篠澤裕介

海ごみ、プロテイン危機、メンタルヘルスなどの課題解決や、深海探査や細胞制御といったフロ…

篠澤裕介

海ごみ、プロテイン危機、メンタルヘルスなどの課題解決や、深海探査や細胞制御といったフロンティアの創造を仕掛けるサイエンスブリッジマネージャー。2009年より株式会社リバネス。現在、創業開発事業部部長。

最近の記事

海は1つ - スピルハウス図法(Spilhaus World Ocean Map )

「7つの海」とよく言う。が、海底ではつながっていて、ひとつの海と見ることも"きっと"できる。と思っていた。海底地形図のための技術開発プロジェクトに携わったときにもそう思った。 そして調べてみると「スピルハウス図法(Spilhaus Projection)」で描かれた一枚の海図があった。Spilhaus World Ocean Mapは1942に考案され、その後いまではArcGISというブラウザで使われる地図情報に対応した形式にまで整備されている。 海図を眺めているだけでも、

    • 2022年読んだ本

      https://amzn.to/3jzK61K 「シンプルな戦略」とあるように、「顧客にとって、うれしいことかどうか Q 2  それは他の会社とは違うのか Q 3  自社は儲かるか」の3点を押さえろということを後押ししてくれる。 とはいえ、洞察力や打ち手の実装力に、ずば抜けたスキルと個性が必要なことも包み隠さない。ステップにして教えられるものと、そうでないものの境目を書き分けるセンスを盗みたくて読んだ https://amzn.to/3vxpOJe

      • 情熱や愛で生まれた「あったらいいよね」の事業アイデアを磨くのは、プロマネのセオリーに反するけど、それが勿体ない

        プロダクト開発のセオリー的には「あったほうがいいよね」は大体不要。 体験上、ほとんどの場合、担当者とは盛り上がれるが、お金は払われない。わざわざ上司を説得したり、購買や法務を説得する熱意までは生まれなかったりする。 だから、特に事業立ち上げ期は、サービスはシンプルであるべき。「なくてはならない」機能に絞って実装するのがオススメ。PMの腕はそれを見極めることと、強い気持ちで無限のアイデアをボツにすること。 このように発想するPMは非常に多くなっているのではないか。 捨てて

        • 「ウクライナの代理出産ビジネスが危機」との報道で複合的にショックを受けた

          背景を知りたくて、調べたことをまとめてみました。 まとめブログか!?というツッコミはさておき、未来の生殖医療やライフサイエンスのあり方に、いつか直交してくるので情報を整理しました。 いつ頃から? 2000年代初頭から。 2010年代中盤にインドとタイが外国人向けの商業的な代理出産を禁止してから受容が増加してきた。 お客さんは? 「代理出産というビジネス」によれば、以下のような説明がある。富裕層から低所得者層まで幅広い市場が形成されている模様だ。 規模感は? 公式統

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        • 2022年読んだ本

        • 情熱や愛で生まれた「あったらいいよね」の事業アイデアを磨くのは、プロマネのセオリーに反するけど、それが勿体ない

        • 「ウクライナの代理出産ビジネスが危機」との報道で複合的にショックを受けた

          海ごみ削減ビジネスで「収益を得る」

          1/ 海ごみ削減ビジネス準備から数えて3年間。200社以上と「海ごみ削減ビジネス」があり得るか?議論してきました。 殆どが「ムリだ」と身がすくみ、 「1円でも稼ぐ」ために何をするか答えを出せません 今日の登壇者は、逆境を跳ね返し、「海ごみ削減ビジネス」で持続的に稼ぎます 2/海ごみの監視 莫大な調査、清掃コストが費やされています。 しかし、限られた対症療法的な清掃になっています。本当はどれくらいやるべきなのか?行政府もわかりません。 株式会社天の技は、衛星観測や画像

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          ブレンド型学習(ブレンディッドラーニング)を社員研修で実践する

          リバネスでは、社員研修を内製しています。するとトレーナー役の人員が忙しい場合、研修向けに割ける時間とMP(関心リソース)の不足は、けっこうな問題になります。これまで社内で学べた成功体験とコツがあるからこそのトレーナー役ですが、それが発揮しづらい状況は本意ではありません。彼らは後進に可能な限り最高の教育を提供したいと思っていますが、なかなか自身の教える力を伸ばすような活動や時間がありません。 そこで、所謂「ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)」を実施していくつもりです。

          ブレンド型学習(ブレンディッドラーニング)を社員研修で実践する

          記事執筆のパフォーマンス評価

          書く力、めちゃくちゃ大事だと思いませんか。そして書く力への評価って退屈なもののままか、なおざりになっているのが普通じゃないでしょうか。 評価方法が変われば、人が成長するプロセスや指導方法も変わっていくと思っています。リバネスでは「話せる・書ける」というコミュニケーションを強化するために色んなことをしてますが、より良い執筆体験にするためにも評価方法がよくしたい。私は社員のライティング指導にここ10年くらいずっと関わっていますが、評価方法の見直しに興味が湧き、考えるところがあっ

          記事執筆のパフォーマンス評価

          考えるを考える(時間編)

          仕事柄、事業の課題やら、人の育成、組織の成長に「どういった理由で取り組むか」「どうやって取り組むか」「何から行動していくか」などはよく考えているし、振り返る機会が多かった。自分だけでなく会社全体で振り返るときに「自分ならどうするか」をよく考えた。 また、個人的にも年末年始によく振り返りをしている。振り返り方は最初はよくわからなかった。が、次第にいろんなやり方があるとわかってきた。 時間軸を長めに移動する年末年始の振り返りといえば、基本的なアプローチは次の2つだろう。 さか

          考えるを考える(時間編)

          2021年の振り返り

          回想もはや2022年に「これをやる」という宣言は1個か2個にとどめ、やらないことを決めておくほうが戦略的に成果になるなあ。 2020年末は、メンバーチェンジを伴うテックプランターのアップデートに気をもみ、投資先2社の重大トラブル、プロジェクトイッカクのピーク気味進行があり、2021年中にはそれぞれの進展があった。 2021年末は、リバネスユニバーシティーの仕込み(成功するアーキテクチャを埋め込む)、ミドルステージベンチャーの組織構築、オーガニック型ベンチャーの組織構築、大企業

          2021年の振り返り

          「他人事」「あいまい」「行動不可能」な課題を、深く捉え直すための講座シリーズはじめます

          2021年8月現在、株式会社リバネスで勤続12年、メチャクチャ熱量をかけて、テックプランターというディープテックベンチャーの生態系をつくる仕事をしております。会社設立、試作開発、研究戦略、知財戦略、ベンチャー投資、補助金活用、融資、M&Aなど諸々のベンチャーにありがちな経営イシューに総当り戦しています。また大手企業の制度設計、新規事業創出の仕事も伸びてきています。 こうした経験から「もやもやした新規事業アイデア」をハッキリさせ、自分ごととして、進められるようにするには、課題

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          研究ガイドライン(PRISMA,STARDなど)の案内帳(Equator network)

          リバネスにおいて、研究の研究的なことをしている篠澤です。「どうしたらこの研究がいい研究になるのか」をメタ的な視点で考えてます。 とりわけ、医療や介護では我流じゃなくて、世の中がそうなっています。エビデンスベースドメディシン(EBM)といって、臨床評価が重要視されていくなかで「いいエビデンス」についてのガイドラインが(諸々の議論をふまえて)作成されているという分野です。システマチックレビューでは、PRISMAが有名です。こういったチェックリストが日本語でも公開されています。

          研究ガイドライン(PRISMA,STARDなど)の案内帳(Equator network)

          ベスト・キッド,特攻野郎Aチーム,バック・トゥ・ザ・フューチャーの配信(Netflix,アマゾンPrimeビデオ,Youtube)

          リバネスでのおすすめ映画のリンク集です。新人研修のたびに話題になるのでまとめました。普通に80〜90年代ハリウッドの超名作ばかりですから誰にでもおすすめです。 が、リバネス内ではトレーニングの一貫として見ることを強くオススメしております。 集計は2021年5月頭時点。配信に入ったり外れたりすることもあるようです。 ベスト・キッドネットフリックスが充実しています(ベスト・キッド、ベスト・キッド2、、篠澤個人はスピンオフのコブラ会もおすすめする) Primeビデオ見放題な

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          「報・連・相」を止めて「蓄積・開示・分析・統合」にしようの話1

          リバネスの篠澤です。 研究の世界では、実験をしある程度データを出したら(あるいは出なかったら)、先輩とディスカッションして、次の方向性を模索するということが日常的に行われているかと思います。リバネスでは、これを「報連相」に変わるマネジメントだと位置づけて、「蓄積・開示・分析・統合」と呼んでおり、ビジネスでも重要だと考えています。 報連相には「命令・解説・援助」がセットリバネスは、元が学生ベンチャーであるからか、ビジネス界の常識に染まる前に研究の世界の常識に鍛えられた人が多

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          「未来を実装する」「サステイナブル・ビジネス」「悪者図鑑」

          この本の著者の馬田さんは、スタートアップ向けノウハウをスライドにまとめて発表しまくっていた方で、すっかり東京大学の起業支援プログラムFoundXのソートリーダ―であらせられる。ITスタートアップにはかつてほどのホワイトスペースがなく、今では非ITをITに持ち込むだけで巨大ビジネスにできるということは無いという前提に立ち、技術を受け入れるための補完的イノベーションが社会の仕組みや商慣習に起きていないと駄目だ、と論じている。「アウトプット→アウトカム→インパクト」の整理を行うロジ

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          マンションの宣伝かと思ったら、サウジの都市開発構想 THE LINEだった #whatistheline

          youtubeで広告を見ることになり、気になって調べてみました。なぜ琴線にふれたのかといえば、Fat boy slimのRight Here, right nowがBGMで使われていたことから。 最初はてっきりマンションの宣伝かと思ったら、全然ちがっていて、かなり野心的な都市開発構想と、リビングラボの宣伝だとわかりました。 要点はリリースの文言を借りれば次の3点 - 自動車も道路もなく、住民は自然を楽しみ、徒歩5分圏内で日常生活を送ることが可能に - 将来38万人もの

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          リバネス年始の会のファシリテーションを支える技術

          リバネスの全社ミーティングは月曜朝に開かれます。特に年始は全社員の抱負を発表する会を開きます。持ち時間は1分とされ、ガヤや少しのやり取りを加えて盛り上がる傾向にあります。 こうした全社会議のファシリテートは持ち回りで行い、特に年始の会はファシリテーション力がめちゃくちゃ問われるなと感じます。 抱負を話すのは、挙手順です。なんとなく序盤、中盤、最後の方など、めいめいが自分の発表順を推し量ったりしているなか、割とサクサク手が上がるので全体としては順調です。が、リズム感のある進

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