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影のなかで美しく

影の長い季節になった
日は空に低く
光の足が長いせいか
窓のそと
葉の落ちた樹木の枝が
いっそうひょろりと
繊細な影を伸ばしている

秋の終わりの光は透明だ
せいいっぱい生きた
すべてのものを
しずかに清め
いたわって
その影に
命の輝きを映し出す

人生にも季節がある
光あふれるときがあれば
影のなかを歩む日々も

人がほんとうに輝くのは
影のなかにいるときかもしれない
悩んで 泣いて おそれて
勇気をふりしぼって
生きる
人の美しさが磨かれるのは
影のなかにいるときかもしれない

あなたは光
透明な光
わたしが影のなかにいるときも
わたしの内にいてくださる
だから
せいいっぱい生きていきます

いつか
力尽きたら
そのときは
どうかしずかに
清めてください


◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、あい(ai_kotoba)さんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。

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