どう伝えれば小学校の内容から学び直す気になるか?

小学校算数をイチからやり直したほうがよい、ということを書いたら、「小学校からやり直せ、って言ったら、プライドが傷つき、結局やらないのでは?」「どう伝えればいいのだろう?」というご意見が複数。 確かに、伝え方大切。で、私はどう伝えていたかというと。
https://note.com/shinshinohara/n/n9f38fdb5d931
「小学校、中学校、高校の学習に抜け落ちがなければ旧帝大に合格できる。逆に言えば、旧帝大に入学する学力に達しないのは、どこかで抜け落ちがあるから。」
実際、かなりの点数を取る生徒でも、小学校や中学校の学習内容で欠落があることが多い(たぶん、ほとんど)。
高校で全教科80点以上をとっていても、なかなか平均90点以上に達しないのなら、小学校と中学校の内容を一度やり直したほうがよい。どこかで欠落があるか、アヤフヤなところがある。小学校の内容って侮りがたくって、ここがアヤフヤのままだと、成績が伸び切らない。
旧帝大に合格する学力がある生徒は、抜け落ちがない。小学校、中学校の内容をしっかり習得している。しかしそこまで成績が達しない生徒は、小学校か中学校の内容をきちんと習得できていない可能性が高い。これが高校になって学力が伸び切らない原因になっていることが多いように感じる。
私自身、特別な学習はやっていなくて、基本、教科書だけ。高校数学と高校英語は参考書が必要だけれど、それもあまり難解なのには手を出さず、基礎的なものを選び、何度も何度も繰り返し、抜け落ちがしないようにした。あとは受ける試験(共通試験と二次試験)の過去問くらい。
受験勉強用学習法一覧
https://note.com/shinshinohara/n/ne2c0f7373ebb
私の考えでは、小中高で習ったことの抜け落ちがない分、成績が上がり、抜け落ちが多い分、成績が伸びない。それだけのこと。高校受験は中学校の教科書以外から問題は出ない(少なくとも効率は)し、大学受験も高校で習った内容の組み合わせで答えられるもの以外、出てこない。
今年の共通テストは「考えさせる問題」が出てきたらしい。かなり成績の良い生徒でも解けない人続出で、かなり点数が悪かった様子。これはたぶん、見直しが入ることになると思う。誰も解けない問題出したって仕方ないし。
小学校の算数って本当に侮りがたい内容がたくさん含まれていて。濃度の計算とか面積・体積の求め方、速度の計算、比例とか。数学の基礎になる内容がつまっている。これが結構アヤフヤな人、多い。中学校の内容もそう。小中の内容をしっかり習得すれば、高校の内容も習得可能。
「旧帝大に合格するヤツは小学校中学校の内容もおろそかにしていない」のは事実なので、それを言えば、「あ、そんなに学力が高い人でもおろそかにしないのか」と子どももわかってくれると思う。
親御さんにも「小学校、中学校の内容、ナメてはいけません」と言っていた。「私も京大を受けるために、中学校の時に2回、高校に入って1回、小学校の内容をやり直しました。高校生の時は中学校の内容を複数回やり直し。それくらい、基礎が大切です」と言って了承してもらっていた。
「受験戦争」などというけれど、実は競争にも何にもなっていない。小中校で習ったことに抜け落ちがないように何度も何度も復習し、習得したかで学力は決まり、どこの大学に合格できるかも決まってくる。ただそれだけのこと。あんまり頭の良しあしも関係ないように思う。
頭が良すぎる子はむしろかえって、「抜け落ちをなくすなんていうくだらない作業を繰り返すのはまっぴらごめん」となっても不思議ではない。頭が悪いとはいえない。そうする気が起きるかどうか、という側面が結構ある。
「考えさせる問題」を入試に出すのなら、うまくいけば1時間くらいで終了できるような内容にして、でも試験時間を半日くらい与えてはどうか。知識の量を問う問題なら時間制限は意味あるけれど、考えさせるのが目的なら、十分時間を与えたほうが存分に考えられてよいように思う。
「考えさせる問題」が、今後、入試のスタンダードになるのかどうか、わからない。スタンダードになるならなるで、それはそれで興味深い。ただ、小学校、中学校で習う内容は、さすが「義務教育」だけあって、生活・仕事に直結する内容なので、抜け落ちがないようにした方が職業選びにも幅が広くなる。
高校受験は、「抜け落ち」チェックの試験が適当かもしれない。大学受験は、「考えさせる問題」でもよいかもしれない。今後、受験問題がどう改革されるか、見守る必要がある。

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