【仕事術】「管理」という言葉に警戒するワケ
昨日、投稿したnote「ゲーム開発における職務分掌のハナシ」で、こんなことを書きました。
この「管理」という言葉、使い勝手が良いんです。
使うだけで、なんとなくサマになっているように見えます。
中身が薄っぺらくても。
だから、「管理」という言葉を頻繁に使う人は、ちょっと警戒します。
仕事ができそうに見えて、できなかったりすることが多いので。
今日のnoteでは、この「管理」という言葉の捉え方について、もう少し説明をします。
かんり【管理】
組織を取りしきったり、施設をよい状態に維持したりすること。
(大辞林より)
辞書を引くと、このような意味が見つかります。
「管理」という言葉をこのように捉えるのなら、何の問題もありません。
でも、ぼくが抵抗を感じているのは、この意味ではありません。
どちらかというと、英語の「control」が意味する方です。
controlとは
〈人・組織などを〉統制する
指揮[監督]する,管理する,〈地域・市場などを〉支配する,思い通りに操る[動かす],〈機械などを〉自在に操作する,制御する
【goo辞書より】
管理に対する誤った捉え方
「人を管理すること=人を思い通りに動かすこと」
残念ながら、そう捉える管理者は、昔も今も数多く存在しています。
しかし、それは大きな間違いです。
他人を思い通りに動かすことなんて、できません。
思い通りにできる相手は、自分だけです。
思い通りに動かすという意味で他人をコントロールしようとする人は、そもそも、人間という存在への理解が不足しています。
別の言い方をすると、「人を人として扱っていない」。
相手にも、自らの意思があることを尊重していないからです。
だから、他人をコントロールしようとする人に、組織を束れることはできません。
無理に束ねようとしても、相手から抵抗を生むだけです。
その抵抗をねじ伏せようする行為が、「パワーハラスメント」や「マウンティング」へとつながっていきます。
管理者はスタッフをどう扱ったら良いのか
では、プロジェクトマネージャーといった組織を統率する立場の人が行う「管理」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
それは、今この場で何が起こっているのか明らかにすることです。
例えば、仕事が予定より遅れていたとします。
その時に相手に伝えることは、
1)今、これだけ仕事が遅れている、という「事実」。
2)その事実に対し、あなたには何ができるのかという「問いかけ」。
この2つです。
「1」で大事なのは、ジャッジをしないという点です。
相手の評価を下げてから、コントロールしようとする行為は、できない人間がするマウンティングそのもの。自分の方が立場が上だから言うことを聞け、ですから。サイテーです。
「2」で大事なのは、自分で考えるよう促す点です。
下手に助言を与えると、相手は考えることをせず、ただ言われた通りにやります。
で、上手くいかなかったら、あなたの助言が悪かった、で終わります。
反省することなく=最後まで考えることなく、ただ、悪い結果だけを残して。
サイアクです。
相手に問題を解決することができなかったら
その時は、自らの考えと行動で、周囲に助言を求めたら良いのです。
相手が考えも行動も起こす前に、助言を与えてしまうのが問題なのです。
また、助言を求められたからといって、素直に答え出す必要はありません。
もし、あなたが答えを出せるほど優秀であるなら、答えを複数用意して、相手に選ばせて下さい。
その選択肢には、間違ったものが含まれていても構いません。
ただし、取捨選択をするにはどのような方法があるのか、その方法論を教えてあげて下さい。
たとえ選択肢の1つとして答えが提示されていたとしても、より良い回答を選ぶという行為から、相手の成長や持続力のあるモチベーションにつなげられます。
集団でのモノづくりほど、問いかけることが大事
なぜなら、多くの知恵が集まりやすくなるからです。
一人の優秀な力を生かすのも結構ですが、集団だからこそ生まれる力、人と人との掛け算から生まれる想定外のアイデアを生かしてみてはいかかでしょうか。
せっかく、組織という集団で、事を成し遂げようとしているのですから。
【こちらもオススメ】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 気に入っていただけたら「スキ」やSNSでのシェアをお願いします。