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看板嘘つかない-皆野アルプスを行く破風山ハイキング⑱

コース初めての階段が出てきた。上りの階段きついけど、下りの階段は非常に助かる。道は再び細くなり「気を付けて歩きましょう」の看板の後に“うっ”と口をつぼめた複数の木々たちが岩の上からこちらを見ている。

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この上行くの?不安に思っていると道はその脇の傾斜へと続いていた。岩の正体は猿岩だった。

「どうしてこれが猿岩なのかな?」

「猿が住みそうな岩だからじゃない?」

「そっか。」

二人の単細胞会話はすんなりと終わりを迎え、歩けばすぐに忘れられてしまう。

傾斜は激しく滑りやすい道に苦戦しながら進む。つま先、かかとと足の裏に集中しながらバランスを保つ。猿岩の側面は長い岩壁でなんとも迫力がある。

しばし歩きやすい下り道に出て体力と気力回復時間。皆野アルプスコースは険しい道ではあるものの森は美しくポイントごとに視野が開け、眺望が望めるのが良い。

再び白いお花が顔を見せ、後半戦を応援してくれている。切り株に苔が生え、青々しさが目を引く。途中、青もみじがサラサラと風になびいている。鳥声コラボして風流たまらない。

森は表情を変え、あたりは杉だらけになった。その中にポツンと身長ほどの高さの木。

「この木の葉っぱみんなやる気がないんだけど。」

のんの森の面白いもの探しスイッチが作動。木には多くの葉がついているけど集団で垂れ下っている。

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生気を抜かれてしまったのかしら、大きなスナップエンドウにも見えちゃう。

道は二手に分かれ左へ曲がれば風戸へと向かう。二人が右へと進めば関東ふれあいの道は終わり、山靴の道コースへと変わる。地図上では前原尾根コースという名だ。

山靴の道コースの看板には“(注)急坂・岩場あり”の文字と共に矢印の代わりに山靴が方向を教えてくれている。手の込んだかわいらしい看板に愛らしさを覚えるが、注意書きからして愛らしさからは程遠い道なのだろうと予想。先へと進み答え合わせすれば、看板、嘘つかない。

 道は傾斜を増し再びの息切れ。砂利が多く滑りやすい、道幅は既に狭いのに木の根があり歩けるスペースがさらに減る。万が一滑ればそのままお尻ズリズリ滑り落ちる不安定な道を必死で歩く二人。鳥もキノコ、おもしろ木々も探す余裕がない。こういう時は無理せず慎重に行くべし。

ググっと登り14時37分男体拝に到着。

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