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【甦る赤き翼】レッドウイングブーツとの10年以上の付き合い。

「なんじゃこりゃぁぁッ!!?カビまくってるじゃんッ!!?」

昨日のボクは、ガチの冬が近づいているということで、アウトドア用具や遊び道具の整理整頓をしていた。
そんな時に「冬だしブーツでも出すか!」と思い立った。

夏の時期は暑いし、海にもよく行くので、もっぱらサンダルなのだ。
なので夏の期間はブーツは靴箱の中に封印されている。

ということで、「カビだらけになったブーツ」と久々に対面したのであった。

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①10年以上の付き合いになる赤き翼。

ボクとこのブーツとの出会いは10年以上前になる。

高校時代にバイトをしていたボクは、靴を買うのにハマっていた。
といっても、そこまでお金に余裕があるわけではないので、シンプルでいつまでも履ける靴を求めていた。

当時の流行りも相まって、いわゆる「定番」と呼ばれるものばかり履いていた。
ナイキのAIRFORCE1、アディダスのスーパースター、コンバースのオールスター、ティンバーランドのイエローブーツなどなど。

そして、最後に辿り着いたのが「レッドウイングブーツ」だった。

まず、田舎では取り扱いがほとんどなかったので、見かけることが全く無かった。
「レッドウイング」という存在すら知らなかったのだ。

だが、ある靴屋でたまたま店内を散策している時に出会った。
その時の衝撃は未だに鮮明に思い出せる。

「なんじゃこりゃぁぁッ!!?こんなブーツを見たことないッ!!」

レッドウイングに初めて出会ったボクはひたすらに「美しい」と感じた。

「可愛さもありつつカッコいい」という相反する要素をもったビジュアルの美しさに面食らってしまった。

そこからボクはせっせとお金を貯めて、このブーツを買うことにした。
しかし、金額を見て驚いた。
当時で確か3万〜4万ぐらいした。
これまで買った靴は高くても1万円台だったのに、その3倍もするというのだ。

だが、これを買ったら、靴を取っ替え引っ替え買うことが無くなるだろうと思った。
このレッドウイングさえあれば、消耗する普段使いの靴以外は要らないとも思えたのだ。

そして、そこから10年以上の付き合いになる。

その期間には、人も物もたくさんの出会いがあり別れがあったものだ。

それでもレッドウイングブーツだけは、どうしても離れることが無かった。
「物」としての付き合いはおそらく最長になるのではないだろうか。

それだけ大切に扱ってきたつもりだった。
だが、そのレッドウイングブーツが、まさかのカビまみれだったのだ。

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②靴箱の奥でカビまみれとなった赤き翼。

「やっちまったーッ!!!」とあらためて思った。

パンデミックの影響で、ここ1〜2年はアウトドアを中心に遊んでいた。
人や荷物を乗せることがあるので、頻繁に荷物の出し入れがあったのだ。
そのときにレッドウイングを手入れせずに、大慌てで靴箱の奥に突っ込んでしまった。

そのせいで10年ものブーツがカビだらけとなってしまった。

荷物整理も放り出して、大急ぎでレッドウイングの手入れをすることにした。
プチミニマリストを目指しているボクだが、こんなこともあろうと最低限の手入れ道具は持っているのだ。

まず最初にキッチンペーパーでカビを拭き取り、靴ブラシで埃や汚れを掃いていった。
意外とすぐにカビ自体は拭き取れたので少し安心した。
そこから、靴用の泡クリーナーでゴシゴシと擦り、タオルで拭き取っていく。
最後にミンクオイルというものをスポンジに擦り付けて、オイルを染み込ませていった

どうせならと、ついでにソール部分にヤスリをかけて汚れを削った。
久しぶりに購入当時の白っぽい色味に近づいたので嬉しかった。

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さらに、10年も使っているとソールの底がツルッツルになってしまったので、彫刻刀で削ってみることにした。
本当はソールを張り替えた方が良いのだが、どうせなら自分でカスタマイズして遊び切った後に張り替えようと思った。

③長年の付き合いでも知らない一面があった赤き翼。

数時間ぐらいかけてメンテナンスをしたおかげで、いい感じに仕上げることができた。
実際に仕上がったものがこちらだ。

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やはり、オイル塗りたてのブーツは艶が出ていて綺麗だ。
少し柔らかさも出ているので、履きやすくなっていることだろう。

しかし、問題があった。
ソールの底を彫刻刀で削ったのだが、とんでもなく不恰好になってしまった。

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まぁ、いつかソールごと張り替えるので問題は無い。
ただ、ソールの素材が不思議な性質を持っていたため、非常に削りにくかったのだ。
触ってみると少し硬い印象があるが、削ってみると弾力性が高く、とても柔らかかった。

よくよく考えると、着地の衝撃を吸収する構造になっているのだろうが、スニーカーとは違う形状で作られているのがとても興味深かった。
10年の付き合いになるが、ソールがこんな性質を持っているとは全く知らなかった。

物との付き合い方も、人との付き合いも、なんだかんだで似ているのかもしれない。

どんなに長く付き合っていても向き合う部分が違えば、知らない一面が見えてくるものだ。
ここ最近のボクは「プチDIY精神」があるからこそ、いつもとは違う側面からブーツと向き合うことになった。
そのおかげで、新たな側面を知るキッカケになった。

なんとなく、それが嬉しい。
おそらく、「ソールを彫刻刀で削ってまで履こうとする人」はなかなか居ないだろう。
とてつもなく不恰好になってしまったが、こんな不恰好なソールを持つレッドウイングは世界に一つしか存在しない。

これからの10年も履き続けたいとあらためて思う。

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今日はそんなことを考えたこの頃だった。

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