キャラクター語り:ジル・ド・レ【小説:Tristan le Roux/赤髪のトリスタン】
アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の未邦訳小説「Tristan le Roux/赤髪のトリスタン」を底本にしています。
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神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー(Tristan le Roux/赤髪のトリスタン)
訳者あとがき:キャラクター語り
翻訳者だって「ひとりの読者」としてネタバレ感想書きたい!
そんな主旨で、好き勝手に語ります。
ここからは、各章の「登場人物紹介」ページの順番にならって、私が思ったことを書いていきます。
ジル・ド・レ伯爵(24歳)
ラヴァルの領主。
背が高く、生命力にあふれ、黒い瞳は鋭く、精力的な顔立ち。
青白い顔色、こけた頬、物憂げな雰囲気、クマに縁取られた暗い目。
暴力的な性格と並外れた体力を持て余し、肉体的な快楽と官能的な喜びを追求している。知的だが、善の中にある真実よりも悪の中にある奇異を求めている。
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ジル・ド・レについて:ネタバレあり
オリヴィエが光属性の伯爵(貴公子)だとしたら、ジル・ド・レは闇属性の伯爵。二人の共通点は「トリスタンの兄」であること。
城の内外の装飾、取り巻く人々も対照的ですよね。
トリスタンが闇堕ちする間接的・直接的な原因でもある……。
オリヴィエの聖性・善性はトリスタンの劣等感と憎しみを育み、ジルの魔性はトリスタンが踏みとどまっていた良心の一線を越える後押しをしてしまう。
トリスタンを闇堕ちさせたジルですが、ジャンヌと対面してあっさり「光堕ち」。
最終章で、ジャンヌの火刑が避けられなくなり、せめて安らかに死ねるように「毒」を精製しているとき、どんな気持ちだったのだろう。
ちなみに、史実通りならジル・ド・レはオリヴィエと同じ年齢のはず。
1405年生まれだから、オルレアン包囲戦当時は24歳です。
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小説後半について
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【URL:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー】
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