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ご苦労様でした-皆野アルプスを行く破風山ハイキング㉒

急な下りが続き、トレイルというより山なりにそのまま落ちている感じ。確かに去年チャレンジした時も山をまっすぐそのまま登ったような道だったな。それを下っているんだから当たり前と言えば当たり前。

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去年はここまで来たかな?記憶を蘇らせながら歩いていく。

今日は幸い晴れていて蜘蛛の巣もなく、蚊の襲来もない。予想されていた雷雨に襲われることもなく太陽サンサンの中、木陰に守られたハイキング。

本当、昨年は断念してよかったとのんはつくづく思う。前回の蜘蛛の巣も蚊からの攻撃も「こっちに来るな。今日は登るな。こっちは出口だ。」と教えてくれていたことなのだろう。悔しかった気持ちもこう振り返ると感謝の気持ちへと変わっていく。

私たちがちゃんと気づけば、目に見えない力はいつでも私たちを助けてくれている。

滑りやすい道を気を付けながら惰性で歩き16時17分大渕登山口へと到着。目安所要時間4時間のコースは5時間以上かかった。文句を言いつつ、何度も恐怖心に襲われ、疲労感満載の体だけど、終わるとやっぱり気持ちが良い。

「ご苦労様でした私たち。」

頑張った自分をたくさん褒めて達成感に浸る二人。既にのんにはまた山に行きたい気持ちが芽生えている。

大渕登山口から皆野駅までの帰り道をすっかり忘れていた。

「ここからどうやって帰るんだっけ?」

一度来た道と気を抜いて調べもしなかった。

「こっちだよ。」

おぉぉ。一度歩いた道は結構覚えているたぁ様の記憶力に万歳。

「こんにちは。」

「こんにちは。」

住人の方とも自然と交わされる挨拶。したほうがいいのかな?しないほうがいいのかな?と悩んでいる時、向こうから声をかけてくれてちょいと嬉しかった。

大きな車道まで来ると荒川が顔出す。車優先道路は気を付けて脇を歩く。駅が近づくとちらほらとお店屋さん。あるお店にはカラフルなお花が咲き誇り、のんはつい見とれてしまった。すると店主さんが顔を出す。

「こんにちは。」

こちらも当たり前のように声をかけてくれ、ハッとする。

「こんにちは。お花綺麗ですね。」

「もう終わりなのよ。」

終わりにしてはまだまだ元気に咲いている。手入れをされればお花だって上機嫌、花の命は長くなるのだ。

16時41分、皆野駅に到着。時刻表を見てみると5分前に電車は行ってしまったようだ。次は17時7分、気長に待とうではないか。

汗びっしょりのTシャツを綺麗なものに変える。冷房で体も冷えちゃうし、人さまに迷惑な異臭カップルにはなりたくない。

行きは東武線を利用したが、帰りは西武線を利用して帰ろう。秩父鉄道で御花畑駅まで向かい、西武秩父駅まで歩く。5分ほどしか離れておらず、踏切からはその姿がすでに見える。歩いている途中、電車が出発する音が聞こえたが、何も思うことはなかった。

コロナで休業していた駅前温泉祭りの湯は今日から再開したようだ。既に17時も過ぎているのでゆっくり浸かる余裕もなく次回のお楽しみ。隣接するフードコートを外からのぞけば珍しくガラガラ、物販エリアも含めいつもなら人であふれかえっている。

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これは珍しいとついついその様子を写真に収めてしまうのん。文句も言わず賛同もせず後ろからついてくるたぁ。

ゆっくりお買い物と行きたいところだが、電車の時間も気になる。iPhoneで電車乗換えを調べる。すると池袋駅まで直行できる特急の情報は出てこず、17時38分発の各駅電車を勧めてくる。

「なんか特急情報出てこないよ。」

頭をかしげるのん、特急好きのたぁの顔をちょっと曇る。駅の特急案内板を確認すると次は18時24分発。

えっ?1時間くらい待たないといけないじゃん。

だいたい1時間おきに特急は出るはずだから・・・あっ、さっき聞こえた電車発車音は奇しくも乗りたかった特急だったんだ。残念。

「乗り継ぎうまくいかないや。」

「本当?」

基本、たぁは「一緒に調べて」というまで自ら調べることもないが、同情音を効果的に発するテクニックだけは極めていっている。

念のため駅員さんに尋ねても飯能まで各駅電車で行き、そこから池袋行きの特急を勧められたのでここは素直になるのが一番。

ホームに行って電車を待つ。西武線の特急はおしゃれな今どき顔をしている。それに比べて各駅電車はレトロ感があって愛着がわく。いつもは閉まっている窓もコロナの関係がすべての窓が開き、トンネルを通る度に音が響き渡っていた。

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