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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2021年11月の記事一覧

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332: Grand Funk Railroad / We're An American Band

トッド・ラングレンは、ミュージシャンとしてのみならず、エンジニアやプロデューサーとしても活躍する、多彩なキャリアの持ち主です。 プロデュース作品も数多くありますが、ここではグランド・ファンク・レイルロードの代表曲であるこの曲を取りあげました。 1969年のデビュー当時はバリバリのハードロック(当時風に言えば「ヘヴィーロック」)バンドだった彼らですが、サウンドは徐々にポップ寄りになり、バンド名もグランド・ファンクに短縮します。 そして、プロデューサーにトッドを迎えた1973年のアルバム『アメリカン・バンド』はUS2位の大ヒットを記録。 シングルカットされたこのタイトル曲は、グループ初となるUSナンバー1を獲得し、まさにUSを代表する「アメリカン・バンド」となります。 この曲、ドラマーのドン・ブリューワーが歌っているのですが、ヴォーカルもさることながら、ドラムスで始まるイントロも実に印象的です。 練習スタジオに入った時にカウベルが置いてあると、思わずこのイントロを叩きたくなる気持ちは、ドラマー経験者ならご理解いただけるのではないでしょうか。

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331: Utopia / Everybody Else Is Wrong

昨日に続いて、ユートピアの『Deface The Music』からピックアップ。 ビートルズへの敬意を表した作品の多くは、初期のギター・バンド・サウンドをベースにしています。ユートピアの昨日の曲もそうでした。 しかし、そこは鬼才トッドですから、それだけでは終わりません。 ソロでも「レイン」や「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」をカヴァーしているように、多重録音満載の中期サウンドも、ちゃんとフォローしています。 アルバムのラストトラックのこの曲は、まさにそんな内容で、イントロから歌い出しの不穏なコード進行は「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」の世界観そのもの。 そこに、バンドサウンドが重なり、ストリングスの低音が入ってくると、今度は「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のカオスな世界を彷彿とさせてくれます。 彼ほどの知名度のあるミュージシャンで、ここまで遊び心に富んだ音楽をやれる人は、他にはなかなかいないでしょう。 まあ、何というか、「〇〇と紙一重の天才」といったところでしょうか。

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330: Utopia / I Just Want To Touch You

『ウィズ・ザ・ビートルズ』のジャケット・デザインをモチーフにしたアルバムは数多くあります。トッド・ラングレン師匠率いるユートピアの『Deface The Music』もそんな1枚です。 元々はプログレッシヴ・ロック・バンドとして1973年にスタートしたトッド・ラングレンズ・ユートピアですが、1976年にユートピアと改名(短縮)してからは、音楽性もよりポップな路線へと変わっていきました。 そして、1980年リリースの『Deface The Music』は、全編ビートルズのオマージュに溢れた作品となっています。 どこから聴いてもビートルズそっくりなのですが、かといって、何かの曲を丸々コピーしているわけではなく、全曲オリジナルというところが見事だと思います。 オープニングナンバーのこの曲(邦題は「抱きしめたいぜ」)では、MVまでもがその路線で製作されています。 これ、どこをどう見ても「エド・サリヴァン・ショー」のパクリですし、高音でシャウトするときの「首振り」まで「完コピ」しています。 成功を収めると守りに入ってしまい、攻めたことが出来なくなるミュージシャンも多い中、ここまで遊び心に溢れた作品を創れるトッドは、やはり天才だと思います。

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329: The Beatles / Not A Second Time

ロバート・パーマーは、自身でオリジナル曲も書きますが、半数かそれ以上、他人の書いた曲を取りあげて歌っています。「ヴォーカリストなのだから、作曲よりも歌で勝負」という思いもあったのかも知れません。 有名な曲を取りあげることが無いわけではありませんが、どちらかと言えば地味目な曲を好んでカヴァーしているようにも思います。 そんな彼がカヴァーしたビートルズ・ナンバーがこの曲。(ロバート・パーマーのヴァージョンは『クルーズ』収録) 1963年リリースの2ndアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』の収録曲ですが、知名度で言えば、決して高いとは言えないでしょう。 ただ、曲のクオリティと演奏、特にジョンのヴォーカルは、素晴らしいとしか言いようがありません。 間奏のピアノは、プロデューサーのジョージ・マーティンが弾いていますが、これも見事なまでに必要不可欠な要素になっています。これが普通にギターソロだったら、あまり印象に残っていないような気がします。 初めてまともなレコーディングをしてからわずか1年で、これだけの作品をアルバムの最後から2曲目にひっそりと収録しているあたりに、次元の違いを感じます。 あと、このアルバムジャケット、何回見たか分からないくらい見ましたが、いつ見てもインパクトがあります。 やっぱり、アルバムジャケットは大事だと、改めて思います。

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328: Robert Palmer : Every Kinda People

おととい、昨日と見ただけだと、「ロバート・パーマーって、何人もの美女をはべらかせてご満悦の、工口いMV作ってる人」と思われかねないので、本人の名誉のために、それ以前の曲を1曲。 この曲は、1978年リリースのアルバム『ダブル・ファン』収録曲。シングルカットされ、UKが53位ながら、USでは16位と、初のトップ20入りとなりました。 実力派ヴォーカリストと評価されながら、なかなかヒットに結びつかなかった彼にとっては、大きな第一歩となったことは間違いありません。 MVも、曲のタイトルに合わせたのか、色々な人が登場する内容ですが、後の路線とは違い、至って硬派な映像となっています。 しかし... MVでは姿を隠しているものの、アルバムのジャケットでは、プールに入りながら、プールサイドに脱ぎ捨てられた2組のビキニを見てニヤつくという、エ□親父ぶりを発揮しています。(ご興味のある方は、ググってみてください!) まあ、見方を変えると、「プレイボーイ路線を生涯貫き通した」と言えるのかも知れません。

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327: Robert Palmer / Simply Irresistible

サムネイルを見て、「あれ、昨日と同じ曲じゃ…?」と思った方。ほぼ正解ですが、いちおう別の曲です。 「恋におぼれて」でUSナンバー1を獲得したロバート・パーマーは、「ターン・ユー・オン (I Didn't Mean to Turn You On)」でも同じ路線のMVを作成し、こちらもUS2位(UK9位)を獲得します。 しかし、2位では満足できなかったのか、次作『Heavy Nova』からの1stシングルとなったこの曲のMVでは、ある作戦に出ます。 その作戦とは...後ろに並ぶ長身モデルの人数を増やし、バンド演奏の振りなどしなくても良い(ギターソロのみ)から、単純に露出を高めるという、何とも下世話なものでした。(注:あくまで私の想像によるフィクションです) うーん、曲のタイトルは「Simply Irresistible」ですが、これじゃ「Simply Eroticism」じゃないかと、ツッコミの1つも入れたくなります。 そして結果は...またしてもUS2位どまりでした(UK44位)。 まあ、それでも十分な大ヒットではありますが、モデルの人数が増えた分、ギャラも増えたでしょうから、費用対効果という面ではどうだったか、微妙なところです。

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326: Robert Palmer / Addicted To Love

『ライヴ・アット・ジ・アポロ』という名のライヴアルバムは何枚もあり、10代の頃に聴いたホール&オーツの作品とかは思い入れもありますが、ここでは2001年にリリースされた、ロバート・パーマーの作品をチョイス。 リリースは2001年ですが、実は1988年のライヴ録音された作品で、アルバムでいうと『HEAVY NOVA』リリース後という時期でした。 当然、同アルバムの収録曲が中心ではありますが、大ヒットした前作『リップタイド』からのシングル曲も多数収録されています。 ラストナンバーは、やはり『リップタイド』収録曲で、彼にとって唯一のUSナンバー1(UK5位)となったこの曲でした。 この曲が大ヒットした理由、それはズバリ、このMVでしょう。 みんな同じ顔に見えてしまうほど濃いメイクの長身モデル5人からなる「エア・バンド」をバックに従えて、ただ歌うだけという、安直極まりない内容ですが、一度見たら絶対に忘れないという意味では宣伝効果抜群で、最高の「プロモーション・ヴィデオ」でした。 この曲、ギターでアンディ・テイラーが参加していて、ベースは(プロデューサーでもある)バーナード・エドワーズ、ドラムがトニー・トンプソンなので、ほぼパワー・ステーションといえるメンバー(ジョン・テイラーが抜けただけ)でした。 しかし、まあ、長身のモデルが背後に並ぶと、スタイルの違い(特に顔のデカさ)が際立つので、出来ることなら、このシチュエーションは避けたいと思ってしまいます。

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325: James Brown / Night Train

スライ・ストーンと同じく、プリンスに大きな影響を与えたミュージシャンとして、ジェームス・ブラウンを外すわけにはいきません。 「ファンキー・プレジデント」や「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」等々、多くのニックネームがつけられた、ブラック・ミュージックにおける絶対的な存在です。 代表曲は非常に多いですが、初期のヒット曲であるこの曲を取りあげたいと思います。 スタジオ・ヴァージョンが1962年にシングルリリースされ、US35位(R&Bチャートは5位)を記録していますが、この曲といえば、やはりライヴ・ヴァージョンでしょう。 1963年にリリースされた『ライヴ・アット・ジ・アポロ』は、彼にとって初となるライヴ・アルバムでした。 それまで、R&Bチャートのみでの成功にとどまっていましたが、このアルバムがUS2位となったことで、その名が一気にUS全土に知れ渡り、その後の成功につながっていくこととなります。 この曲は、アルバムのラスト・ナンバーですが、客との掛け合いがあったりして、実にライヴ感あふれる演奏となっています。 ちなみに、この曲も12小節のブルース進行ですね。

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324: Prince / U Got The Look

ザ・レヴォリューションを解散したプリンスは、1987年、2枚組のソロアルバム『サイン・オブ・ザ・タイムス』をリリースします。 当時、私は高校生でしたが、とにかく、そのヴォリュームに圧倒されたことを覚えています。 バンドはすでに解散しているので、ベースとなるのは打ち込みなのですが、その無機質なビートの上に、決して多くはない音数を重ねただけで、あの多彩なサウンドを作り上げるのは、まさに天才の業だと感じました。 個人的には、このアルバムがプリンスの最高傑作だと思っています。 シーナ・イーストンとデュエットしたこの曲は、3rdシングルとしてカットされ、US2位/UK11位のヒットとなりました。また、シーラ・Eがパーカッションで参加しています。 アルバムの中では比較的ポップな部類ですが、コード進行は12小節で構成される典型的な「ブルース進行」となっています。 あと、このMV、曲のイントロがやたら長いですが、これは12‘’シングル・ヴァージョンのイントロを使用しているためです。 「12インチシングル」とか、今の若い人にとっては「何、それ?」なんでしょうね、きっと。

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323: Prince And The Revolution / Pop Life

尊敬するスライに倣い、自らのバンドを多様な人種・ジェンダーのメンバーで構成したプリンス。 プリンス&ザ・レヴォリューションとしてリリースしたアルバムは3枚ありますが、『パープル・レイン』と『パレード』はサウンドトラック・アルバムなので、厳密な意味でのオリジナル・アルバムは、1985年にリリースされた『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』のみということになります。 このアルバムは、サイケ色が強いトータル・アルバムということで、ビートルズの『サージェント・ペパーズ』から影響を受けたのでは、という声も、当時聞かれました。US1位/UK5位を記録しています。 アルバムからシングルカットされたこの曲(US7位/UK60位)は、まったりとしたテンポのナンバーですが、堅めの音色のスラップ・ベースが強烈なアクセントとなっています。 このあたりからも、スライから受けた影響の大きさをうかがい知ることが出来ます。

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322: Sly & The Family Stone / Everyday People

スライの代表曲はいろいろありますが、個人的に一番好きなのがこの曲です。 1968年にシングルリリースされ、翌年2月から3月にかけて4週連続でUSナンバー1を獲得する大ヒットとなりました(UKでは36位)。 1969年リリースのアルバム『スタンド!』にも収録されています。 音楽業界は、先進的なようでいて、実は相当に保守的な業界なのだろうと思うことがたびたびあります。 例えば、2003年にローリング・ストーン誌が掲載した『歴代最高のアルバム500』のトップ10は、白人男性のミュージシャンばかりで、黒人は唯一マーヴィン・ゲイが1枚入っているのみ、女性はゼロでした。ようやく2020年版になって、黒人が4枚、女性も2枚(+男女混成グループが2枚)ランクインします。 そんな中、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、50年以上も前の時点で、黒人/白人かつ男性/女性の混成グループだったわけで、今にして思えばすごいことだと思います。 あと、この曲、ずっとコードが同じで、これもポップ・ミュージックでは珍しいですが、単調に聴こえないのは、ラリー・グラハムの弾くベースが生み出す独特の「うねり」の賜物でしょう。 文句なく「名曲」と呼びたい1曲です。

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321: Sly & The Family Stone / Dance To The Music

さらにDanceつながりでもう1曲。 スライ&ザ・ファミリー・ストーンが1968年にリリースした同名アルバムからの1stシングルとなったこの曲、US8位/UK7位と、彼らにとって初のトップ10ヒットとなりました。 シンシア・ロビンソンの叫び声に始まり、アカペラのスキャットを経て、タイトルの連呼へとつながるオープニングは、いつ聴いても見事だと思います。 彼らの音楽は、ちょっとスローテンポでまったりとしたグルーヴを売りにした従来のソウルミュージックに、ロックバンドの痛快なビート感を持ち込み、さらにこの時代らしいサイケデリックな要素を随所に散りばめた、当時としてはかなり斬新なサウンドだったと思います。 それゆえに、黒人のみならず、白人のリスナーからも支持を集め、さらにマイルス・デイヴィスなどのジャズ・ミュージシャンからも賛辞を贈られるという、稀有な存在になりえたのだと思います。

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320: Whitney Houston / I Wanna Dance With Somebody (Who Loves Me)

Danceつながりで、80年代後期の大ヒット曲をピックアップ。 1987年にリリースされたホイットニー・ヒューストンの2ndアルバム『Whitney』からの最初のシングルとなったこの曲、当然のようにUS/UKともナンバー1を獲得しました。 前作『Whitney Houston』からのシングルはUS1位が3曲続いており、このアルバムからは4曲連続でUS1位となっているので、合わせて7曲連続ナンバー1と言うことになります。 この時期の彼女は、まさに無双状態でした。 昨日のビートルズは、ダンスの相手は「You」でしたが、ホイットニーの方は「Somebody」、しかも「(Who Loves Me)」の条件付き。 「私を愛してくれる誰か」なら来るもの拒まずという、実に欲張りさん。 あと、この曲、「すてきなSomebody」という、直訳でもなければ、あまり意訳にもなっていない、ちょっと微妙な邦題となっています。 ひょっとして、ビートルズの「すてきなダンス」を意識して付けたのでしょうか。

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319: The Beatles / I'm Happy Just To Dance With You

ジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを取ったレノン=マッカートニーのナンバーは、「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」以外に、もう1曲あります。 それが、1964年のアルバム『ハード・デイズ・ナイト』に収録されたこの曲。同名映画の中でも、ジョージが歌っていました。 この曲を聴くたびに思うのは、頑張って歌っているジョージには悪いと思いつつ、サビのコーラス「オォーッ、オォーッオ、オォーッオ、オォーゥ!」があまりにも決まり過ぎていて、ヴォーカルそっちのけで、コーラスばかり聴いてしまいます。 初期ビートルズの大傑作『ハード・デイズ・ナイト』は、全アルバム中で唯一、全曲がレノン=マッカートニーの作品で、かつリンゴのリード・ヴォーカル曲が無い作品でもあります。 ライヴ・ツアーと映画撮影で多忙な中、これだけの名作を作り上げたのは見事としか言いようがありません。 ちなみに、原題の『A Hard Day’s Night』に『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』という邦題を付けたのは、「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ~!」のフレーズで有名な映画評論家、水野晴郎だと言われています。 色々な邦題がありますが、ここまで原題とかけ離れているのも珍しいといえるでしょう。