見出し画像

ぽん太の東海道五十三次歩き旅(32)亀山宿→坂下宿

こんにちは。ぽん太です。今日は、亀山宿・関宿を訪れます。有松も見事ですが、町ぐるみで伝統的な建造物を使用しながら保存しているのは東海道随一じゃないでしょうか。


旅日記

 関宿から鈴鹿峠を越えて水口宿までの区間(約26km)は宿がなく、どうするか思案したが、結局、坂下宿まで行ってバスで戻ってくることとし、亀山に連泊することとした(注)。ただ坂下から関までのバスが1日4本のみで、13:03発の後が16:05までないので、13:03発のバスに間に合うよう、逆算して宿を出発。

伊勢坂下からの三重交通バスの時刻表

(注)国道1号線の鈴鹿峠の手前に「バーベキュー鈴鹿峠」というお店が あり、そこは宿泊もやっているということが後でわかったが、残念ながら水曜定休だった。

 2023年9月27日。7:20に宿を出発。亀山は伊勢亀山城の城下町であるが、天守閣は残っておらず、多聞櫓が残るばかりである。江戸初期に、丹波亀山城の天守の解体を命じられたのを、誤って伊勢亀山城の天守が取り壊されたという大呆けな話が残っているそうだが、真偽のほどは定かではないようだ。

 亀山城近辺には、多くの古民家が残されており、街道ウォーカーとしては、楽しい。
 また、野村一里塚のムクの木は樹齢400年のようで、江戸時代のものが残されている立派な一里塚だ。

東海道46番目の亀山宿に入る
古民家が多く見られる
こちらは骨董カフェ
亀山城多門櫓
江戸時代から残されている野村一里塚

 亀山を抜けると、桜並木が続く大岡時畷だ。桜の時期は素晴らしいのだろうな。そして東名阪自動車道路の高架下にさしかかると、広重の東海道五十三次の壁画が出現。今までの旅路を思い起こし、あと残すところ数宿しかないことに少し寂しさを覚える。

桜並木がまっすぐに伸びる大岡時畷
鈴鹿山脈も近づいてきた
広重の浮世絵の壁画
53宿のうち、残すは後7次

 9時、関宿の東の追分に入る。関はかつて関所(鈴鹿関)が置かれていた。東の追分は伊勢別街道、西の追分は奈良へ通じる大和街道との分岐点でもあり、古代から交通の要衝であった。江戸時代には宿場町として栄え、東西の追分約2kmにわたり、歴史的建造物が保存されている。まるで江戸時代にタイムスリップしたような感覚だ。銀行やお店まで調和を保っているのがすごいところだ。ここまで町ぐるみで保存しているところは有松以外に東海道にはなく、中山道の妻籠宿・奈良井宿くらいしかないのではないだろうか。

関宿東の追分。左は伊勢神宮一の鳥居をくぐり伊勢別街道へ
約2kmにわたって続く歴史的な古民家
各家にはこのプレートがある
右の建物は銀行(百五銀行)
こちらは電気屋さん(松井電気)
こちらは薬局(ナガオ薬局)
こちらは足袋屋さん(東亜足袋)

 10:30西の追分を過ぎると、国道1号線に合流。鈴鹿峠に向けて登りが始まる。広重の絵に出てくる筆捨山のふもとの藤の茶屋跡を過ぎ、旧道に入る。今日は蒸し暑く、また夏に戻ったようで汗をかきながら登っていく。川のせせらぎに少しばかり暑さが和らぐ。

関宿西の追分。奈良へ通じる大和街道との分岐
東京から427km
1号線と分かれ、鈴鹿峠への旧道に入る
らくだの背中のような三子山

 少し行くと、東海道53次の宿場の標柱が出てくる。なかなか粋な計らいだ。また、右手にレトロな小学校のような校舎が見えてくる。旧坂下尋常高等小学校で、今は鈴鹿峠自然の家として活用されているようだが、今日はやっていないみたいだ。ミニ天文台もあり、夜は星がきれいなのだろうな。ここで、お弁当タイム(11:40-12:30)。ボーッとできる場所だ。
 そして坂下宿にはバスの時間ギリギリ13時前に到着。アブナイアブナイ。
 坂下宿は、鈴鹿峠のふもとにあったことからその名がついた。かつては鈴鹿峠の登り口の片山神社近くにあったのだが、洪水のため埋没し、今の場所に移されたようだ。このように自然災害で宿場移転を余儀なくされたのは、静岡の吉原宿・白須賀宿など数々みてきたものだ。

日本橋から1本ずつ立っている東海道五十三次標柱
小学校の跡地を利用した鈴鹿自然の家
こじんまりした坂下宿
松尾本陣跡

 無事13:03のバスで関宿まで戻り、少し散策した後、亀山まで戻る。

1日4本の三重交通バスで関へ戻る
前田屋の志ら玉氷(関宿)
JR関駅
秋を感じさせる駅構内のアート作品
今夜はひつまぶし定食(またサガミ亀山店にて)

記録

  • 総歩数:28,449歩

  • 実際に歩いた距離:17.1km

  • 訪れた宿場:関宿・坂下宿

  • 宿泊:Tabist亀山第一ホテル

本日の行程

亀山から坂下までのルート

広重の絵

関宿

「関宿 本陣早立」  
本陣をまだ暗いうちに早立ちする大名行列の一行が準備に追われている様子が描かれている。

坂下

「阪之下 筆捨嶺」

 関から阪之下宿に向かう途中の藤の茶屋から筆捨山を展望する様子が描かれている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?