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心のなかに、自分だけの地図を…ハーグレイブ『地図と星座の少女』

 人は、失う悲しみを引き受けて、成長していく。
 キラン・ミルウッド・ハーグレイブ『地図と星座の少女』を読んで、そんなことを思いました。

 舞台は、ジョヤ島という架空の島。
 もともとは美しくて平和だったはずのジョヤ島に、あるとき総督たちが来訪してから、不穏な陰が落ち始めます。
 地図職人の娘である主人公のまわりでも、不可解な出来事が連続し、ついに少女は禁断の森へと旅立つことに。
 頼れるものは、知恵と勇気と友情だけ――。

 タイトルや表紙の印象から、ふわっとしたほのぼの系の物語なのかな~と思って読み始めましたが、意外とシリアスな内容でした。
 圧倒的な劣勢のなか、かけがえのないものを失う痛みを知りながら、島を救うために奮闘する、ひたむきな少女の物語です。

 ちなみに、私がいちばん好きだったキャラは、ニワトリのラー姉さんでした。


 生きるとは、変化していくこと。
 喜びも悲しみも受け止めて、人は変化し、成長していくのだと思います。
 人生とは、その流れ。
 そして、そんな流れを生きていくなかで大切なのは、いま自分が「どこにいるのか」、あるいは「何に向かうのか」を見失わずにいることなのでしょう。
 自分だけの心の地図を忘れずにいたいものです。


◇見出しのイラストは、みんなのフォトギャラリーから
mioartyさんの作品を使わせていただきました。
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