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「天皇ってなんでいるの?」頑張ってアメリカ人に説明してみた

大晦日!!この記事が2022年の書き納めになると思います。
これを書くにはね、時間がかかったんですよ。。

皆さん、「天皇」についてどう思っていますか?(どうした急に笑)

生前退位や、小室さんの件などがあったので、ひと頃かなり注目度が高まりましたよね。

今年9月にはエリザベス女王が逝去したこともあって、国王とか天皇とか、いわゆる政治のトップではない国家元首ってどういうポジション?…とうっすらと思ったこともありましたが、日々の忙しさにかまけて、その疑問は小箱に入れてクローゼットの奥にしまい込んでいました。

そんな感じでボケッと過ごしてきたのですが。。。


ある日、アメリカ人に「天皇ってなんでまだいるの?」と聞かれた

いや、普通に暮らしててこんなことそうそうないと思うんですが、本当に突然に。

で、ハッとしちゃいました。

「いくら英語ができたって、日本のこと語れなきゃ、そりゃぁお前国際人とは呼ばねんだぜ」…って、高校生ぐらいの時に、発音がめちゃ下手くそな英語教師に偉そうに言われたことのを思い出しちゃったんです。

そもそも、どういう経緯で「アメリカ人」から「天皇ってなんでまだいるの?」って聞かれたかというとですね。

SpeakNowという、アメリカとかカナダの英語ネイティブが、自分のスピーキングを添削してくれるアプリがあって。

このアプリで、この間、何気なく日本在住アメリカ人のブロンド美女講師に

「日本の文化とか習慣で、これだけは受け入れがたいな、というものはありますか?」

と聞いたんです(その一節は、こちら👇の記事に載ってます)。

そしたら、こんな返事が帰ってきたんです。

・私にとって謎だから知りたいんだけど…「天皇」ってなんでまだいるの?
・(天皇制を維持するのに)お金かかってるみたいだけど、そんなにやることないのでは?昔のようには権力もないでしょう?

なんで?(質問をくれたLauren先生)

なんかこう、もっとライトな回答をどこかで想像してたので、ちょっと面食らいましたね。ガチ質問じゃん。心がザワザワするわ。

結構な難度っすね、これ〜。と思って即答できませんでした。
とりあえず、「あなたが思う以上に複雑な案件なんで、ちょっと勉強させてもらってからきちんと回答します」と情けない対応。少しキョトンとしてましたね、ネイティブさん。

さぁ、困った。
だって、断片的にしか知らないもの、天皇のこと。


恥ずかしいから、いろいろ勉強した

ネットをまさぐりました。

・そもそも天皇って何?
・天皇と皇帝と国王って何が違うの?どれが偉いの?
・天皇の歴史は?
・「象徴天皇」って何よ?


と気になることを片っ端から調べてインプット。

なんでしょう、年末だからでしょうか。この「宿題」、2023年に持ち越しちゃいけない気がしてお勉強モードを発動しちゃいましたね。

一番説明がわかりやすくまとまってて理解が進んだのが、次のYouTube動画2本でした。

この人、本当すごいわ。実際にはいろんな観点があるんでしょうけど、概略を理解するにはうってつけでした!

ボクと同じようにモヤッとしてた方、お正月にでも見てみてください。一般参賀もあり、ちょうど天皇に関心が向くいいタイミングでしょ?


ついにアメリカ人に説明してみた

インプットに数日かかっちゃいましたが、ついに自分の中でもある程度納得感のある「答え」に辿り付くことができました!

一部曲解してる部分がある気もしますが、こんな感じにまとめてみました。もちろん、アメリカ人に説明するんで、英語ですよ。でも、先に日本語を書いておきます。

天皇はその誕生以来、日本人の精神的支柱であると同時に、日本統一の象徴であり続けた。日本には古来よりいくつもの国があり、「日本国民とはこういうもの」という統一的な国民意識はなかった。だが、とくに明治以降、諸外国との国際関係において、国を一つにまとめる必要が高じ、天皇をトップとした統治国家、大日本帝国が生まれた。

1940年代、第二次世界大戦において、日本は、アメリカ、イギリス、ソ連で構成された連合国軍に完膚なきまでに叩き潰され、ついに無条件降伏を迫られることとなった。

日本国内では最後まで天皇制廃絶を受け入れ降伏するか、断固拒否して玉砕覚悟の本土決戦に臨むかで議論は真っ二つとなったが、最終的に御前会議にて多数決で、天皇制を残すことのみを条件としてポツダム宣言を受諾、終戦を宣言した。

一方、戦勝国アメリカは、連合国間で戦後日本の統治戦略を練っていた。日本では、「天皇あっての日本」との思想が根付いていることから、天皇制を廃止すると反米感情が高まり、日本がソ連についてしまうリスクがあった。

アメリカとソ連は大戦中こそ同じ側ではあったが、そもそもは犬猿の仲であり、日本がソ連側につくことは、アメリカの安全保障、とくにアジア太平洋戦略にとって絶対避けたい結末だった。

このような思惑により、アメリカは天皇の権力を大幅に制限して政治には関与しない「象徴」という地位にとどめて存続させ、日本をアメリカの従順な同盟国として存在させることに決めたのであった。

これを英語に訳すと、こんな感じ。
※DeepLで翻訳してから少し加筆修正したものです。

Since its birth, the emperor has been the spiritual pillar of the Japanese people and the symbol of Japanese unity. Since ancient times, Japan has been divided into a number of countries, and there has never been a unified national consciousness of what it means to be a Japanese citizen. 

However, especially after the Meiji period (1868-1912), the need to unify the nation in international relations with other countries increased, and a ruling nation, the Empire of Japan, was born with the Emperor at its head.

In the 1940s, during World War II, Japan was utterly crushed by the Allied forces of the U.S., the U.K., and the Soviet Union, and was finally forced to surrender unconditionally. 

In Japan, the debate was split down the middle between accepting the abolition of the emperor system and surrendering, or firmly rejecting the demand for abolition and resolutely fighting a decisive battle on the mainland.

Meanwhile, the United States, the victorious nation, was formulating a strategy for governing postwar Japan among the Allied nations. In Japan, the belief that "Japan is only as good as its emperor" was deeply rooted, and abolishing the emperor system would have increased anti-American sentiment and risked Japan falling in line with the Soviet Union. 

Although the U.S. and the Soviet Union had been on the same side during the war, they had always been bitter enemies, and Japan's joining the Soviet side was an outcome that the U.S. absolutely wanted to avoid for its national security, especially for its Asia-Pacific strategy. 

With this in mind, the U.S. decided to drastically limit the power of the Emperor, keeping him as a "symbol" who was not involved in politics and allowing Japan to exist as an obedient ally of the U.S.


アメリカ人のリアクションは…

どんな風に伝わるんだろう。。返事こなかったらどうしよう。。

ドギマギしながら返事を待ちました。

少し間がありましたが、来ました、来ました。
曰く…

<アメリカ人の感想>

ものすごくよくわかりました!
説明してくれたような経緯があって私は良かったと思います。
だって、日本がアメリカにブチギレていたら、現在の世の中は違ったものになっていたはずなので。

アメリカ人は、日本人は他国民に比べてなんと寛大
なのだろうと思っています。ほとんどの国は他国に対して過ちを犯した歴史があります。アメリカ人は黒人や先住民などと和解しようともがいていますが未だに解決できてはいません。それに対して、日本人は恨み辛みを抱えず、前に進もうとしているように見えます。

でも、私には本当のことはわかりません。今言ったのは、多くのアメリカ人の印象であり、見方ですので。

※「人の罪・非礼などに対して寛大な、寛容な」という意味のforgivingが使われていました

もちろん、辛酸をなめた日本の先人達が負けを受け入れ、過去を無かったことにしてあっけらかんと前進してきたわけはありません。どれだけの想いを腹に収め、歯を食いしばって戦後を歩んできたか、戦争を知らないボクには想像も及びません。

だからこそ、アメリカの世論(のポジティブなやつ)を示してくれつつ「本当のことはわかりません」というコメントは、日本びいきで東京に数年間住んでいる彼女の配慮というか、何事も一括りにはできないんだけど、という思慮深さを感じました。


終わりに

さて、あなただったら「天皇ってなんでまだいるの?」と聞かれたらなんと答えますか? どうか、感情的にならず、冷静に取り扱ってくださいね、この種の話題は。ボクらは戦争からも日本のことを学ばねばならんのです。

あ、もうあと2時間弱で新年だ…
ということで、2022年最後の記事はいかがでしたでしょうか?
中身はともかく、考えるきっかけになったよという方はスキしてくれると喜びます!

今年もたくさん記事を読んでくださりありがとうございました!
幸多き良い新年をお迎えください。


P.S.
天皇制について改めて学ぶきっかけを与えてくれたSpeakNow。ネイティブによる英語のスピーキング添削に興味ある方には超絶おすすめですの。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひチェックして見てください。


※タイトル画像の出典:政府インターネットテレビ

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