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誰かが自分の文章を読むことが怖かった。

こんにちは。桜小路いをりです。

私は、小学生の頃から文章を書くことが好きで、もはや、あえて「趣味は物書きです」と言うこともないくらい、当たり前のように文章を書いていました。

けれど、こうしてネット上で文章を発信する、ということを始めたのは、今年からです。

その理由は、「誰かに自分の文章を読まれるのが怖かったこと」でした。

自分の頭の中をのぞきこまれているような、私という人間の心の奥まで透視されているような。
脳みそをごそっと抜き取られて、しげしげと眺められているような感じがしていたのです。

今回は、なぜそこまで「誰かに自分の文章を読まれること」が怖かったのか、どうやってそれを克服したのかをご紹介していきます。

「怖さ」の理由

私はずっと、自分の文章への肯定感が低く、文章を褒められた経験もありませんでした。

私は、生まれてこの方「文章の書き方」を習ったことがありません。
もちろん、国語の授業で「原稿用紙の使い方」や「文法」はひとしきり習いましたが、「こう書いたら洗練されて見える」などのコツは、一切知りませんでした。

また、いわゆる「優等生が書く大人ウケする文章」を書くことが苦手でした。
夏休みの課題図書に沿って戦争の本を選んで、読んで、その辺にいくらでも転がっているような感想を書いて、親の添削を受けて提出。
そういうことが嫌だったし、そうやって大人ウケを狙う周囲のことも苦手で、「自分の真っ直ぐな意見を書いたからこそ評価されない」環境も災いしていたと思います。

それが刷り込まれていたこともあり、

文章を書くことが好きだけれど上手くはない

誰かに読んでもらう価値はない

と決めつけていました。

克服のきっかけ

そんな「怖さ」を克服できたのは、とある出来事がきっかけでした。

恩師が、私の『人魚の眠る家(東野圭吾・著)』の読書感想文を読んで「すごく感動した」と言ってくださったのです。

もちろん、そのときの私の文章が「上手い」わけではありませんでした。

今だって、まだまだ磨く余地ばかりだし、もっと素敵な文章を書いて、誰かの心に残るような、見える景色を変えるような言葉を紡ぎたいと思っています。

でも、その恩師のひとことを聴いて初めて思ったんです。

 「言葉にのせれば、想いは伝わるんだ」

それが大きな発見だったし、一歩前進するきっかけにもなりました。

しかし、それで「文章を読まれることの怖さ」が完全に払拭されたわけではなく、最終的には、「自分の考え方を変える」ことで「怖さ」をなくしました。

最初の一歩、二歩

私は、小説でも何でも、自分の経験をところどころ切って、削って、貼り付けて、文章の土台を作っていました。
おそらく、それが原因で「自分の頭の中を覗き込まれている」ような感覚に陥っていたのだと思います。

そこで、まず「ペンネーム」を作ることにしました。
完全に別人格に解離したような状態で書くことで、気恥ずかしさが払拭されました。

また、私は「自分の経験をそのまま書くことがリアリティーに繋がる」と勝手に思っていたのですが、それを止めました。
今は、ネットも本も、調べるツールはいくらでもあるし、誰かから聞いた話を上手く織り込んで、そこにスパイスのように自分の経験を混ぜれば、いくらでもリアリティーを作り込むことができます。

そういうふうに、少しずつ「誰かに読ませるための文章」を作るようになって初めて、

これを誰かに読んでもらいたい

と思うようになりました。

そこから、小説やエッセイをmonogatary.comなどに投稿するようになりました。

monogatary.comは、「お題に沿った物語を投稿する」というシステムのサイトです。
超短編でも、短い詩のような文でも気楽に投稿することができたので、「誰かに読んでもらう」というハードルが下がりました。

サイト内でのリアクションも活発で、温かいコメントやリアクションにも背中を押されました。

踏み出して、得たもの

「自分の文章を発信する」という一歩を踏み出したお陰で、今年は、貴重な経験をたくさんさせていただく機会に恵まれ、心の底から「憧れ」と言える方々にもお会いできました。

大変なことも、迷いもあったけれど、それは全て「コンプレックスを克服して一歩前進できたから」でした。

今年、こうして、ネット上で文章を発信し続けられているのは、いつも私の文章を読んでくださる方々、リアクションをしてくださる方々のお陰です。

そのお一人お一人に感謝をしたいし、読んでくださる方がいるからには、毎日少しずつでも、ステップアップしていきたいと思っています。

最後になりましたが、いつも、桜小路いをりの記事を読んでいただき、ありがとうございます。

これからも引き続き、精進して参ります。

この記事が、みなさんの心に、ささやかでも「何か」を残せていたら嬉しいです。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。