜遅くまでつき合ってくれるひと
10、おいしそうに食べるひと

明るくつきあえることが、一番大切だ。(終わり)

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