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引用されている論文には注意が必要な理由とは?

坐骨神経痛の原因と対策のコピーのコピー (1)

こんにちは。

日本で唯一の運動・栄養・休養による「正しい身体管理」の総合的な知識と考え方の本質が学べる、

日本身体管理学協会事務局の新美です。

本日は「引用論文には注意が必要!」

についてお伝えしていきます。

現在現場で活躍されているトレーナー、インストラクター、治療家の皆さまの

日頃の指導におけるヒントやアイディアの参考になればと思いますので、

本日も宜しくお願い致します。

医学の分野だけでなく、

スポーツ医科学や健康科学の分野でも

今やEBM(Evidence Base Medicine)という言葉は当たり前のように使われるようになり、これが前提となります。

元々この言葉自体は「科学的根拠に基づく医療」という意味ですが、

「科学的根拠に基づく〜」という意味で活用されています。

ただその反面、

この科学的根拠というものが非常に厄介で、

これを担保するものとして強力な印籠となってしまっているものがあります。

それが「論文」です。

もはや、一般の人向けに出版された健康本においても

その最後の数ページには「引用論文一覧」というページが割かれていて

そこには「なんともお堅い感じ」で論文が羅列されています。

それぞれの論文の内容はよく分からなくても

この引用論文の数を見れば、

なんとなく「ちゃんと書かれた本なんだな」感は出ます。

ただ、逆に言えば、その心理を利用することによって

その本の権威性を高めることを意図している場合も少なくはないかと思います。

また、本文中に「〇〇大学の研究によると〜」と書かれた文章の横に

引用論文の註釈が入っていれば、

私たちはそれが「正しいこと」だと思ってしまいます。

しかもそれが俗説とは真逆のことが書かれていれば、

「えっ!本当はそうだったの!?」

っと人は感じてしまうものです。

もちろんそれが、自分の守備範囲ではない、全くの素人の分野であれば

「仕方ないよね」

で許されることもあるかと思いますが、

それがもし自分の専門分野である「身体のこと」や「健康のこと」についてであれば、

それでは済まされません。

当然、専門家として、正しく情報を精査する必要があります。

特に引用されている論文を改めて確認してみると

「まったく結論が違う」ということも残念ながら少なからずあります。

例えば、「牛乳を飲むと骨が脆くなる」という主張をされる方が

必ずと言って良いほど引用する有名な論文が一つあります。

主張としては、

「78,000人の女性を対象とした12年間のハーバード大学の研究では、牛乳を1日に2杯以上飲む人は、1杯以下の人に比べて大腿骨骨折のリスクが1.45倍であると書かれている」

というものです。

ただ、実際にその論文を見てみると

「牛乳またはカルシウムの多い食物が、股関節または前腕の骨折から保護するという仮説は支持できない。」

という結論であって、どこにも牛乳を飲んだ人の方が骨折のリスクが高くなることは言及されていません。

それはあくまでも、研究結果の中に

「牛乳を1日に2杯以上飲む人は、1杯以下の人に比べて大腿骨骨折が1.45倍であった」

という文言があっただけで、これは本来の論文の意図における結論ではありません。

なぜなら、牛乳を飲んだ人が骨折が多いのか?、もしくは牛乳をよく飲むような人は骨折をするような他の要因を持っているのか?

これについては明らかになっていないからです。

そもそもこの研究は前向きコホート研究ですので、

この論文を根拠に「牛乳を飲む=骨に悪い」という見解は、

残念ながら、自分の主張を強化するための論文の悪用と言われてしまうかもしれません。

「ハーバードの研究」

「12年間に及ぶ追跡」

「78,000人を対象とした大規模な」

と言われると、信じてしまいたくなるのが人間です。

ただ、ちょっと立ち止まって、

ちょっと調べるだけで今の時代さまざまなことが分かります。

ぜひ、本日の内容も何かの参考になれば嬉しいです。

坐骨神経痛の原因と対策のコピーのコピー (1)

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