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#怪談朗読
リクライニングベッド(朗読:絢河岸 苺様)
これは友人がとある職員として病院で働いていた時の話。
その病院には普段使われていない部屋がありました。
入院用の個室なんですけど、その部屋のリクライニングベッドにいわくがあり、どうしても部屋が足りないとき以外は使わないようにしていたそうです。
「スイッチを押してもいないのに頭の部分が勝手に持ち上がる」そんな誤作動がときどきあったそうです。
そして、この誤作動が起きた時、そのベッドを使っていた人は必
バスが来ない (朗読:かすみみたま様)
これは介護施設で働いている友人の話。
ある高齢の男性が施設に入居してきた。付添人は娘さんだった。
入所したときにはすでに認知症が進行おり、会話がなかなか噛み合わない。
友人にとってもそんなことは日常茶飯事だったが、この老人の口癖が少し気になった。
「赤いバスは来ないのか?」
と、老人は口癖のようにと繰り返し言っていたらしい。
当初は家に帰りたいという意味で言っているのだと、友人や施設の人たちは思
トンネルの夢(朗読:酒処あやかし 絢河岸 苺様)
その夜、私はトンネルの夢を見た。
幼いころを過ごした家の近くにあったトンネル。高架橋の下にある、短いが大きくて広い。電線込みで電車が十分に通れそうなほど縦にも横にも広がっていて、しかし長さは10メートルと少しくらい。
当然、向こう側の景色は見渡せるほどに(といっても梨畑だけだったが)開けていて、昼間でも多少薄暗くはあっても明かりに困るようなことはなかった。
しかし、その夢の中で私は“向こう側”を
閉めちゃいけない(朗読:影野ゾウ様)
↑こちらの第一話目として読んでいただきました。宜しければ動画をご覧ください。
大学生二年のときの話。
俺は夏休みの間限定である引っ越し屋でバイトしてたんだけど、その会社には変な決まりごとがあった。
事務所にまっ黒い冷蔵庫があって、そのドアにはでかでかと注意書きが書かれたA4の紙が貼ってあった。
『このドアを”閉めて”はいけない』。
開けっ放しにしてはいけないならわかるが、なんで閉めて