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エッセイ

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日々を生きていてふと思いついた戯言を書き留めています。珍しい蝶がいたら、ふと捕まえて標本にするみたいに。その時に捕まえないと、もう出会いない感情や、一生書けない心の動きがあるとし…
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2022年5月の記事一覧

感性を綴ること、自身の貧相な肉体を誰かに見られること

 今日は、冊子に載せる短編小説を書いていた。  小説を書く行為は、自分と切り離して考えて…

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読書家とは、「人生のどこかの地点で、本の読み方に、独自性を持ち得た人」だ

 永田希氏「積読こそが完全な読書術である』を読んでいて、思い浮かんだことをつらつらと書い…

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ツイッターを開くと、140文字の悲鳴が聞こえる。

 ツイッターを開くと、140文字の悲鳴が聞こえる。  ならばnoteは原稿用紙数枚分の悲鳴か。そ…

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論文と古典は似ている。

 論文と古典は似ている。  論文の重要度は、「どのくらいその分野の研究を行う際に参照され…

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衝動のハードルが下がる事と、汚れっちまった悲しみに

 第166回芥川賞受賞、砂川文次『ブラックボックス』にて、主人公のサクマは喧嘩っぱやくて、…

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誰よりも理性的に発狂する人を、天才と呼ぶとして。

 小説です。そう思って読んでください。 **  せいぜい偏差値70程度くらいの高校に通って…

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「別れる男には花の名前を教えなさい」という発言と、川端康成の女々しさ

「別れる男には花の名前を教えなさい。花は必ず毎年咲きます」と蜜のような甘い脅迫を語るのは、川端康成『掌の小説』だ。  花が咲くたびに、その名を睦み事の折に告げた女が、男の脳裏によぎる。季節を重ねるごとに、幾度も思い出される恋愛の記憶は地層のように堆積し、呪いとなる。    古代言語学者の呪いの定義が、「ある特定の言葉に縛られること」だとするなら、花の名前を浮かべるたびに女が重なるのは、立派な現代の呪いの一形態だろう。  鬱病の発症段階を、カーネギーメロン大学博士の苫米地

花の名前を教える行為と、言語学

 ところで花の名前を教える行為が、随分と近代言語学の磁場に縛られた思想だ。ポストモダンが…

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コップのふちをぽとりと水滴が溢れ出すような、クリエイティブの地道さ

 東大教授立花隆は「作家や学者の平均は、200冊読んで1冊の本をアウトプットするようなもの。…

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深夜、「セックスがしたい。」と呟き、抱き枕を抱きしめる。

 極めて個人的な独白です。  盗撮風のえっちな動画が「人の生活を覗き見たい」という一定の…

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「歴史を学ぶと、未来がわかる」という、言説がいまいち腑に落ちない理由と、東浩紀の…

 与えられるファストフード化された消費財を動物みたいに食べる人間像──。それを『動物化』…

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