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レタスチャーハンの記憶

火の通ったレタスを初めて食べたのは、よく覚えているのだが、サークルの飲み会でいつも行く居酒屋だった。先代の幹事長のお気に入りだったという、昭和の香り色濃い大衆居酒屋で、誰かが頼んだレタスチャーハン。

卵と、なにがしかの肉と一緒に炒められていたレタスは、しゃきしゃきとしんなりを兼ね備え、それはそれは美味しかったのだった。

火の通ったレタスは、透き通ってきれいだ。
生のレタスをばりばり噛みちぎるのは、私にとっては多少骨が折れることだ。野菜を食べるためにレタスはほぼ常備しているのだが、いまはサラダ食べる元気ないなぁ、と思ってサボることもしばしば。
透き通ってくったりしたレタスなら、いつでも食べられそうな気がする。

いま、一週間ほど実家に遊びに来ている。母と自分の昼ごはんに、チャーハンを作った。昨日の冷しゃぶで残ったレタスがあったので、卵とベーコンと合わせて炒めた。

初めて作ったレタスチャーハンは、なかなかの出来だった。緑と黄色とピンクの色合いもかわいらしかった。

そこで、3年だか4年だか前の、大学時代の飲み会を思い出したのだった。

私は酒は不得意だし、大人数で騒ぐのも苦手だけれど、サークルの飲み会は好きだった。飲みたい人が好きに飲み、食べたい人は食べ、気心の知れた面々でだらだらと喋る空間が好きだった。

ここ数か月ほど、SNSで仲良くなった4人グループで頻繁に通話しているのだが、あの頃の気の抜けた心地よさを味わいたいのかもなぁ、と思ったりする。

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