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プロフェッショナルの流儀とは〜自転車屋さん編〜

はい、ちょっと身近なところで気づきがあったのでお話ししたいと思います。

うちは電動自転車を使っています。子育て家庭にとっての必需品ですね。

もはや電動自転車がないと生活が成り立ちません。田舎で自動車がないと生活できないのと同じレベルであると言っても過言ではありません(←過言?)。

さて、そんな重要なライフラインである電動自転車。電動自転車に何かあった日にゃ、保育園の送りや習い事への送りなど生活のタイムスケジュールが破綻することうけあいです。

そんな先日、しにゃ家を揺るがす事件が起こりました。

いつものようにマンションの駐輪場から自転車を出し、子供を前座席に乗せて出発!しかけたところ、、、

「カチカチカチカチカチ」

とハンドルが奇妙な音色を奏で始めるではありませんか。

はい、いわゆるハンドルロックというやつです。

スタンドを立てている時、前輪が左右に動かないようにハンドルにロックがかかるというアレです。ただ、このアレはスタンドを立てていない時 = 普通に走っている時には解除され、ロックされないはず・・・。

そう、常にハンドルロックがかかっている状態に陥ってしまい、曲がりにくいことこの上ないです。真っ直ぐ走るだけなら大丈夫かと思いきや、意外と左右にハンドルがぶれてバランスとっているものなのですね。とにかく雪道を自転車走行中に轍でハンドルをとられるくらい走りにくいです(←雪国育ち)。

というわけで「こりゃあかん!」と自転車屋さんが開いた時間に駆け込みました。

本当であればいつも行きつけの自転車があるのですが、なんとこの日に限って定休日。。。仕方なくいつもとは違う近所の自転車屋へ。

そこでみてもらったところ・・・以下のようなことを言われてしまいました。

  • ワイヤーが切れてしまっているので、スタンドの動作がハンドルに伝わらない

  • うちの店にワイヤーの部品は置いていないため部品の取り寄せになるが、部品自体がないかもしれない

  • 修理には時間がかかる(部品の取り寄せも含め)

  • 子供用の前座席を外さないと修正できない(めんどい)

  • 買ったお店(全く別の大型自転車屋)に持って行ったとしても修理できるかわからない

なんてこった・・・。ただの風邪だと思って病院に行ったら余命宣告されたくらいの衝撃です。

購入したのは4年前くらい・・・まだ若いって!まだまだ頑張れるって!

さて、困ったぞということですっかり意気消沈してしまったのですが、希望がまだ残っています。

そう、行きつけの自転車屋さんです。

これまでも何度か不具合が発生する度に駆け込んでいましたが、いつもサクッと直してくれるばかりか軽微なものであればお代も不要という神の店です。店員のお兄さん、愛想はそれほど良いわけではないですが、確固たるスキルを持っておりとても信頼できるお兄さんです。

もうあのお兄さんに賭けるしかない・・・そして翌日お兄さんのもとへと向かいました。

で、軽く見てもらった結果、お兄さんの口から衝撃の発言が・・・!

「あ、ワイヤー交換必要ですね。15分くらいでできます」

「え?」

思わず耳を疑いました。いくら神の店とはいえ、さすがに神がかり過ぎでは?

とりあえず時間を潰すため一旦自転車屋さんを離れてフラフラしながら、「さっきは余裕で修理できるって感じだったけど、いざ確認してみたら、やっぱり難しそうですとか言われるのかな・・・」と心の中ではまだお兄さんのことを信じきれていない自分がいました。

で、10分後くらいに戻ると・・・

「え、なおってる・・・」

はい、神でした。お兄さんは特に何事もなかったかのように料金を告げ、お支払いして神の店を後にしました。

もう、最初の店とは店員さんのスキルレベルが違いすぎる・・・人間としての、生物としての格が違いすぎる・・・。五条悟とそこらへんの3級呪術師くらいの差がある・・・。

さて、なんでこんなことになるのだろうと考えてみました。同じ事象にも関わらず、捉え方が違いすぎます。

最初の自転車屋さんは、これまでも面倒くさそうな修理の依頼をなんやかんやで断り続けてきた結果、ワイヤーを交換した経験・実績もそれほどないため、必要以上に難しい作業であると認識してしまったのでしょうか。

「とりあえず少しでもリスクがある場合はまず一旦は難色を示す」って普段のビジネスの場でもありがちな話だなと感じました。まずは一旦難色を示しつつ相手の期待値を下げておいた上で落とし所を探って、「ここまでならできそうです」というパターンで接することが多いなと感じます。相手に余計な期待値を持たせないためは必要かもしれませんが、改めてどうなのかなと思った次第です。

一方で同じ仕事内容でも、初見から「全然大丈夫ですよ」と言ってくれる方がいたら、そっちの方にお任せしたくなりますよね。ただ、全く勝算もないのに「できます!」とハッタリで言ってしまい、後になって「やっぱり無理でした・・・」とデコミットしてしまうのは最悪のパターンです。

一度コミットしたからにはやり通すという責任も発生するため、なんとかなるように頑張ることを通じて人って成長するのかもなと感じました。

多少リスクがある状況において「なんとかできそう」とポジティブに捉えて反応を返すか、「これは難しそう」とネガティブに捉えて反応を返すか・・・

なかなか難しいところはありますが、適正な判断をするためにはやはり経験・スキルが必要であると感じました。鶏が先か卵が先かになってしまいますが、多少リスクがあってもポジティブに引き受けてみるということの積み重ねが経験・スキルの差として現れるということかなと思います。

今回の件で、「プロフェッショナルとは何か」ということを改めて考える良いきっかけとなりました。

さて、話は変わりますが、改めて「アンカリング効果」についても実感しました。

アンカリング効果(Anchoring Effect): 最初に与えられた数字(アンカー)を基準に考えることで、その後に提示された別の数字への認識が異なるという現象。心理学における認知バイアスの一つ。

今回は数字が基準でありませんでしたが、最初の自転車屋さんで「修理は難しい」と言われてしまったので自分の中で「これは修理するのは大変なレベルなんだ」という基準ができてしまいました。

大変さや難易度みたいなところについてもアンカリング効果は成り立つ!

普段意識せずに使っていた部分もありますが、改めて認識しました。

というわけで長くなってしまいましたが結論としては、「今後自転車の買い替え&子供の自転車の新規購入の際は神の店で購入する」です!笑

こういう細かい信頼を積み重ねていくことが顧客を獲得することにつながっていくということも、五条悟ばりの店員のお兄さんから学ばせていただきました!ありがとうございました!(敬礼)

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